[CML 005371] 東急不動産だまし売り裁判購入編(6)林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 8月 23日 (月) 08:11:31 JST


モデルルーム見学後に中田は一通りの説明を行った。その直後に手付金10万円を請求した。中田は適当な説明で即日契約を迫るタイプの営業であった。書籍では契約を急がせ、手付金を早急に催促する業者は避けた方がいいと記述されている(楜沢成明、マンションを長持ちさせる100章改訂版、鹿島出版社、1998年、210頁)。
物件は気に入ったが、担当は気に食わないという話もよく聞く。あまりにも急な要求に、原告の心の地平線には黒雲が沸き起こった。不安感が鋭く尖った角を原告の心に押し付けてきた。
「少し考えてみます」
原告の返事に中田は舌打ちしそうになったかもしれない。原告にとって中田は悪魔がそそのかすために送ってきた使者であった。エデンの園におけるエバにとっての蛇と同じである。とりあえず建設中の現地を見学に行くことにした。
「現地まで車でお送りしましょうか」
「ご親切はありがたいのですが、結構です。自分の足で駅からの距離や周辺の環境を確認したいので」
http://www.janjanblog.com/archives/12802
マンションはまだ建設中であった。建設地には私有地が入り組んでいて変な感じであった。
「何だか妙な建物だな。着飾った監獄みたいだ」
図面と建設中の建物を見比べて、301号室が北西の角部屋に位置することを確認した。住居は南向きが良いとする立場からは、北西は回避される物件である。しかも西側には狭い道路を挟んで五階建てと六階建てのマンションが建てられており、西側からの日照・眺望は期待できそうになかった。仮に日照が得られたとしても、それはそれで夏場は西日が差し込むため、いつまでも暑く、余計に冷房代がかかることになる。
一方、建設地の北側には茶色い小屋のような建物が建てられていた。建物は建設中のマンションと密接していた。この建物は二階建てであるため、三階の日照・眺望は妨げられないことは確認できた。北側隣地の隣は区立洲崎川緑道公園があり、三階からは見渡すことができる。これは東急リバブルの説明通りであった。
門前仲町マンションギャラリーに戻ると、中田が話しかけてきた。
「どうでしたか」
「あまりよくありませんね」
「ダイナシティのマンションのことですか」
原告は中田の冷ややかな凝視を見落としたが、彼女の差し出がましい口調には嫌でも気が付いた。中田はあくまで他社物件を貶めるつもりである。
「いいえ。アルスです。日当たりが悪そうです。西側にはビルが建っていますね」
「その代わり、北側からは緑道公園が望めますよ」
「北隣の小屋のような建物は何ですか」
「物置です」
原告は中田の説明を信用したが、これは虚偽であった。十尋の水の底は測れても一尋の人間の心の底は測れない。現地案内図(アルス建設地を中心とした江東区木場・東陽の地図)が配布され、それを見ながら説明を受けたが、その地図上も北側隣地は「ソーコ」と記述されていた。
後で「ゼンリン住宅地図江東区」(2003年)を見たが、そこにも北側隣地は「ソーコ」と記述されており、購入者が地図で調べても作業所であることは看取できなかった。
実は工務店の作業場として使われるものであった。倉庫と作業所では居住者の印象が異なる。作業所では騒音が発生するためである。しかし、東急リバブルは消費者に正確な情報を伝えようとはしなかった。
ところが、トラブル発覚後には「当時、作業場所として、使用されておりましたので騒音があるとは聞いていました」と作業所であることを知っていたと開き直った(東急リバブル回答文書2005年9月13日)。東急リバブルの説明は宅地建物取引法第47条違反(不実告知)である。
知っていても都合の悪い事実は説明しない。これが東急リバブルである。居住者の住む権利を保障するよりも儲けることに熱心である。これが悪徳不動産業者の現実である。大企業の法令順守が、いかに口先ばかりかを物語っている。
【見学の偽り】アルスは建物未完成の時点で販売する青田売りであった。未完成のため、マンションの外観は勿論、区分所有部分(住居)も実物を見ることは不可能である。販売時は、建物はまだ工事中で、中に入れる状態ではなかった。そのため、原告は契約前に建物を見学することはなかった。建物内の構造、仕様を確認することもできなかった。
それにも関わらず、東急不動産は裁判では原告が「本件契約締結前に本件建物を見学して、本件建物内の構造、仕様なども承知していた」と虚偽主張をした(被告準備書面2005年7月8日)。これは完全な虚偽である。このような完全なデタラメを堂々と主張することは原告を愚弄することである。被告の倫理観の欠如、企業モラルの低さには失望させられた。
原告はアルス建設工事現場を外から眺めたことはあっても、見学したことはない。建物の中に入って販売担当者から説明を受けたこともない。現地へは原告は家族と行っており、東急リバブルの案内を受けてはいない。従って東急リバブル・東急不動産の関知しないことである。
原告がアルス建設工事現場を眺めた時は、建物は工事用の幕で全て覆われていた。そのため、構造・仕様の判別は不可能であった。301号室の仕様も確認できず、原告はアルスの構造・仕様を承知していない。
アルスの竣工は契約から三ヵ月後である。被告準備書面(2005年7月8日)自体、アルスの竣工を2003年9月16日とする。
ローマ随一の弁論家マルクス・トウリウス・キケロは軍人ルキウス・セルウィウス・カティリナを告発する際、「いつまで、カティリナよ、あなたは我らの忍耐力を濫用なさるおつもりか」と演説した(カティリナ弾劾演説)。嘘とでたらめを重ねる東急不動産も、いつまで原告の忍耐力を濫用するつもりだろうか。



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