[CML 005459] ヘブロンの出来事―隊長、あなたの良心はどこにあるの?

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2010年 8月 31日 (火) 16:10:44 JST


みなさまへ(転送歓迎) いつも情報ありがとうございます。 松元@パレスチナ連帯・札幌

今月10日に起きた出来事ですが、まず、このビデオを観ていただきたいと思います。http://palestinevideo.blogspot.com/2010/08/entrenching-apartheid-more-palestinian.html
イスラエル兵がパレスチナ人の店を溶接して閉鎖している一部始終が映されています。ヘブロンでは、オスロ合意以降とくにゴールドシュタインの虐殺後、こうした店舗閉鎖によるパレスチナ人の追放が頻繁におこなわれ、13世紀(鎌倉時代)からのスーク(市場)がゴーストタウンと化しています。

場所はヘブロン旧市街ベイトロマーノ。イブラヒーム・モスクへとつづくスークの入り口。右側にイスラエル軍が陣取る3メートルほどの円筒形の監視塔と8メートルの黄色いゲートがあるからすぐわかります。今回の事件は、このゲートのすぐ前の3店舗が襲撃されたものです。

このゲートのイスラエル側にはベイトロマーノの約100人のユダヤ人入植者、すぐ隣のベイトハダサにもモスクに近いアブラハム・アビーノにもそれぞれ100名前後の入植者が住んでいます。丘の上のテル・ルメイダを含めると450人位のユダヤ人がヘブロン旧市街に陣取っていて、かれらを「守る?」ために1200〜1500人位のイスラエル軍兵士とイスラエル警察が常駐しています。

このベイトロマーノとイブラヒーム・モスクの二ヵ所にイスラエル軍のベースがおかれていますが、ただでさえ入り組んでいる旧市街の約10ヵ所に兵士常駐の検問所があり、さらにロードブロックと鉄条網で切れ切れに分断されてパレスチナ人の移動が常時阻まれているのが実態です。

とくにイブラヒーム・モスクからテル・ルメイダへとつづく道シュハダ・ストリートは事実上ユダヤ人専用道路となって普段は人っ子一人歩いていません。パレスチナ人は目の前の墓にも行けず玄関を閉鎖された家族は隣の屋根伝いに出入りするというように完全に閉め出されています。通りに面した約60店舗のパレスチナ人の店は、90年代後半からイスラエル兵と入植者によって全店舗の鉄扉が溶接閉鎖されたもので完全に「死の街」と化しています。

ことし2月から毎週土曜日に、イスラエル・パレスチナ・インターナショナルズの諸グループがこの「シュハダ・ストリートを開放せよ!」というドラムや楽器・歌の鳴り物入りのキャンペーンを始めたのですが、その終点で気勢を上げたのがこのビデオに映っているベイトロマーノだったのです。

またこの「毎週土曜日」の夕刻には、以前からイスラエル占領地の各ユダヤ人入植者の聖地詣で(アブラハム、サラ、イサク、ヤコブが眠るといわれている族長たちの墓=イブラヒーム・モスク(今はこの半分がシナゴーグとなっている))が行なわれ、大型バスを仕立てて団体で旧市街スークを見学して歩くのが慣わしとなっています。銃を真横に構えたイスラエル兵10名ばかりに囲まれたこの「団体ご一行」は、閑散としてなお強固に店を開いているパレスチナ人の貧しい店舗の店先の商品を蹴飛ばしたり盗んだり狼藉を働いてもいます。イスラエル兵は、そういうかれらをも「守る!」のです。

したがって、今回のベイトロマーノの3店舗襲撃閉鎖、4人逮捕は、あきらかに「シュハダ・ストリートを開放せよ!」のキャンペーンへの「見せしめ」以外のなにものでもなかったといえます。じじつパレスチナ人が犠牲となったその後、イスラエル抗議の諸グループは方針転換を余儀なくされてしまいました。

上のビデオと以下のリリースをお読みくださって、パレスチナ現状の1ページに加えてくださると幸いです。なおポーレット・シュローダーは以前「イスラエルのばかげた25章」でも紹介したCPThttp://www.cpt.org/のメンバーです。拙い訳ですが、英文はブログでどうぞ。松元

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<イスラエル軍と警察官が、パレスチナ人の3つの店を閉鎖した>

2010年8月14日



ここ数ヶ月の毎週土曜日、入植地に反対する若者たちがヘブロン旧市街の入り口で非暴力アクション「シュハーダ・ストリートを開放せよ」を率いていた。2010年8月10日の火曜日、イスラエル軍と警察は、力ずくで三つの店舗を溶接して閉鎖した。それらの店は、毎週土曜日のアクションを行なう場所のすぐ後ろにあり、またイスラエル軍の基地の一つのゲートの向かい側に位置していた。



午後2時45分に地元の友人の一人からCPTメンバーに連絡があり、その店の経営者はイスラエル軍から店を閉鎖するという通告を受け、半時間で店の品物を移動しなければならなかったという。現場に到着した後、CPTメンバーは協力関係にある組織やメディア、そしてインターナショナルズの仲間たちに合流するよう呼びかけた。まもなく約75人の群集が、これらの店の前に集まった。かれらが待っている間、パレスチナ人たちは店の扉を2つ取り外し、そして隠した。



