[CML 004708] 関西救援連絡センターニュース2010年6月号
Matsuba Shoichi
mauricemerleau at yahoo.co.jp
2010年 6月 26日 (土) 22:31:55 JST
第291号 2010年6月
関西救援連絡センター
〒530‐0022大阪市北区浪花町11‐14
電 話 06−6372−0779
振替番号 00910−2−73915
発 行 隔月刊(原則として)
賛助会費 月 額 1口 500円
年間購読 送料共 1部 1,000円
■主な内容
・検察審査会・裁判員裁判 「市民感覚」を懲罰の理由にするな!!
・永田・丸岡氏に刑の執行停止を!専門病院での治療を受けさせろ
・靖国合祀イヤ!です訴訟 八月二四日に結審(大阪高裁)
ガッティンナラン訴訟も 七月二十日結審へ(那覇地裁)
・5・10生コン支部への不当な家宅捜査に対する抗議声明
◆検察審査会・裁判員裁判
「市民感覚」を懲罰の理由にするな!!
「明石の歩道橋圧死事件」「尼崎の列車転覆事故」では、検察審査会で二度に亘る「起訴相当」の判断が出され、強制起訴されることになった。東京の検察審査会でも、小沢氏の政治資金を巡って「起訴相当」の判断が出ている。これに対しマスコミは、「市民感覚=正義」であるかのように報道し、処罰感情を煽っている。本当に「市民の判断」に間違いはないのか。
甲山事件の再逮捕は、神戸検察審査会での「不起訴不当」の判断から始まった。
小沢氏を告発し検察審査会に申立てた市民団体は「在特会」だといわれている。政治資金規制法は、基本的には会計担当者の責任を問う法律である。会計責任者ではない小沢氏に起訴相当の判断を出しており、証拠や法的知識に基づいて判断したのかとの疑念が生じる。
検察審査会は、不起訴事案のみ判断し、起訴に対する不服申立てはできない。検察審査会は、結果として、起訴件数を増やすことしかできない。告訴・告発し不起訴になったら、検察審査会に申立てできる。改めて、「人を罰することが住みやすい社会を創り出すのか」と、疑問を呈したい。
* * * * *
生活感覚とあまりにかけ離れた裁判官らの事実認定に対して、市民感覚を裁判に生かそうと始まった裁判員裁判であるが、事実認定だけでなく、量刑の決定にも参加する。法教育もなされず、法律的な歴史経緯も知らず近代刑法の理念も知らず、「悪いことした奴を逃してはダメ!」という感覚で判決を下せば、それは裁判ではない。
司法改革十年余の結果は、「被害者感情の慰撫」が最優先され、足利事件がえん罪であったことが判明した後も、えん罪防止の声は「市民」からは挙がらないというのが、残念ながら実状である。
足利事件の無実が明らかになった後にもかかわらず、倉敷市の放火殺人事件の時効を成立させないために、充分な議論も行われず、えん罪を防止する手だても検討されないまま、殺人に対する時効の廃止が成立した。(下欄に「時効廃止」の附帯決議を掲載する。附帯決議で表明された「懸念」を払拭するための具体策については、検討さえされていない。)
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する
法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 公訴時効の廃止及びその期間の延長により、捜査が長期にわたる場合が増えることを考慮し、えん罪が発生する余地のないよう、捜査資料・証拠物等の適正かつ確実な保管を図るとともに、犯罪検挙率の低下することのないよう、適正迅速な初動捜査態勢の確保、捜査資源の適正かつ効率的な配分及び捜査技術の開発向上等を通じ、捜査力を一層高めること。
二 公訴時効の廃止及びその期間の延長によりもたらされる効果について、今後ともその検証に努めること。
三 医療事故に起因する業務上過失致死傷事件の処理に当たっては、医療の萎縮効果を生じない運用に努めること。
四 殺意の有無により公訴時効期間が大きく異なることにかんがみ、捜査機関がその認定を行うに当たっては、十分な証拠に基づいて適切公平な判断を行うべきよう努めること。
五 性犯罪については、被害者等の声を十分に踏まえつつ、罰則の在り方及び公訴時効期間について更に検討すること。
六 現在実施されている犯罪被害者等基本計画の検証を十分行うとともに、検討中の第二次犯罪被害者等基本計画(仮称)の策定等を通じて、犯罪被害者及びその家族又は遺族の実態も踏まえ、犯罪被害者等に対する必要な施策を一層推進すること。
右決議する。
★四月二七日、最高裁第三小法廷は、森被告人に対し、一審の無期懲役と二審の死刑判決を破棄し、大阪地裁に差戻した。「状況証拠の中に、被告人でなければ合理的に説明できない事実関係が含まれていることが必要」との新基準を示した。森氏は「現場にも行っていない」と一貫して無実を主張。
◆永田・丸岡氏に刑の執行停止を!
