[CML 002738] さとうけいこさんの Re: 天皇制問題について

masuda miyako masuda_miyako1 at hotmail.com
2010年 1月 22日 (金) 15:23:29 JST


さとうけいこ様
 増田です。やっと少し時間ができたので、返信を書きます。


> 私が彼らを被害者だと考えるのは、私は過去に朝鮮文化研究会というのに参加していたことがあり、『他民族を支配する民族には自由が無い』ということを学びました。 他の人を支配している人たちはその人たちの心には平安はないと考えられます。制度の特権にしがみつくのは生きていくすべがわからず不安だからということもあるかもしれません。天皇家という特殊な環境に生まれたとしてもその運命を自分で変えることは出来ないからです。よって、飛躍かもしれませんが彼らも被害者ではないかと 思ったからです。
>

 やはり、たいへん、「飛躍」した謬論だと思います。「『他民族を支配する民族には自由が無い』ということを学」ばれたようですけど、この言葉は事実でしょうか? たいへん、洒落た言い回しなので使ってみたくなる魅力を持った言葉ですけど、これは「マルは三角形ではない」というのとあまり変わらない、実質のない言葉だと思います。

 具体的な一例を挙げますと、私の、もう亡くなりました伯母は義理の伯父が造船技師だったので、大日本帝国植民地支配下の朝鮮で「他民族を支配する民族」の一員でしたが、「自由が無い」どころか、自由に安い朝鮮人の方たちを召使いとして雇い、何不自由なく裕福な暮らしをしておりました。伯母から聞いたことですけど・・・伯母夫婦のために少々、弁明しておけば、誰に対しても親切で優しい人たちでしたので(身びいきかな?)「引き上げの時も、朝鮮の人たちから『奥さんは差別しないで親切にしてくれたから』と助けてもらって、一度も危ない目にあわず引き上げられた」とも語っていました。「自由」で裕福だった朝鮮での奥様生活を懐かしみながら・・・


 さとうさんの主張「昭和天皇は責任を取る能力のない人」とか「天皇(一族)は被害者」論には、その判断の根拠となるべき客観的事実、歴史事実の検討が全く入っていず、その結果、全く事実に反する主張になっています。

 さとうさんが「他の人を支配している人たちはその人たちの心には平安はないと考えられます。」ならば、天皇(一族)の「その人たちの心には平安はないと」ということが事実になるのでしょうか? 

 「天皇家という特殊な環境に生まれたとしてもその運命を自分で変えることは出来ないからです。」を日本語として正確に書けば「『天皇家という特殊な環境に生まれた』なら『その運命を自分で変えることは出来ないからです。』」となるのではないかと思いますが、それが、どうして直ちに天皇(一族)「被害者」・・・明記してはありませんけど、『可哀想そうな人』、『気の毒な人』ということを明確に含意していますね・・・になるんでしょうか?

 昭和天皇は侵略戦争の最高責任者であり、心身に何の故障も無かった成人として立派に責任を取る能力がありながら、戦争犯罪責任を東条らだけに押し付けて何の責任も取ることなく死にました。これは別に『運命』として決まっていたことでもなんでもなく、昭和天皇の意思さえあれば、最低限、退位することなどをして「責任を取った」という形をとることも可能でした。でも、昭和天皇は、それすらしませんでした。こういう「運命」を昭和天皇は「自分で変えることは出来」ました。

 確かに、天皇の長男に生まれれば、現在の日本国憲法では職業選択の自由は無く、天皇にしかなれません。でも、日本国憲法第4条は天皇の仕事は10の国事行為「のみ」しかやってはいけないと明記しています。明仁天皇は即位の時に「憲法を守ります」と制約したのですから、それを守っていれば、別に大変な仕事でもないでしょう。「被害者」(『可哀想そうな人』、『気の毒な人』)などには成り得ません。天皇が第99条の「憲法尊重擁護義務」を守るなら、ですけどね。


 どなたか、「何よりもの加害者は、人間をカミに仕立て、ナニモカモこの人に押しつけてしまい、そのことを忘却している日本人である」(板垣恭介『明仁さん、美智子さん、皇族やめませんか』より 大月書店)という文章を紹介してらっしゃいましたけど、「日本人」が「ナニモカモこの人(増田注:昭和天皇)に押しつけてしまい」という事実は全く無いのではないでしょうか? むしろ、日本人は「押しつけ」るべき最低限のことさえ天皇(昭和さんだけでなく明仁さん含め)に「押しつけてしま」ってないことが大問題ではないでしょうか?


