[CML 002992] 石原コンクリート都政の問題点を明らかにしたシンポジウム
Hayariki
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2010年 2月 15日 (月) 21:57:22 JST
シンポジウム「もう、ごめん!石原コンクリート都政」(東京を考えるシンポジウム実行委員会主催)が2010年2月13日に東京都渋谷区の東京ウイメンズプラザホールで開催された。新銀行東京や築地移転、オリンピック誘致など、様々な分野に渡る石原都政の問題点が炙り出された。
司会は前国立市長の上原公子氏と一水会顧問の鈴木邦男氏である。鈴木氏は冒頭で石原慎太郎都知事の問題点として排外主義を指摘した。その顕著な例が衆議院議員総選挙の選挙活動期間中に、石原氏の公設第一秘書・栗原俊記が対立候補の新井将敬氏の選挙ポスターに「北朝鮮より帰化」というシールを貼って逮捕された黒シール事件を挙げた。鈴木氏は三島由紀夫を例に右翼思想が排外主義に直結するものではないことを強調し、石原氏の問題性を浮き彫りにした。
基調講演者の斎藤貴男氏が遅れたために順番を入れ替えて、山口義行・立教大学教授の新銀行東京の問題についての説明を先にした。山口氏は石原氏のキーワードとして、徹底したウケ狙い、無理を押し通すための無駄、責任のなすりつけの3点を挙げた。
新銀行東京はウケ狙いで始まった。金融機関の貸し渋りから中小企業を救済するという名目を支持した人々も少なくなかったが、新銀行東京の参入時は貸し渋りが一段落し、金融機関が貸し出し競争を再開した時期であった。そのために中小企業の資金需要は乏しかったが、新銀行東京は無理をしてでも業績を伸ばそうとし、資産を食い潰していった。
そして破綻が明白になった後は責任のなすりつけである。偉そうなことを言っている人が責任をとらないことは教育上悪影響を及ぼす。今では新銀行東京から借り入れると、他の金融機関が見放した倒産寸前の会社と思われてしまうと中小企業経営者層から敬遠されている。
新銀行東京は2009年度中間決算で初の黒字になったが、そのカラクリも明らかにした。融資先の倒産に備えて積み立てた「貸倒引当金」を取り崩した見かけだけの黒字である。一日も早く整理することが必要と指摘した。
続いて演壇に立った西崎光子・都議会議員(株式会社新銀行東京に関する特別委員)は都議会で「一日も早く店仕舞いを」と主張しているが、自民党や公明党が抵抗していると説明した。知事の責任を追及し、都民への情報公開を進めるため、特別委員会の審議への注目を求めた。
次は斎藤氏による「石原都政10年の検証」と題した基調講演である。斎藤氏は石原の問題点を明らかにした書籍『空疎な小皇帝−石原慎太郎という問題』の著者である。石原氏を取材していくうちに「どこをどうしたら、このような人間になってしまうのかという思い」になったと語る。批判対象でも取材するからには、取材対象に惹かれる点があるものだが、石原氏の場合、つまらない話ばかりで次第に取材が嫌になった。たとえば料理店で店員を怒鳴りつけるというエピソードなどである。人間の醜さをモロに見せつけられた。石原氏側は最初から最後まで取材拒否であったという。
石原都政は小泉政権の構造改革を先取りしていた。強いものが弱者をいたぶるのが当たり前とする社会を目指している。但し、構造改革には生産性の向上・経済の効率化などの目的があり、格差拡大などはマイナス面とする見方もある。これに対して、石原都政では差別が目的化している。
石原都政の手法は嘘と恫喝であり、これほど最低の男は存在しないとした。その例として公設派遣村の入所者200人が所在不明とされた問題を指摘した。夕食時までに大田区の「なぎさ寮」まで戻れなかった入所者が200人である。多くの入所者は、その後に戻ってきており、派遣村で実際にいなくなった人数は少ない。
最後に斎藤氏は石原氏を追及しないマスメディアや石原氏に投票する有権者も問題であると指摘した。石原氏の本質は弱者差別であるが、だからこそ石原氏に投票するのではないかと問題提起した。人間存在のあり方が問われていると結論付けた。(林田力)
http://www.janjannews.jp/archives/2612130.html
【オムニバス】トヨタのタコマ・リコールの影響
http://www.janjannews.jp/archives/2612060.html
林田力(『東急不動産だまし売り裁判』著者)
http://sky.geocities.jp/hayariki4/book.htm
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http://www.janjannews.jp/archives/2596528.html
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