[CML 003856] 消費者契約法違反で耐震偽装マンション代金返還判決(下)

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 4月 27日 (火) 22:29:26 JST


【PJニュース 2010年4月27日】(上)からのつづき。耐震強度偽装事件は後味の悪い事件であった。マンションという一生に一度あるかないかの大きな買い物で、偽装物件を購入した被害者の多くは救済されなかった。それどころか二重ローンを組むなど被害者自身の犠牲と負担で対応を余儀なくされた。

マスメディアの報道も中途半端であった。偽装物件購入者の苦しみをクローズアップするよりも、住民が餅付き大会で親交を深めたなど無理に明るい話題を強調する傾向があった。ここには頑張らなくていい人にまで頑張らせ、失敗しても立ち直ることを美徳として強制する日本社会の醜い面が現れている。その意味で分譲主の責任を追求し、売買代金返還を求めた原告らの存在は救いである。
http://news.livedoor.com/article/detail/4740842/
http://www.pjnews.net/news/794/20100423_2
原告勝訴の要因として、消費者契約法に基づいたことが挙げられる。既に消費者契約法によりマンション購入代金の全額返還が認められた先例がある。東京地裁平成18年8月30日判決(平成17年(ワ)3018号)は不利益事実(隣地建て替え)などを説明せずに新築マンションを販売した東急不動産(販売代理:東急リバブル)に対し、消費者契約法違反(不利益事実不告知)を理由に売買代金の全額返還を命じた(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。

消費者契約法は不実告知(事実と異なることを告げること)や不利益事実不告知(利益となる事実を告げながら、不利益事実を告げないこと)によって消費者が契約を締結した場合に契約の取り消しを認める。裏返せば不動産業者が事実を説明していれば、消費者が契約を締結しなかったと立証できれば契約を取り消せる。

これによって、不動産業者が「欠陥や虚偽説明は些細な問題であって、不動産取引において本質的・重大な問題な問題ではない」という言い訳を封じることができる。いくら不動産業者が些細なものと主張しようとも、仮に不動産全体の価値と比べれば相対的に小さな問題であっても、その問題の説明を受けていれば購入しなかったならば、消費者契約法の要件に該当する。

消費者契約法の大きな制約は取消権が不実告知や不利益事実不告知を知った時から僅か6ヶ月で消滅してしまうことにある。そのために消費者契約法違反があっても、救済されないケースも少なくない。消費者契約法による不動産売買契約取り消しの事例が集積されることで、消費者契約法が広く認知され、不動産トラブルに積極的に活用されることを期待する。【了】

林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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