[CML 005326] 東急不動産だまし売り裁判購入編(2)林田力

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 8月 18日 (水) 08:14:41 JST


中田は原告の希望も聞かずにアルス東陽町301号室を勧めてきた。アルスもクオリアも東急不動産のマンション・ブランドである。アルスは当時の東急不動産が主力としていたブランドで、クオリアは都市型マンションに使われていた。
アルスという言葉を最初に聞いた時、原告はドイツ語のアルシュArschを連想させた。これは「しり、けつ」の意味である。正直、住みたくなるようなネーミングではなかった。そもそも原告の目的はクオリア門前仲町であって、アルスではなかった。
一般に門前仲町と東陽町では前者を高いランクに評価する向きが多い。前者は東西線と都営大江戸線が止まるのに対し、後者は東西線のみである。都心へも前者の方が近い。僅か二駅の差ではあるが、東西線の東陽町から大手町までは非常に混雑する。
そのため、都心方面への通勤・通学者にとっては距離以上に大きいものがある。後者は区役所所在地だが、買い物に便利な店舗は前者の方が多い。また、アルスは東陽町とは言うものの実際は東陽町駅と木場駅の中間地点、つまり両駅から最も離れた場所に立地していた。
http://www.janjanblog.com/archives/12598
「クオリア門前仲町を見に来たのですが」
「クオリア門前仲町は完売しました。代わりにこちらをどうぞ」
中田はこのように言ったが、その後の東急不動産の嘘で固められた不誠実な対応を考慮すると、完売したという話も怪しく思えてくる。売れ行きの悪いアルスを押し付けるための方便だった可能性がある。
悪徳不動産業者の手口として「おとり物件」「おとり広告」というものもある。入口の人目を引くような物件で客をおびき寄せておいて、「その物件はないですが、この物件はお勧めですよ」という手法である。
原告にとって居住している門前仲町がベターであったが、東陽町くらいまでは検討範囲であった。実際、既に東陽町にある他社のマンションにも見に行っていた。そのため、原告は説明を受けることにした。
この後、東急リバブル・東急不動産にだまされて、一生に一度あるかないかの高価な買い物で大失敗を犯し、貴重な人生の何分の一かを台無しにしてしまうことになる。それを当時の原告は知る由もなかった。今から考えると、笑顔の仮面を被った不幸の女神に手招きされたのかもしれない。
予知能力を持たない凡人の身には地獄への門が黒い扉を開く響きを聞ける筈もなかった。日本航空123便に乗り遅れ、空港で地団駄踏んだ人がいたとされる。後に群馬県上野村の御巣鷹に墜落した事故を知り、幸運を感謝することになるが、原告はその逆の立場であった。
中田は原告に販売資料を渡し、説明を始めた。
パンフレットでは樹木を連想させる緑色の背景で、以下のように住環境の良さを強調していた。
「豊富な緑にたたえられた「洲崎川緑道公園」に面する3方を道路や公園に囲まれた開放感のある立地です」
「2方向からの通風・採光に配慮した、2面バルコニーやワイドスパンタイプも多数採用しています」
図面集でも以下のように日照のよさを強調していた。
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上質な暮らしを深める邸宅「アルス」。
豊富な緑にたたえられた洲崎川緑道公園が落ち着きある環境を与えてくれます。
3方を道路や公園に囲まれた独立性の高い立地です。
プライバシーに配慮し快適な環境を常に保つために内廊下を採用しました。
独立性の高い立地を活かした全戸に開放感ある角住戸を実現。風通しや陽射しに配慮した2面採光で、心地よい空間を演出します。
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これがアルスの価値を形成していることは間違いない。これは原告が転居先に求めていた内容でも在った。
中田は301号室の窓から区立洲崎川緑道公園を望めると眺望の良さを強調した。原告と中田は以下の会話を交わしている。
「この窓を開ければ何が見えますか」
「遊歩道の緑ですよ」
中田は身振り手振りを交えて、窓からの景色の美しさを強調した。しかし、引渡し後一年も経ずに隣地に三階建ての作業場が建ち、301号室の窓が独房のように壁で覆われてしまうことは説明しなかった。隣地所有者が建て替えを東急不動産に説明し、東急不動産側は購入検討者に説明すると約束していたにもかかわらず、である。
数ヶ月で物件の価値を下げる上記情報について、重要事項説明はもとより、契約時を通して一度も説明がなかった。説明が全くなされなかった点については東急不動産側も認めている。契約時に隣地所有者の話についての説明が少しでもあれば、窓の外が今は緑でも、僅かな月日で部屋が真っ暗になることが想像できる。居住者にとって重大な結果が想像つくため、マンションは買わなかった。
中田「遊歩道の緑ですよ」発言について、東急不動産は裁判時になると「眺望などは当時本件建物から見える景色(遊歩道の緑)を説明しただけ」と弁解する(被告準備書面2005年4月21日)。マンション販売時に建物から遊歩道の緑が見えると説明することは、アルスの利益となる事実を説明したことである。



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