[CML 005023] 「臓器移植」で名誉毀損訴訟、千葉地裁が主張整理案提示

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 7月 21日 (水) 07:52:08 JST


医療法人徳洲会及び医療法人沖縄徳洲会が名誉毀損を理由に伊藤慎一医師(岐阜大学医学部附属病院泌尿器科)を提訴した訴訟で、千葉地方裁判所は2010年7月14日に主張整理案を提示した。主張整理案(争点整理案)は双方の主張を整理したものである。今後は整理案で整理された争点に沿って、双方が争っていく形になると予想される。

この裁判は学会の公開セッションでの伊藤医師の臓器移植に関する発言によって名誉を毀損されたとして、徳洲会及び沖縄徳洲会が各550万円の損害賠償を請求した事案である。主張整理案では前提事実を以下のようにまとめる。
http://news.livedoor.com/article/detail/4895435/
http://www.pjnews.net/news/794/20100718_8
徳洲会らは病院を経営する医療法人である。沖縄徳洲会の経営する宇和島徳洲会病院では2005年9月に泌尿器科部長の万波誠医師が執刀した生体腎移植手術で、患者と腎臓提供者の間に財産上の利益供与があり、患者及び仲介した内妻が臓器移植法第11条違反で逮捕された。

伊藤医師は2009年1月30日、千葉県浦安市で開催された第42回日本臨床腎移植学会の公開セッションにおいて以下の趣旨の発言を行った。

・宇和島徳洲会病院ではインフォームドコンセントを尽くすことなく、患者の臓器を摘出し、腎移植を行った。
・宇和島徳洲会病院では問題があると思われるケースでも、何の検討もなく腎移植を行ってきた。
・倫理的に問題がある腎移植を行っていることへの批判をかわすために、徳洲会らが政治的圧力をかけて情報操作を行った。

その上で主張整理案では4つの争点を提示する。

第一に伊藤医師の発言が徳洲会らの社会的評価を低下させるかである。徳洲会側は社会的評価を低下させると主張する。これに対して伊藤医師側は臓器売買事件に関連して既に徳洲会らの社会的評価は低下しており、更なる社会的評価の低下の恐れはないなどと反論する。

第二に真実性の抗弁の成否である。伊藤医師側は同意書面なしでドナーから腎臓を摘出し、インフォームドコンセントが行われた旨のカルテ記載もないなどとして、発言内容を裏付ける事実が存在すると主張する。これに対して、徳洲会側は真実性の抗弁の成立を否認する。

第三に真実相当性の抗弁の成否である。伊藤医師側は徳洲会病院に勤務していた看護師から聴取したなどとして、真実であると信じたことに相当の理由があると主張する。これに対して、徳洲会側は雑談の中で聞いた話で噂の域を出ないなどとして、相当の理由を基礎付けるものではないと反論する。

第四に損害額である。徳洲会側は原告各々につき、名誉毀損の損害500万円と弁護士費用50万円を損害額とする。これに対して、伊藤医師側は徳洲会側の主張を争っている。【林田力 『東急不動産だまし売り裁判』著者】



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