[CML 004745] シベリア特措法に関する共同声明にご賛同ください
Shoko FUKUI
fukui.cc.for.hr at gmail.com
2010年 6月 29日 (火) 14:24:24 JST
人権市民会議の福井と申します。
今月16日、「戦後強制抑留者特別措置法(シベリア特措法)」が成立したことは
一歩前進ですが、この法律には国籍差別が含まれており、私たち呼びかけ団体は
看過することができません。
そこで、下記のような「シベリア特措法に関する共同声明」を出すことになりま
したので、お気持ちを同じくしてくださる団体の皆さまにおかれましては、ぜひ
ご賛同くださるようお願い申し上げます。
なお、賛同の一次集約は7月10日に設定しています。その後、参議院議員選挙後
に新体制の民主党(又は政権)に確認して、提出する予定です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
≪以下、転送・転載 大歓迎≫
==============================
2010年6月28日
皆様へ
シベリア特措法に関する共同声明のお願い
日頃の人権擁護活動に敬意を表し、共同声明へのご賛同をお願い
申し上げます。
6月16日に「戦後強制抑留者特別措置法(シベリア特措法)」が
制定されました。同法は、調査や遺骨収集等を定め、戦後補償を一
歩前進させるものです。政権交代のひとつの成果といえましょう。
しかし、「酷寒の地で過酷な強制労働に従事させられた労苦」を
慰謝する特別給付金支給については、施行日時点の日本人生存者に
限定されました。シベリアやモンゴル等に抑留され、強制労働を強
いられた方々は57万人以上に上りますが、同法による補償の対象者
は約7万人です。
また、私たちが看過できない「国籍差別」という重大な問題も含
んでいます。旧ソ連の資料によると約1万人の朝鮮人が抑留されま
した。かつて、日本によって徴兵された人々です。日本の元抑留者
と同様に酷寒の地で長期間にわたる奴隷労働を強いられ、帰国後も
祖国で、排除・差別され、日本人元抑留者以上につらい戦後を過ご
してきた人々は生存者であっても排除されています。
こうした正義に反する国籍差別規定を含む同法は、自由権規約第
2条1項に反するものです。「選択議定書」が未批准のため、日本在
住の人々は国連への個人通報もできません。
かつての平和祈念事業特別基金法と同じ「国籍差別」をこのまま
存続させてはなりません。立法府に、旧植民地出身者に対する補償
法の成立を求め、戦後補償における不条理な「国籍差別」を早急に
是正させるため、より多くの団体のご賛同をお願い申し上げます。
<呼びかけ団体>
外国人人権法連絡会/人権市民会議/外登法問題と取り組む全国キ
リスト教連絡協議会/シベリア特措法の国籍差別をなくす連絡会議
■共同声明にご賛同くださる団体は、下記連絡先に、団体名、代表
者名、ご連絡先をお知らせ下さい。
■第一次集約:7月10日(土)正午まで
連絡先:BYK03200 at nifty.ne.jp
(シベリア特措法の国籍差別をなくす連絡会議)
cc.for.hr at gmail.com(人権市民会議)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
A.シベリア特措法に関する共同声明に賛同します。
団体名
代表者名
ご連絡先
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■また、シベリア特措法の国籍差別をなくす連絡会議に加入して下
さる団体・個人も募っております。
連絡先:BYK03200 at nifty.ne.jp
(シベリア特措法の国籍差別をなくす連絡会議)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
B.シベリア特措法の国籍差別をなくす連絡会議に加入します。
団体名・個人名
ご連絡先
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■共同声明文
内閣総理大臣 菅 直人 様
衆議院議長 横路 孝弘 様
参議院議長 様
シベリア特措法に関する共同声明
私たちは、日本において国際人権基準に沿った人権政策を推進す
るために、長年にわたって取り組んできました。
6月16日通常国会最終日に「戦後強制抑留者特別措置法(シベリ
ア特措法)」が制定されました。同法は、「酷寒の地で過酷な強制
労働に従事させられた労苦」を慰謝する特別給付金支給だけでなく、
調査や遺骨収集、体制の整備、次世代への継承なども盛り込んだ総
合的かつ未来志向的な画期的内容であり、戦後65年、施行日現在で
生存する日本国籍の元抑留者約7万人が対象となったことは、戦後
補償の一歩前進と評価します。
しかし、元シベリア抑留者への補償問題が、これで全て解決した
とは言えません。同法の国籍要件によって、同じシベリア抑留者で
も朝鮮人、台湾人が排除されています。旧ソ連の資料によると約1
万人の朝鮮人が抑留されました。かつて、「天皇の赤子」、「一視
同仁」として戦争に狩り出したという歴史的事実を、この規定は無
視しています。こうした正義に反する国籍差別規定を含む同法は、
日本が締結した市民的及び政治的権利に関する国際規約 (自由権
規約)第2条1項に反するものです。シベリア立法推進会議代表・全
国抑留者補償協議会会長の平塚光雄氏も声明の中で、「日本人以上
に苦労された韓国・朝鮮、中国・台湾に暮らす元抑留者らにも、相
応の措置が講じられるべき」と訴えています。
1988年制定の平和祈念事業特別基金法により、シベリア抑留者に
慰労金10万円及び銀盃を交付した時も、「国籍差別」があり、抑留
朝鮮人の李昌錫さんは、1992年京都地裁に提訴しましたが、最高裁
で敗訴確定でした(2001年死去)。今回の特措法についても、抑留
台湾人の呉正男さんは、「国籍差別は解消されないでしょう、選挙
で票にならないから…」と発言されました。
フランスの植民地兵だったセネガル人への年金差別(排除ではな
く低額)に関して、国連自由権規約委員会は、1989年4月、「国籍
の変更自体別異の取扱いを正当化する根拠とはなり得ない。…当事
国は、規約2条に従い、通報者らに対し被害回復のための効果的な
措置を取るべき義務がある」との見解を示し、フランス政府は平等
な取扱いに是正しました。日本も同じ国際人権規約を批准していま
すが、国連への通報を認める「選択議定書」が未批准のため、日本
からは国連に個人通報できないだけです。
立法府は、日本人と同じく抑留を強いられ、帰国後は祖国で排除
・差別され、日本人元抑留者以上につらい戦後を送ってきた旧植民
地出身者に対する補償法案をただちに起草し、今臨時国会で最優先
に成立させるべきです。そして、その法律の施行は、今次の特措法
の施行日に遡及させるべきです。
かつての平和祈念事業特別基金法と同じような「国籍差別」をこ
のまま存続させてはなりません。菅内閣が戦後補償における「国籍
差別」を早急に是正するよう、ここに連帯し強く要望いたします。
極めて不合理に放置されている多くの「李昌錫さん」や「呉正男
さん」のことを念頭に真剣な対応を求めます。
以上
2010年 月 日
<呼びかけ団体>
外国人人権法連絡会/人権市民会議/外登法問題と取り組む全国キ
リスト教連絡協議会/シベリア特措法の国籍差別をなくす連絡会議
<賛同団体>
==============================
CML メーリングリストの案内