[CML 005452] 住民発意で区画整理・再開発の法改正を考えるシンポ(下)

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 8月 31日 (火) 08:11:12 JST


【PJニュース 2010年8月27日】第二に渕脇みどり弁護士の「再開発訴訟の中で」である。淵脇弁護士は二子玉川東地区再開発(街の名称:二子玉川ライズ)に関する訴訟の住民側代理人である。二子玉川ライズは風致地区に超高層ビルを乱立する計画である。東急電鉄・東急不動産のビジネスのために周辺住民の生活する権利が侵害されている。

裁判は現行法の中でもがき苦しみながら、進めてきた。現行法は住民の意見反映の手続きが軽視されている。複数案を比較検討する仕組みにすべきである。再開発は安易な立ち退き手段として悪用され、街壊しや独占を可能にしてしまう。公共性の意味を具体化する必要がある。当事者が法律を変えていく時代の流れにあるとした。
http://news.livedoor.com/article/detail/4970669/
http://www.pjnews.net/news/794/20100824_6
後半は討論である。再開発や区画整理に苦しめられている人々から切実な意見が相次いだ。例えば埼玉県の再開発地域の住民は「裁判官は、公共性について、どのように考えているのか」との辛辣な疑問が提起された。商業ビルを建設するような明らかな営利開発事業が公共性ある再開発とされ、個人を住居から追い出すことを正当化する。これについて裁判官は疑問に思わないのか、と。

これに対し、淵脇弁護士は「二子玉川ライズが同じ」と応じた。再開発には厳しい規制がかけられなければならないのに、逆に緩和されている。残念ながら裁判官には未だ認識が十分ではない。

これに岩見氏が補足した。二子玉川東地区再開発は再開発地域の85パーセントが東急グループの所有地である。東急グループの利益のための再開発に過ぎない。その公共性の説明は抽象的であった。世田谷区が東急グループと再開発地域の方向性を決定した。行政が悪いと住民は大変なことになる。何の説明もないまま、再開発地域の容積率が緩和されてしまった。

また、組合施行と自治体施行の区画整理の相違について質問が出された。羽村駅西口区画整理事業は自治体施行であるが、組合施行ならば地権者が組合員となるため、民主的になるのではないかとの問題意識からであった。

これに対し、神屋敷氏は組合施行では組合と自治体の間でたらい回しにされる危険があると指摘した。自治体施行では行政に回答を求めることができるとする。

その他にも様々な意見が出された。基本構想の段階から住民参加で進めるべきである。初めから全て情報を開示すべきである。住民が嫌だと言えば止めればいい。

現行制度では事業計画縦覧時には全部決まっており、手遅れである。意見書は無視されている。全部が反対意見でも計画が進められる。複数案の検討の義務化と住民投票的なものを検討すべきである。

日本には街づくりの哲学がない。江戸川区のスーパー堤防予定地は先行買収が行われ、地域外の人から戦争で空爆を受けた跡みたいと言われたとする。戸塚駅西口再開発では生活再建、営業再建が無視された。

各地の区画整理組合は破綻寸前の危機的状況にある。行政は住民に負担させようとしている。直接施行(強制執行)を早い時期に行うことが望ましいとの方針も出している。これには会場から悲鳴が生じた。

地方分権が進められ、首長の権限が強まったが、住民自治に結びついていない。中央省庁ならばマスメディアなどの監視があったが、地方の役所に対する監視は弱いため、裁量権の名の下で勝手がまかり通っている。

最後に白藤博行・専修大学法学部教授がコメントした。法律の世界では結果オーライの発想から手続き重視に変わっている。1993年に制定された行政手続法が一例である。しかし、区画整理や再開発で問題になる行政計画の分野では未だ手続き重視の思想が反映されていない。この点で住民発意の法改正を検討する意義は大きいと締め括った。【了】
(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
林田力「スーパーFMWの魅力(3)「外国人選手の活躍」」リアルライブ2010年8月30日
http://npn.co.jp/article/detail/11920419/



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