専門病院での治療を受けさせろ
《意識不明状態の永田洋子氏》
永田洋子氏は、脳腫瘍により既に視力を失い、現在は相手を判別できない状態だと聞く。しかし、医療刑務所で治療が行われているわけではなく、東京拘置所の病舎におかれたままである。
「よど号ハイジャック」事件で実刑判決を受けた田中義三氏は、末期癌であることが判明したが、刑の執行停止が認められ、出獄し病院に移送されたのは、死亡の二週間余り前であった。
《丸岡修氏の病院移送を認めろ》
宮城刑務所で、無期刑に処せられている丸岡修氏も、重い心臓病を患い、死の危機に瀕している。
一九九六年二月、東京拘置所で十五日間意識不明が続く重症肺炎に罹患し、その後も肺炎を繰り返し、同年七月「慢性心不全」の診断を受けた。以来、宮城刑務所移監後の二〇〇〇年六月まで病舎を出ることが出来なかった。二〇〇四年、心臓発作を起こし、病院に緊急移送。医療刑務所移監時に外部の病院で「拡張型心筋症」と診断され、「植込型除細動器」の移植手術が行われている。医師からは「慢性心不全であり、専門医のいる医療機関での治療以外生命の危機を脱する道はない」との診断書が出ている。二〇〇七年十二月、二〇〇八年三月、同年七月、今年二月に「執行停止申立」が出されたが、東京高検は拒否した。
この事態は、国が殺意を持って放置しているとしか言いようがない。入院治療を勝ち取るべく「弁護団」が結成されようとしている。
《全ての獄中者に適切な医療を》
長期獄中に拘束されている人たちの中には、拘禁性の精神疾患だけではなく、癌をはじめとした死に至る病いに冒されている人たちが多く在る。厳しい生活環境、ストレスの多い生活の中では、老化も激しい。
病気になれば、刑の執行は停止され、治療が行われるのが当然であり、それが為されないのは、国による遺棄致死=人殺しである。
「拡張型心筋症の丸岡さんに生きる途を!の会」
連絡先;埼玉県加須市礼羽88 平山方
E-mail: mantan1961 at yahoo.cojp
「丸岡裁判費用用カンパ」と明記の上、下記に振込みを!