 昭和天皇は象徴となってからも、沖縄をアメリカに差し出し、米軍駐留の長期化を要求し、と数々の憲法違反を重ねましたが、明仁天皇も多くの憲法違反を行っています。そのほんの一例を挙げておきますと、2006年12月14日、自衛隊イラク派遣隊員を接見して「国際的な協力に力を尽くしてこられたことをまことにご苦労に思います」というお言葉を与えています。憲法第4条は天皇に「憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」と命じているのですけど・・・憲法違反の自衛隊による憲法違反のアメリカのイラク侵略戦争参加に対して国政に関する権能を有しない象徴天皇が「国際協力」と一方的に断定し、褒めて「まことにご苦労」と慰労しているのです。

 これは明仁天皇の「自分で変えることはできない」「運命」ですか? 明仁天皇は「被害者」(『可哀想そうな人』、『気の毒な人』)という事実がどこにあるのでしょうか?

 天皇(一族)「パチンコに行けない」とか、「合コンにいけない」とか、別にそんな明文法はありませんし、なにより、皇室典範は「第11条 年齢15年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。第14条 皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる」と規定しています。

 現在の法律でも、天皇とその長男とその長男を除き、皇族の人は自分が「被害者」だと思い、「被害者であることをやめたい」と思えば、「その意思に基づき」「皇族の身分を離れる」ことは可能なのです。また、宮さんの夫をなくした奥さんは「その意思により」だけで、これは「皇室会議の議」さえ必要なく、直ちに「皇族の身分を離れることができる」のですけど、該当者は出ても、誰一人、実行した人はいません。

 そういえば、昔、どこかの宮さんのところの息子さんが、自分は「被害者だ」と思われたのか、この皇室典範第11条を利用しようとなさったかに見えました・・・確か週刊誌が騒いでいたような記憶が・・・でも、その後、そういう話は聞きませんので、自分は「被害者」ではなく「特権者」だという自覚をもたれたのかもしれません。 


●天皇(一族)の方々の特権・・・特殊利益? 特殊利権? 特別利益? 特別権益?・・・を宮内庁HP(平成21年度)の数字で確認しましょう。

 内廷費(明仁天皇&美智子さん&皇太子&雅子さん&お嬢ちゃんの私的生活費)32,400万円(所得税無し)・・・一人平均が約6500万円かな?

 宮廷費 609,960 万円

 皇族費 28,091万円(男性は3050万円、奥さんは1525万円、未成年の子供は305万円、子どもが成人すると910万円・・・5人家族なら?)

 宮内庁(約1000人のお役人)1,098,043万円

 ここまでで合計が1,76億8,493万円ですが、その他、皇宮警察費(H18)約83億円があります。つまり、皇族22人に対する国民の税負担は、約260億円でしょうか。一日当たり、約7123万円かな?

 以上、私は、いかなる意味でも「天皇(一族)、被害者」論は成り立たないと考えます。「天皇制反対」といいながら、その理由は「天皇(一族)は被害者で可哀想だから、気の毒だから」というのは倒錯した「天皇制賛成」あるいは「天皇制賛成」の変種である、と考えます。

 最後に「天皇(一族)は、自分の意思ではなく加害者にさせられた(る)被害者」という修辞・レトリックもありましょうが、「犯罪者は加害者にさせられた被害者」というのと同じく、情状酌量の余地はあっても、ほとんど意味の無い言葉だと思います。

 japan guide さんが書かれていたように、「天皇が被害者なら、従軍慰安婦も被害者、妻子残し東南アジアに連れて行かれ捕虜収容所監視員を強いられ、戦後、戦犯の刑を受け刑務所の中で気が違ってしまった日本名慶本、朝鮮名李永吉も被害者。」となり、加害者は「そして誰もいなくなった」!? になってしまいます。
 
 
 「天皇制反対」は、それが民主主義に反し、かつ、歴史事実として反民主主義に利用されてきたから、また利用されているから、でいいのはありませんか?










 
  		 	   		  


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