[CML 003016] 民主党の後退に継ぐ後退(1) 選択的夫婦別姓 外国人地方参政権問題

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2010年 2月 17日 (水) 13:17:45 JST


普天間基地「移設先」問題で鳩山政権と与党3党の軽挙蒙昧な迷走は、 愚かしさをいうもさらに
愚かなり、というほかない手合いのものですが(後述する予定です)、政府・与党は、選択的夫婦
別姓、婚外子差別撤廃を含む民法改正問題、外国人地方参政権問題に関しても保守の素地を
あらわにした迷走を続けています。 国民はいつまでもこうした愚かで浅はかな迷走につきあって
はくれはしないだろう、ということが民主党の面々にはどうして読めないのでしょうか?  民主党
には情勢を冷静に読むことができない自意識過剰、 自己過信の輩が(つまりチンピラが)あまり
に多いようです。

下記の読売新聞記事によれば、 「原口総務相は14日、 佐賀市での民主党佐賀県連の会合で
あいさつし、 永住外国人に地方選挙権を付与する法案について、 『国会で議論すべきテーマで、
政府が一方的に法案を出していいわけではない。国民新党は絶対反対だ。連立政権なので1党
でも反対すると政府としては提案しない』と述べ」たということです (「原口総務相、外国人参政権
に慎重姿勢を強調」読売新聞 2010年2月14日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100214-OYT1T00703.htm

一方、国民新党代表の亀井金融相はこの問題について次のように述べています。

「亀井静香金融・郵政改革担当相 (国民新党代表) は7日午後、広島県尾道市での会合などで、
政府が今国会への提出を検討している選択的夫婦別姓制度導入を柱とする民法改正案につい
て『夫婦まで名前を別々にするのが在るべき姿なのか。わたしは反対だ』 と述べ、反対を表明し
た。/永住外国人への地方選挙権付与法案にも触れ『国民新党は二つとも反対だ。わたしがノ
ーと言ったら法案提出できないから、絶対に成立しない』 と強調した」 (「亀井金融相、夫婦別姓
法案に反対表明 外国人地方参政権も」産経新聞 2010年2月7日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100207/stt1002071519004-n1.htm

両者の意見を総合すれば、鳩山連立政権は、ほんとうのところ選択的夫婦別姓、婚外子差別撤
廃を含む民法改正法案も外国人地方参政権付与法案も今国会に提出するつもりはない、という
ことにならざるをえません(鳩山首相が亀井金融相を罷免でもしない限り)。

この問題については同法律案を所管する千葉法務大臣は「両法案を今国会で成立させたい」旨、
繰り返し発言しています。所管大臣の意志を他の省庁の大臣がいとも簡単に否定する内閣とは
いったい何なのでしょう? 内閣の体をまったくなしていません。

来る3月10日には参議院議員会館で今国会での民法改正を求める緊急院内集会が開かれる
予定のようです。同集会では鳩山内閣の上記の矛盾を鋭く追及する必要があるでしょう。

***

なお、外国人地方参政権問題に関して、諸外国における同参政権付与の状況について正しくな
い理解が横行しているきらいがあります。インターネット・フリー百科事典として一定の信頼を構
築しているはずの『ウィキペディア』でも「外国人参政権」についての記載はまったくでたらめです
(同頁は「荒らし」を理由に現在編集が禁止されているという状況ですが)。そういうわけで、下記
に国立国会図書館のホームページに掲載されている、それゆえにほぼ正確と思われる「諸外国
における外国人への参政権付与状況」の一覧を付録として掲げている 「外国人参政権をめぐる
論点」という論考を紹介しておきたいと思います。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2008/20080128.pdf

下記は同一覧表を簡略化したものです。同一覧表によれば、現在、国政レベルで外国人に参政
権を付与している国は11カ国。地方レベルで参政権を付与している国は38カ国1地域です。詳
細は上記ホームページでご確認ください。

なおまた、 「参政権」 は基本的人権のひとつの謂いであり、「外国人参政権」付与の問題は各国
随意の政策的な課題というべきであるから「参政権」ではなく、「選挙権」と表現するべきではない
か、という主張がありますが、「選挙権」も「参政権」の内容を構成する重要な権利のひとつである
ことに違いありません。そういうわけで、 ここでは「参政権」を「参政権のひとつ」という意味で用い
ています。

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(1)諸外国における外国人への参政権付与状況【国政レベル】(11カ国。ただし、全ての国を対象にした国政参政権付与は4カ国)
*は相互主義、または国家間の歴史的経緯によるものを表す
△は参政権付与の特殊な形態

                 対象者の国籍  選挙権 被選挙権  要件等
  .船                       全ての国               ○     ×          5年以上の在住。
  ▲Ε襯哀▲              全ての国               ○     ×          15年以上の居住。
                                                                                         憲法78条で、国内に15年以上居住する外国人に選挙権を保障している。
  マラウィ        全ての国                ○     ×          7年以上の居住。
  ぅ縫紂璽検璽薀鵐鼻  .ぅリス        ○     ×     短期間の居住または一時的な滞在。
                その他        ○     ×     1年以上居住している永住者。
*ゥぅリス        英連邦諸国     ○     ○          短期間の居住または一時的な滞在。
                   アイルランド
*Ε▲ぅ襯薀鵐鼻     イギリス        ○     ×          国政レベルの選挙権は議会選挙のみであり、大統領選挙は除く。
*Д櫂襯肇ル       ブラジル       ○     ×          5年以上の居住。
*┘ーストラリア     英連邦諸国     △     ×     1984年1月25日の時点で選挙人名簿に登録されている英連邦市民。
*バルバドス       英連邦諸国           ○     ×          3年以上の居住。
*ベリーズ                 英連邦諸国           ○     ×     永住者または1年以上の居住。
△スロベニア      イタリア        △     △     イタリア人・ハンガリー人には共和国議会に1議席ずつ付与。
                ハンガリー

(2)諸外国における外国人への参政権付与状況【地方レベル】(38カ国1地域。参政権の形態の内訳は下記参照)
(イ)選挙権及び被選挙権付与(25カ国1地域)
 (|q)全ての国に付与(12カ国1地域。うち2カ国は一部の地域でのみ施行)
  ・スウェーデン、デンマーク、アイルランド、オランダ、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、スロバキア、ロシア、イスラエル、(参考)香港
  ・一部の地域でのみ施行:スイス、アメリカ、
 (|r)一部の国のみ付与(13カ国。うち1カ国は一部の地域でのみ施行)
  ・イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストリア、ギリシャ、マルタ、ベルギー、ルクセンブルク、ポルトガル、スロベニア 

  ・一部の地域でのみ施行:オーストラリア
(ロ)選挙権のみ付与(16カ国。うち3カ国は(イ)に重複)
 (|q)全ての国に付与(13カ国。うち2カ国は一部の地域でのみ施行。また、うち3カ国は(イ)に重複)
  ・ハンガリー、リトアニア、エストニア、ニュージーランド、ベネズエラ、チリ、ウルグアイ、韓国、マラウィ
  ・EU加盟国は被選挙権も付与:ベルギー(*)、ルクセンブルク(*)
  ・一部の地域でのみ施行:カナダ、オーストラリア(*)
 (|r)一部の国のみ付与(3カ国)
  ・チェコ、バルバドス、ベリーズ
(出典:国立国会図書館・政治議会課 佐藤令「外国人参政権をめぐる論点」より)
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2008/20080128.pdf
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東本高志@大分
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