郵便振替00120-2-398834「帰国者の裁判を考える会」
◆靖国合祀イヤ!です訴訟 八月二四日に結審(大阪高裁)
ガッティンナラン訴訟も 七月二十日結審へ(那覇地裁)
▼沖縄訴訟では、六月二四日十一時、現地進行協議として、激戦地で原告の戦争体験の聴取が行われた。「沖縄・小泉首相靖国参拝違憲訴訟」でも現地進行協議として聞き取りが行われたが、判決には反映されなかった。今回の訴訟は、遺族による合祀拒否である。「靖国合祀は積極的戦争協力を意味する」という遺族らの訴えに、裁判所は真摯に耳を傾けるべきだ。
▼大阪訴も次回で結審する。一審判決は、原告主張の事実を認めた上で、行政サービスの一環と言い切った。また、訴えの内容が異なるにもかかわらず、異なる宗教を持つ私人間の寛容をいう「中谷自衛官合祀違憲訴訟最高裁判決」の枠に押し込んで、原告らの訴えを却下した。中谷最高裁判決の射程ではない異なる内容の訴訟であることを裁判所に理解させるための準備書面を、作成中である。
▼「砂川市空知太神社違憲訴訟」札幌高裁差戻審の第一回口頭弁論は、七月九日に開かれる。砂川市が違憲状態解消に向けてどのような方策を打ち出してくるか、裁判所はどんな判断を示すのかが、注目されている。
◆各地の政教分離裁判◆
「大阪合祀イヤです!訴訟」
八月二四日十五時 結審
「東京ノー!ハプサ訴訟」
七月二九日 十一時 弁論
「沖縄靖国合祀ガッティンナラン訴訟」
七月二十日十三時 結審
「砂川市空知太神社差戻審」
七月九日 十三時半 第一回
《傍聴券はいずれも抽籤予定》
◆【ご存知ですか―事務局より】
刑務所は、万引きや無銭飲食等の微罪で懲役刑を受けた高齢者で溢れている。元々が貧困が原因であり、弁償も出来ず身元引受人もいない。そのため、微罪にもかかわらず、実刑となる。そのような人たちを刑務所に送ることが社会の「安全」を守ることになるとは、とても思えない。
出所後の受け皿のないこの国では、また万引きや無銭飲食をするしかない。
そんな状況の中で、昨年四月、「よりそいネットおおさか(福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した人々の自立支援おおさかネットワーク)」が結成され、九月から、大阪において援助が必要とされる、出所した人の相談支援を行っているという。
「よりそいネットおおさか」事務局
●財団法人大阪府人権協会内
〒556‐0028
大阪市浪速区久保吉1-6-12
電 話 06-6568-2983
Fax 06-6568-2985
◆公判日程
7月20日10時40分 ユニオンぼちぼち弾圧(職務強要) 大阪地裁〔堺〕(刑)論告求刑・最終弁論
8月24日15時 合祀イヤです訴訟 大阪高裁(民)結審
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【弾圧情報】
★京都サミット弾圧(失業保険不正受給):
4月14日10時、大阪高裁(刑)判決→控訴棄却(確定)
★関生弾圧(関西宇部): 5月14日15時半、大阪高裁(刑)判決→控訴棄却
★5月10日12時40分頃、関生支部事務所及び組合員宅、自家用車等計27ヶ所に、「偽造有印公文書行使」「詐欺の指示・計画」で家宅捜査。
《5・10生コン支部への不当な家宅捜査に対する抗議声明》
5月10日12時40分頃に突如として生コン支部へ不当な捜索がされた。
捜査容疑は、生コン支部が偽造有印公文書行使・詐欺を「指示・計画」した容疑として、生コン支部事務所及び15名の組合員宅、自家用車等計27ヶ所が家宅捜査された。
まず捜査容疑そのものが、全くのでっち上げである。生コン支部が偽造有印公文書行使、詐欺を「計画・指示」した事実は全く存在せず家宅捜査については「寝耳に水」であった。
今日まで判明している事は、生コン支部加盟の日々雇用組合員が障害者手帳を偽造活用し、高速料金の割引制度を不正利用していた生コン支部とはなんら無関係な私的事件であるにも関わらず、あたかも生コン支部を捜査し、マスメディアに誤解を与える情報を流した警察の意図は生コン支部のイメージダウンを狙い行った捜査である事は明白である。
現に生コン支部事務所からは、何一つ押収物は無く、個人の行った事件と結びつける物は、全く無い事が明らかになっている。
我々の態度は、日々雇用組合員が、不正に障害者手帳を偽造し、高速料金をごまかした行為は、弱者救済制度を悪用した破廉恥極まりない恥ずべき行為と言う立場である。
生コン支部組合員のモラル欠如は言うまでもなく社会的にも厳しく指弾されなければならない。
しかし、警察権力が今回の事件を生コン支部組織が「指示・計画」したとする不当な事務所捜査に事実を検証せず、裁判所が令状を発行した事は、断じて許す事の出来ない行為であり、今後責任を追及する。
生コン支部組合員が個別、個人で引き起こした事件を組合組織に関連付ける今回の捜査、マスコミ報道に対して断固たる抗議を行う。
しかし、数多くの組合員が不正行為を働いていた事実について極めて遺憾であり、更に生コン支部執行部として今回の事件が発覚するまでその事実を把握出来ていなかった事実を重く受けとめ、組合員がかかる不正行為が無いよう指導強化すると共に、「指導責任」を痛感している次第である。
本来、組合員と支部執行部との信頼関係と強固な団結があれば、この様な事件は未然に防げた事を生コン支部執行部として厳しく反省する必要がある。
事件を引き起こした組合員は、今回の事件を真摯に反省し、更正する事を求める。
生コン支部は、今回の事件を真摯に受けとめ、組合員と執行部との団結強化を深め組合員のモラルと組織性を更に高め生コン支部の戦闘性を高める為に今後も奮闘する決意である。
2010年5月13日
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
◆催し物などの案内
☆−和歌山カレー事件− ただいま再審請求中!
