[CML 003027] 関西救援連絡センターニュース2010年2月号

松葉 祥一 mauricemerleau at yahoo.co.jp
2010年 2月 18日 (木) 13:44:41 JST


第289号
2010年2月
関西救援連絡センター
〒530‐0022大阪市北区浪花町11‐14
   電  話 06−6372−0779
   振替番号 00910−2−73915
発  行  隔月刊(原則として) 
賛助会費  月 額 1口   500円
年間購読  送料共 1部 1,000円

■主な内容
・えん罪を誘発する時効廃止を許すな
・大阪拘置所の現状についての報告
・死刑事件も始まる今からこそ監視が必要!裁判員裁判
・北海道「砂川・空知太神社政教分離裁判」最高裁大法廷判決 無償貸与に違憲の判断
・公判日程
・催し物案内

◆えん罪を誘発する時効廃止を許すな
死刑支持も増加し処罰感情の高まりを示す
 法制審議会の刑事法部会は二月八日、殺人罪の公訴時効を廃止、傷害致死罪など、殺人罪以外の、人を死亡させた罪の時効期間を倍に延長する要綱骨子案を決定した。今月下旬に開催される総会で採択し、法務大臣に答申する。今国会に刑事訴訟法改正案が提出される可能性がある。今回の答申では、新制度を、時効の成立していない過去の事件に遡って適用するという規定があるが、これは、事後に法律を作って処罰することを禁じている憲法三九条に明らかに違反している。法務省は理論上可能との見解を示しているが、憲法の拡大解釈に他ならない。
 二〇〇五年の刑訴法の改悪により、殺人罪の公訴時効は十五年から二五年に延長されている。時効廃止や延長は、無罪の立証を益々困難にする。実務面では、何十年経っても捜査本部を置き続け、証拠を保存し続けなければならなくなる。今でも証拠の採取や保管は、客観的な裏付けがが担保されていない。長期間の証拠保存がどんな事態を生来させるか、危惧される。
◆要綱骨子案による廃止、延長
 法定上限が死刑に当たる罪
   25年(現行)↓廃止
 上限が無期懲役刑に当たる罪
   15年(現行)↓30年
 上限が懲役二十年に当たる罪
   10年(現行)↓20年
 その他の懲役・禁固刑
   5年(現行)↓10年
* * * * *
 二月六日、時効廃止をバックアップするかのように、「基本的法制度に関する世論調査」の結果を内閣府は公表した。調査は昨年十一月〜十二月、成人三千人に面接で実施し、初めて時効についての設問も入った。死刑容認は過去最高の85・6%という発表である。
 厳罰感情は、貧困問題が深刻化する程高まる傾向にある。死刑判決が増え、人々が執行しろと要求する社会が、犯罪を生み出さない社会を創造できるはずもない。死刑が増えることは、人の命が軽く扱われることに他ならない。
 「世論を死刑存置の理由にしてはならない」と、国連自由権規約委員会は日本政府を批判している。
 千葉法務大臣に対する死刑執行への圧力は凄まじいと聞く。このアンケートの結果を根拠に、より一層「死刑執行」への圧力 は高まると思われるが、執行書に判を押さないでいただきたい。
 人殺しから手を引こう!

◆大阪拘置所の現状についての報告
 矯正施設では所長の裁量権が大きく、所長が替わると今まで許可されていたことが不許可となる、あるいはその反対の事態もおきることは、今までもあった。大阪拘置所と東京拘置所の外部交通をめぐる規制の違いも、所長の性格の違いによるとすれば、受刑者はたまったものではない。
 大阪拘置所では、二〇〇六年八月に主任看守が収賄事件で逮捕されて以来、看守の配転が相次ぎ、獄中者への締め付けが強まった。
 一昨年九月、O被告が自殺した。大阪拘置所は七分前に生存を確認と発表したが、死後数時間経過していた。昨年二月には、死刑囚舎房の担当が代わり、刑務官や雑役夫への「おはよう」などの一切の挨拶が禁止され、これ以降、運動に出なくなる確定死刑囚が続出。そうしたギクシャクした空気の中で、トラブルも起きたようで、昨年九月からは、確定死刑囚への週一回の房内捜検実施という異常事態が続いている。
 林眞須美さんの外部交通の相手方としては、家族と弁護人だけしか許可されていない。兄弟さえも大阪拘置所は認めないのである。また、「執行してやる」など看守からの暴言なども続いている。
 切手や現金は、誰でも差入できる。大阪拘置所の風通しをよくするためにも、大阪拘置所の十七名の確定死刑囚へ差入れを!

