[CML 003756] 二子玉川再開発訴訟証人尋問から見えるコンクリと人の対立(上)

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2010年 4月 19日 (月) 21:38:51 JST


【PJニュース 2010年4月18日】二子玉川東地区再開発差し止め訴訟控訴審(平成20年(ネ)第3210号)の当事者尋問及び証人尋問(2010年4月13日)は歴史的な政権交代を果たした鳩山由紀夫政権のキャッチフレーズ「コンクリートから人へ」の背景にあるコンクリートと人間の対立を印象付けた。
http://www.pjnews.net/news/794/20100417_1
http://news.livedoor.com/article/detail/4724468/
控訴審では東京都世田谷区の二子玉川東地区第一種市街地再開発事業(再開発地域の名称:二子玉川ライズ)が洪水被害を激化させるかが争点となった。尋問で指摘された洪水被害激化の背景は以下の3点である。

第1に超高層マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」が地盤をかさ上げしたために、雨水が堰き止められる。第2に地表が人工地盤で覆われることで雨水浸透力が低下する。

第3に地下構造物による地下水脈の遮断で、上流側の地下水位が上昇する。これらは一体的な問題である。例えば「都市化に伴う地表面水処理機能の低下」も地下水位上昇の原因となる(安原一哉、村上哲、鈴木久美子「地下水位の上昇が構造物・基礎地盤に及ぼす影響とその評価」自然災害科学24巻3号、2005年、215頁)。

雨水の堰き止めや雨水浸透力の低下は既に住民側の準備書面や陳述書などで強調されており、尋問で特筆すべきは地下水脈の遮断である。これは近時の開発で共通する問題である。東急大井町線等々力駅の地下化や外郭環状道路(外環道)でも問題になっている。二子玉川ライズが開発による環境破壊の問題として普遍性を持つことを示した。

これに対して再開発組合側の弁護士は、反対尋問で地下水位上昇などの具体的な根拠を求めた。証言した住民は地下水脈が遮断されれば別の場所に地下水が滞留し、その場所の水位が上昇するという当然の理屈を述べたものである。

現実に地下止水壁を造って地下水流を堰き止めることで地下水位を上昇させる実験も行われている(松尾新一郎、河野伊一郎「地下止水壁による地下水規則の実験的研究」土質工学会論文報告集19巻4号、1979年)。わざわざ根拠を出すような問題ではなく、再開発組合側弁護士との議論はかみ合わなかった。

そもそも二子玉川ライズ周辺の地下水脈がどのような状況であるか、開発によってどのように変化したのかなどは開発業者が調査して住民に積極的に説明すべき内容である。そのような内容を住民に質問すること自体が、住民にとって再開発組合の情報隠蔽体質を印象付けた。

また、反対尋問には争点(再開発による環境破壊の有無)とは無関係な証言者側の事項についての質問も目立った。例えば自宅の接道条件や排水ポンプの購入価格などについてである。市民が事業者の不正を訴えた裁判では、公開法廷での当事者尋問で市民のプライバシーを暴くことで意趣返しするケースがある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年、61頁)。【つづく】

■関連記事
林田力「二子玉川再開発差し止め訴訟控訴審証人尋問(上)」PJニュース2010年4月14日
http://news.livedoor.com/article/detail/4717010/
林田力「二子玉川再開発差し止め訴訟控訴審証人尋問(下)」PJニュース2010年4月15日
http://news.livedoor.com/article/detail/4719036/


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