[CML 003125] 「トヨタ自動車は恥を知れ」被害女性が公聴会で証言
Hayariki
hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 2月 25日 (木) 22:47:18 JST
米国下院エネルギー・商業委員会は2010年2月23日、トヨタ自動車の大量リコール問題についての公聴会を開催した。意図しない急加速の被害体験を語ったロンダ・スミス氏の証言がトヨタ問題の本質を突いていた。
スミス氏はレクサスを運転中に「死を覚悟した」と証言した。スミス氏が運転するレクサスはアクセルを踏んでいないにもかかわらず、唐突に急加速し、時速100マイル(約161キロ)に達した。必死でサイドブレーキをかけ、ギアをバックに入れたが、速度は下がらなかった。
http://www.janjannews.jp/archives/2742560.html
この証言はトヨタ車の欠陥被害を理解する上で有益である。トヨタ車の欠陥はアクセルとブレーキという正反対の機能に広がっている。これはトヨタ車全般の低品質を印象付けるが、一方で欠陥のイメージが拡散して本質を認識しにくくしている面がある。そのために個々の欠陥を個別的に論じて、欠陥の一部を瑣末な問題と矮小化するトヨタ擁護論も出てくる。
しかし、アクセルの欠陥もブレーキの欠陥も「車が止まってくれない」問題である点で共通する。ブレーキが効かないというプリウスの欠陥が「車が止まってくれない」問題であることは明白である。同じくアクセルの欠陥による急加速も、運転者にとっての怖さは「車が止まってくれない」ことにある。ブレーキをかけても速度は下がらなかったというスミス氏の臨場感あふれる証言が、その怖さを物語る。
スミス氏の怒りはレクサスの急加速だけでなく、トヨタの不誠実な対応にも向けられた。スミス氏は欠陥車両としてトヨタに全額返金を求めたが、トヨタは急加速の責任を所有者に転嫁し、スミス氏を嘘つき呼ばわりしたという。スミス氏は危険性の訴えを無視し続けたトヨタに対し、「強欲なトヨタよ、恥を知れ」と批判した。
消費者への責任転嫁は、トヨタ自動車がプリウスのブレーキ不具合でリコールする前に日本の消費者に説明した理屈と同じである。トヨタの「運転者のフィーリングの問題」との主張には多数の消費者が反発した。スミス氏の怒りと日本の消費者の怒りは連帯できるものである。
公聴会での鋭いトヨタ批判に対し、日本では過剰な権利主張社会である米国社会の病理と否定的に評価する向きがある。しかし、消費者がトヨタに怒りを抱くことは自然である。深刻な消費者トラブルの背景には商品そのものの欠陥に加え、企業側の不誠実な対応が存在する。この点でトヨタ・バッシングは起こるべくして起きたものである。
林田力(『東急不動産だまし売り裁判』著者)
http://sky.geocities.jp/hayariki4/book.htm
東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口
http://www.mynewsjapan.com/reports/1101
米連邦大陪審も証取委もトヨタ自動車に召喚状
http://www.janjannews.jp/archives/2731469.html
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