◆死刑事件も始まる今からこそ監視が必要!裁判員裁判
危惧されていたように、最近では、新聞やテレビで裁判員裁判の報道がなされることは殆どない。今春には死刑判決の出る
可能性もあると聞く。裁判員裁判がどんなことになっているかをチェックして、異議申立ての声をあげていただきたい。

◆北海道「砂川・空知太神社政教分離裁判」最高裁大法廷判決
無償貸与に違憲の判断
 一月二十日、二つ共に合憲の判断が出るのではないかと懸念されていた、「砂川市空知太&富平神社政教分離訴訟」の最高裁大法廷判決は、無償貸与されている空知太神社に対しては、一、二審の判断を維持して、違憲とした上で、具体的な違法解消方法を示せと、札幌高裁に差戻した。一方、富平神社の譲渡(無償)に関しては、一、二審の判断を維持して合憲とした(判決確定)。
 この判決は、無償貸与を違憲とはしたものの、判決内容は全面的に肯定できるものではなく、神社や行政側にたったものだとの批判も免れない。
 各市町村は、違憲と判断された空知太神社と同様の宗教施設への無償貸与事案がないか確認作業を行っている。違憲状態解消への早急な対応を検討しているようだ。しかし、国有地内にも違憲状態の施設があると思われるが、国は、それについて一切公表していない。地方自治体への対応を迫ると同時に、国への調査および公表を要求する追及していく必要がある。
(判決の評価に代えて、弁護団声明を掲載します)
◆各地の政教分離裁判◆
「大阪合祀イヤです!訴訟」
   《大阪地裁 二〇二号法廷》
 四月二七日十五時 弁論
「東京ノー!ハプサ訴訟」
   《東京地裁 一〇三号法廷》
 三月 十八日 十一時 弁論
「沖縄靖国合祀ガッティンナラン訴訟」
   《那覇地裁》
 次回未定
(二月二三日進行協議で決定)
《傍聴券はいずれも抽籤予定》

◇砂川政教分離訴訟最高裁判決(2010年1月20日)弁護団声明 
2010年2月6日
1 空知太神社事件(平成19年(行ツ)第260号 財産管理を怠る違法確認住民訴訟)
 この事件は,砂川市が戦後,空知太神社が存在する土地の寄付をうけ、また有償取得した土地を、以後,同神社を維持・管理する空知太連合町内会に無償貸与し,同神社の境内地として無償使用させてきた行為は,憲法の政教分離原則に反するとして,無償貸与の解消(宗教的建物の収去と土地の明渡し)をもとめた住民訴訟です。
 札幌地裁、札幌高裁とも砂川市の上記行為は憲法20条3項に反するとともに,憲法20条1項後段,89条に規定する政教分離原則の精神に反するとの判断をし,砂川市長は,空知太連合町内会に対し,鳥居,地神宮並びに建物の外壁における神社の表示及び建物内の祠の収去を請求するべきだとしました。
 最高裁大法廷判決は,建物収去・土地明渡し以外の方途を検討すべきとして、高裁判決を破棄・差し戻しましたが、砂川市の上記行為は憲法89条,20条1後段の政教分離原則に反すると明確に判断しました。
(1)最高裁判決が,本件の憲法判断の枠組みとしてまず憲法89条を検討し,その上で「明らかな宗教的施設と言わざるを得ない」空知太神社に対する敷地の無償利用提供行為を,「憲法89条の禁止する公の財産の利用提供に当たり,ひいては憲法20条1項後段の禁止する宗教団体に対する特権の付与にも該当する」と判断したことは,愛媛玉串料判決ともあいまって,今後の政教分離裁判の重要な指針となるものです。
(2)もっとも,砂川市が,公有地上に存在する宗教施設の撤去・明渡しを長期間にわたり求めなかったことが,財産管理を怠る違法性があるとまでは認めませんでした。
  この判断は,神社施設の撤去が「氏子集団の構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼすものとなる」ことに配慮し,土地の氏子集団に対する譲与,有償譲渡,適正価格での貸付等の「他の合理的で現実的な手段が存在するか否か」について,裁判所が釈明権を行使すべきであったとしたものです。
(3)しかし,今井反対意見が的確に指摘するように,本件は2004(平成16)年3月17日に提訴されて2006(平成18)年3月3日,札幌地裁によって違憲の判断が出されていました。この時点においても砂川市は,他の方法を検討し,それを主張することもできたにもかかわらず,こうした主張を行わず,現状のあり方が合憲であると主張し続けていたのです。長期間に及ぶ違憲状態の放置のみならず,こうした砂川市の応訴態度からすれば,最高裁は砂川市の上告を棄却すべきでした。
(4)いずれにしろ,この違憲判決は,戦前の公権力と神社神道との結びつきがいまだ解消されず,地方自治体の財産が適切に管理されない状態になっていることに対する大きな警鐘といえます。国や地方自治体は,今後,神社と町内会や自治体との結びつきを習俗的なものとして,癒着の状態を放置することは許されないことになります。