7月18日(日)13時30分開始(開場13時)
御堂会館A展示室(南館地下)〔難波別院(南御堂)〕
資 料 代: 800円(事前申込み不要)
主催;和歌山カレー事件を考える人々の集い
特別ゲスト: 森 達也さん(映画監督/作家)
報 告: 和歌山カレー事件再審弁護団
挨 拶: 鈴木 邦男さん(林眞須美さんを支援する会代表)
和歌山カレー事件の犯人とされた林 眞須美さんは、獄中(大阪拘置所)から、無実を訴え続けています。 昨年の7月22日、再審請求を提出し、今春、鑑定書の杜撰さを暴くべく再鑑定の請求も行っています。
昨年提出された再審請求書の論点は何か? いま何をしているのか? 今後の予定は? を、 弁護団から報告していただきます。
☆京都・当番弁護士を支える市民の会 セミナーのご案内
2010年7月22日(木)18:30〜20:30
京都弁護士会館3F会議室(京都市中京区富小路竹屋町北西角)
参加費&事前申込みは不要です
すべての被疑者が弁護を受けられる時代に向けて
〜当番弁護の現状及び被疑者国選第3段階実施に向けて〜
講師:伊山 正和さん(京都弁護士会当番部会員)
被疑者国選弁護制度の第3段階の実施に向けて準備が進められています。第3段階では、全ての被疑者が対象となります。
被疑者国選弁護制度は始まりましたが、現時点では、制度の対象とならない被疑者に対しては、当番弁護制度による派遣がいまも継続しています。
担当委員会のメンバーから、当番弁護制度は現在どうなっているのか、被疑者国選弁護制度の第3段階への移行に向けて何が課題となっているのかを、報告していただき、ともに考えたいと思います。
是非、ご参加ください。
☆映画「BOX―袴田事件―命とは」
http://www.box-hakamadacase.com/
大阪:シネ・リーブル梅田 6/26〜
神戸:シネ・リーブル神戸 6/26〜
京都:京都シネマ 7月予定
大阪:第七藝術劇場 7月予定
☆「さらば!共謀罪」−心に手錠は可あけられない−
共謀罪法案粉砕闘争の記録が本になりました!
共謀罪法案はこうしてつぶされた。生きる自由・闘う自由を圧殺する現代の治安維持法。多様な人びとの共謀のネットワークで、超監視社会・警察国家への道は、阻まれた。本書はその十年に及ぶ記録。
【目次】
第1部 共謀罪をつぶさなければならない理由
第2部 このようにつぶしてきた共謀罪
第3部 国会見聞記(法案関連資料を含む)
第4部 共謀罪を取りまく情勢は変わったか
補 世界の治安立法の動向
日本の治安法・治安政策の動向
年表(共謀罪闘争)
監修/足立昌勝 社会評論社 定価1890円
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2010 FIFA World Cup News [Yahoo!Sports/sportsnavi]
http://pr.mail.yahoo.co.jp/southafrica2010/
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