午後4時をすこし過ぎたあたりに、兵士30名と警察官3名が現場に到着し、インターナショナルズやパレスチナ人たちが待機していたところをかきわけ店の中へ押し入った。兵士たちは市民を店の外へ追い出し、店の商品の大部分をあたりに撒き散らし、一人のパレスチナ人をゲートの向こうまで無理やり引きずっていった。その直後に到着した国際赤十字の赤新月社は、引きずられたときに負傷したパレスチナ人男性を診察した。赤新月社はその男性が脳震盪を起こしていると判断し、警察官に入院が必要だと忠告した。この警官は、そのパレスチナ人男性を拘置所に連行し尋問した後でかれに入院が必要であるかを判断する、と答えた。



兵士たちは、イスラエル軍基地から商店までは「軍事区域につき立ち入り禁止区域」であると宣言し、2列の隊列を組み、まさに閉鎖されようとしている店から徐々に群衆を無理やり遠ざけた。別の兵士たちが隠してあった扉2つを見つけ出し、3つの店を溶接してしまった。イスラエル警察官の一人が扉を溶接する直前に、商品が積まれた店主の手押し車を店の一つの中に押し込んだ。CPTメンバーの一人がその警察官に、その店主のためにその手押し車を店の中から取り出すか、もしくは彼女がそれを回収できるよう許可してほしいと強く嘆願したが、その警官は拒絶した。1人の英国人と4人のパレスチナ人が逮捕された。



翌未明の午前2時30分、この英国人は西岸からの即刻退去、そして15日間は戻ってこないという条件付きで、釈放された。4人のパレスチナ人は、いま刑務所に送られようとしている。脳震盪を起こした男性の兄弟は、CPTメンバーにかれの兄弟は結局入院させてもらえなかったと話した。



<「隊長、あなたの道徳観はどこにあるの?」>

8月22日

ポーレット・シュローダー(CPT)



30名のイスラエル軍兵士と2名の警察官に守られながら、あなたバッセム隊長は毎週土曜日のアクション「シュハダ通りを開放せよ」が行なわれている場所にある3つのパレスチナ人商店を、兵士たちに溶接閉鎖するよう指示を出しました。これらの店で働いていた店主は、パレスチナ人活動家たちの毎週のこの非暴力アクションとは何の関係もないにもかかわらず、この抵抗運動を力ずくで止めさせたいあなたの意図の「見せしめ」として、彼を罰しました。一人のインターナショナルズと4人のパレスチナ人を逮捕した後、残酷にもあなたは兵士たちに最終的な命令を下し、これらの店を封鎖してしまったのです。



隊長バッセム、あなたは溶接を始める前の土壇場になぜ、ラマダーンの品々をいっぱいに積んだ手押し車を閉鎖されようとしていた店の中に手荒く突っ込むような決定を下したのですか?あなたの心に何が浮かんだのですか?断食と祈りと施しと家族同士の訪問をして幸せともてなし(歓待)の分ち合いの季節であるラマダーンの前日に、何があなたにこの男の苦痛をさらに激しくすることを思い起こさせたのですか?あなたは、イスラエル兵士や国境警備警察官の「強い」隊列の後ろに立っていましたね。あなたは兵士たちが店の一つを閉鎖し溶接する準備をしているところを見ていました。あなたは、その手押し車が店の外にあるのをその目でたしかに見ていました。この一連の行為を撮影していたCPTメンバーの一人が大きな声で叫び、嘆願したにもかかわらず、まさにその時あなたは扉の奥に乱暴にその手押し車を押し込む選択をしたのです。そのCPTメンバーは、彼女がその店の主人のためにラマダーンの品々を回収させてもらうよう、もしくはあなたに回収するよう強く懇願しましたが、しかしあなたは、これっぽっちの思いやりも働かせようとはしなかったのです。あなたは手押し車をわざとその商人に近づけないようにしました。無頓着にもあなたの両手が触れたことによって、思いやりや公正さといったいかなる可能性をも拭い去ってしまったのです。あなたはCPTメンバーの声を聞いたはずです。「あなたの道徳観って、どこにあるの?この店主が、この憎らしさに値する何をしたというの?」昼過ぎにあなたは彼に警告を出し、彼には半時間しか3つの店から商品を移動させるための時間は与えられていませんでした。しかし実際は、これらの店や人々が抗議をしている場所に駆けつけてくるまであなたは2時間も費やしていました。店主はあなたが彼に要求したとおりのことをしたのです。



隊長、私はこの一部始終を見ていました。私はあなたの心に何が起きたのか不思議に思いました。この日以前にも私はあなたを通りで何度かみかけました。通常は職務を遂行しようとしている礼儀正しい警察官としてあなたを見ていました。この日、私はあまりにも違ったあなたを見てしまったのです。



この日の悲しみを、もうあなたは取り戻すことは出来ません。デモ参加者や店主に対するこのような弁明の余地のない残酷な仕打ちをもって、パレスチナ人の実生活により多くの苦痛をもたらすあなたの決定は、イスラエルによる占領を典型的に表すものです。それは兵士たちのこころを殺し、かれらが今後西岸で任務に就くときも心理的な障害をつくり出しています。私は占領があなたにこのような影響を与えてしまったのかもしれないと思いました。私は、あなたにそして兵士たちに問いたいのです。「これはあなたがイスラエルのために、そしてあなた方のために望んでいる将来なのですか?」



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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
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