2 富平神社事件(平成19年(行ツ)第334号 財産管理を怠る違法確認住民訴訟)
 この事件は,砂川市が,戦前,住民から寄付を受けた富平神社が存在する土地を,日本国憲法施行後も,神社境内地として無償使用させ続け,住民監査請求を受けたあと,富平神社を維持・管理している富平町内会を地方自治法上の地縁団体として認可し,これに上記土地を無償譲与した行為は,神社神道を援助・助長・促進し他の宗教を圧迫・干渉するものであり,憲法の政教分離原則に反するとして,無償譲与の解消(所有権移転登記の抹消登記)を求めたものです。
 札幌地裁,札幌高裁とも地縁団体富平町内会は宗教団体ではなく,また,上記無償譲与は市有地上に神社が存在している事態の解消を目的としているなどとして,憲法の政教分離原則に反しないとしていましたが,最高裁大法廷判決も,これを支持しました。
(1)まず,判決が,富平町内会に対する境内地の無償譲与につき,市と本件神社ないし神道との間に,我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるかかわり合いをもたらすものということはできず,憲法20条3項,89条に違反するものではないとした点は,最高裁が空知太神社事件で採用した新基準(相当限度論)及び従来の目的効果基準の曖昧さを露呈し,政教分離原則の実現を足踏みさせるものとして批判されなければなりません。
(2)判決は,日本国憲法の政教分離原則が,神社神道と公権力の結びつきによって多大の弊害を生じたことへの反省,そして多様な思想,信条,宗教等の共存・共生を可能にする目的のために設けられたということを,十分配慮しなかったものです。
  そもそも,町内会の構成員はすべてが神社神道の氏子とは限らないにもかかわらず,自治体が町内会を地縁団体として認可し,境内地である公有地を無償譲与することは,結果として,地域社会において,特定の宗教を援助,助長,促進し,かつ,他の宗教に対し圧迫,干渉を加え,ひいては一人ひとりの地域住民の思想,信条,宗教などの自由を侵害するものであり,人権尊重の立場から早急に改められる必要があります。
  こうした事態の適正化は、町内会ではなく氏子集団が、無償ではなく適正価格で宗教施設の敷地を買い取り、所有者となることなどによって図られるべきといえます。

3 政教分離原則が,国や地方自治体等の公権力から個人の思想,信条,宗教等の精神的自由を解放するという重要な機能をもっていることは今回の違憲判決及び合憲判決によってもかわりません。原告,弁護団,支援団体としては,今回の違憲判決をさらに前進させ,今後も政教分離原則が日本の社会にしっかりと定着するように,一層奮闘する決意です。そして,いやしくも政教分離原則を緩和するような憲法20条等の変更や平和主義にかかわる憲法9条の変更はしないということをこの機会に確認したいと思います。

◆公判日程
(紙面では「関生弾圧」と「京都サミット弾圧」が入れ替わっておりました。お詫びして訂正します)
2月18日11時   靭・大阪城公園強制排除訴訟       大阪高裁(民)判決
3月11日11時15分 京都サミット弾圧(失業保険不正受給)  大阪高裁(刑)第1回
3月12日10時40分 詐欺罪弾圧(失業保険不正受給)     大阪地裁(刑)第1回
3月17日14時30分 関生弾圧(関西宇部)          大阪高裁(刑)第1回
4月27日15時   合祀イヤです訴訟	大阪高裁(民)第4回
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【弾圧情報】
★10月27日職務強要罪で令状逮捕されたユニオンぼちぼちの組合員X氏は、11月16日に起訴され、保釈請求も却下され、現在も拘留中である。第1回公判は1月15日に開かれ、次回公判は未定(3月の進行協議で次回公判を決定)。
詳細は、ユニオンぼちぼちのブログで! http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/
★1月12日(火)釜ヶ崎三角公園での情宣活動を市職員がビデオ撮影し、抗議した1名が威力業務妨害罪で現行犯逮捕。2月1日に起訴(2/15現在も接見禁止)。
★11月18日(月)、詐欺罪(失業保険不正受給)で1名が令状逮捕、関連の事務所に家宅捜索。1月29日起訴。3月12日第1回公判。

