[CML 004785] 林田力「オリックス沖縄利権記事に見る市民メディア的側面」

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 7月 1日 (木) 21:53:35 JST


【PJニュース 2010年7月1日】フォトジャーナリストの新藤健一氏による記事「沖縄でうごめくオリックスの巨大な闇」が雑誌・週刊金曜日2010年6月25日号に掲載された。「郵政・かんぽの宿」の取得問題で猛反発を受けたオリックス不動産が沖縄をはじめ全国各地で物議を醸していることを取り上げた記事である。首里城からの景観を破壊すると批判されている那覇新都心(おもろまち)の高層マンションやホテルの建設計画などを追及する。
http://news.livedoor.com/article/detail/4858823/
http://www.pjnews.net/news/794/20100630_5
興味深い点は記事冒頭で新藤氏がオリックス不動産に興味を持ったきっかけを記していることである。オリックス不動産は東京都江東区亀戸でワンルームマンション建設を計画したが、解体工事で発生するダイオキシンやアスベストをめぐり建築紛争になった。新藤氏は地域住民としてオリックス不動産と交渉したが、同社の不誠実な姿勢に大いに疑問を抱いた。これがオリックス不動産への問題意識のきっかけである。

残念なことに大手不動産業者が売買トラブルや建築紛争で消費者や地域住民に不誠実な対応をすることは珍しいことではない。記者自身、東急不動産(販売代理:東急リバブル)から新築マンションをだまし売りされ、泣き寝入りを迫る不誠実な対応には煮え湯を飲まされた(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。

不動産業者が「売ったもの勝ち」「建てたもの勝ち」の姿勢を採る背景は消費者や地域住民を舐めているためである。企業は個々人から恨まれたとしても、問題にならないと高をくくっている。

個人の側にも焼け野原から経済大国にしてしまう前に進むことしかできない発想で、過ぎたことを水に流してしまうことを美徳する日本社会の風潮に毒され、時間の経過による風化に任せていた面もあった。それが悪質な不動産業者を増長させるという負のスパイラルに陥っていた。それ故に個々人が不動産業者から受けた不誠実な仕打ちを決して忘れず、問題意識を持ち続けることは非常に重要である。

このように問題意識を持ち続けることは大切であるが、自分の問題だけでは広がりがない。この点で新藤氏の姿勢は注目に値する。同じ会社が他でも行っていることを調査し、企業体質を明らかにする。これによって問題が普遍性を有することになる。個人を軽視した企業は、大きなしっぺ返しを受けることになる。
http://www.janjanblog.com/archives/7586
個人的経験を問題意識の出発点とした新藤氏の記事は市民メディア的でもある。個人の側にはマスメディアは個人の被害を取り上げてくれないという不満がある。これに対してマスメディア側としては、報道するためには一定の公共性が必要などと言い訳することは可能である。しかし、その姿勢がマスメディアを市民感覚から離れたものとしてしまっている。

個々人が不誠実な対応を忘れることなく、その経験を出発点として大きな問題を追及していく。それが個人の泣き寝入りが横行していた日本社会を少しでもマシなものにする道である。【了】



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