▼催し物案内▼
☆《要事前申込》
学習会「これでいいのか?裁判員裁判〜弁護人が語る内幕〜」裁判員制度の課題と可能性を検証しよう! 
講 師 高山巌さん(大阪弁護士会・裁判員制度大阪本部委員)
刑事事件を中心に手がける法律事務所に所属し、複数の裁判員裁判の弁護を担当
日 時 2月27日(土)13時30分〜17時
会 場 大阪NPOプラザ3階会議室(大阪市福島区吉野4-29-20)
参加費 資料代500円
主催・問合 大阪ボランティア協会 担当:水谷(みずたに)
電話:06-6465-8391(代表)Eメール:office at osakavol.org
申込方法/大阪ボランティア協会のホームページの学習会「これでいいのか?裁判員裁判」申込みフォームよりお申し込み
ください。

☆陪審制度を復活する会連続セミナー
=陪審制度を学ぶ第11弾=
場所:西本願寺津村別院(北御堂会館)13時半〜16時半
 1回1000円〔学生は無料〕
  ■申込み先 陪審制度を復活する会事務局
  FAX.06‐6365‐1822 E-mail:m-kaba at kabashima-law.jp
▽3月6日(土)安田 好弘弁護士(第二東京弁護士会)
 「和歌山カレー事件を再検証する」
▽4月10日(土)
 裁判員制度での担当弁護士を予定「裁判員裁判の検証」


☆龍谷大学矯正・保護研究センター総括・シンポジウム
矯正・保護における進取と伝統
3月6日(土)龍谷大学深草学舎紫光館4F 法廷教室
▽13:30〜記念講演「私的矯正・保護研究の歩み」
  龍谷大学矯正・保護研究センター代表 村井 敏邦氏
▽15:00〜総括・シンポジウム
(参加無料/申込不要)


☆この国は、無実の人を死刑にしてしまったのかもしれない!
〜もう一つのDNA鑑定疑惑事件〜飯塚事件を考える
講 師:徳田靖之弁護士(大分県弁護士会・飯塚事件再審弁護団)
日 時:3月13日(土)6時開場 6時半〜8時半
場 所:ドーン・センター(「天満橋」駅下車、東へ約350m)
参加費:800円(事前申込み不要)
主 催:(社)アムネスティ・インターナショナル日本 死刑廃止ネットワークセンター
連絡先:(社)アムネスティ・インターナショナル大阪事務所06-4395-1313

 まだ当時、技術が未熟だったDNA鑑定にのみ依拠した結果冤罪を生み出してしまった足利事件は、私たちに衝撃を与えました。しかし、もう一つほとんど同じ時期に同じ方法によって鑑定されたDNAの結果をもとに有罪とされた事件があります。当時の鑑定の信頼度が失われた今、この事件は本当に有罪でよかったのか疑問が残ります。
 鑑定のし直しはできないのでしょうか。ところが証拠の血液はもう残っていないのです。
そして、既に死刑が執行されてしまっています。亡くなった久間三千年さんは、最後まで冤罪を訴えていました。


☆貧困問題連続市民講座第9講
「犯罪と貧困〜厳罰化社会から相互扶助社会へ〜」 
講師 浜井 浩一さん(龍谷大学法務研究科教授)
日時 4月19日(月)18時30分〜20時30分
会場 大阪弁護士会
主催 大阪弁護士会 Tel. 06-6364-1227
参加費&事前申込不要 
 貧困問題連続市民講座の中の一講座です。


☆京都・当番弁護士を支える市民の会
新歓セミナーへのお誘い

「なぜ刑事弁護をするのか」一生き直しの場としての法廷−
お話:高野 嘉雄さん(弁護士/奈良弁護士会)
日 時:2010年4月24日(土)午後2時〜(開場1時30分)
場 所:京都弁護士会館(京都市中京区富小路竹屋町北西角)
参加費&事前申込みは不要です

 高野さんは、甲山事件や東淀川小学生老婆強盗殺人事件(少年審判)、愛隣センター爆破事件をはじめとするの冤罪事件の弁護人をしてこられました。また、被告人や少年の更生に資する刑事弁護を主張して、弁護活動をされてきました。
 今回は、そんな高野さんに登場いただき、どんな思いを持って、刑事弁護をされているのか、おもいっきり話していただきます。
 皆さん、是非、ご参加ください。

◆高野嘉雄さんのプロフィール
昭和21年11月23日生。1974年4月弁護士登録(大阪弁護士会/26期)。1993年4月から奈良弁護士会。日本弁護士連合会可視化実現本部副本部長。
上記の他、労働公安事件や奈良小学生誘拐殺人事件・月ヶ瀬事件等の重大事件を数多く担当。

--------------------------------------
VANCOUVER 2010 Olympic News [Yahoo! Sports/sportsnavi]
http://pr.mail.yahoo.co.jp/olympic/


CML メーリングリストの案内