[CML 003628] J-Flash147:米迎撃ミサイル、2015年までにルーマニアに配備計画

ピープルズ・プラン研究所 muto at jca.apc.org
2010年 4月 9日 (金) 16:43:31 JST


ーー【APA‐Jフラッシュ No.147】ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
軍拡を伴う「安全保障」には「疑惑」がつきまとう。欺くことが戦闘では有利ゆ
え、友軍も最後まで信頼できない。よって懸念を表明してけん制するという、高
度な外交的戦術を担う高官が重要な仕事をしているという、消耗な話(M)
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米迎撃ミサイル、2015年までにルーマニアに配備計画
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米国務省は、ルーマニアの欧州ミサイル防衛網参画についてのトライアン・バセ
スク大統領の声明を追認した。米国務省のP.J.クローリー報道官は2月4
日、「ルーマニアのこの選択により、ミサイル防衛網が南欧にまで拡張され、現
段階で、2015年までの配備を見込んでいる」と語った。

クローリー報道官は、ミサイル防衛努力に関する、諸外国との討論はなお進行中
としている。「例えばポーランドとは2009年10月に、北部の地上発射SM
−3ミサイルの用地について基本的に合意した。展開の仕方については、現在
ポーランドと検討および討議を重ねている段階だ」と述べた(インターファック
スI、キエフポスト、2月5日)。

オバマ政権は、主にイランが開発した短中距離ミサイルを阻止するため、欧州全
土に陸上及び水上配備型SM−3システムの展開を計画している。この計画は、
ポーランドへの長距離弾迎撃ミサイル10基の配備と、チェコ共和国へのレー
ダー基地1施設の配備というブッシュ政権の戦略に代わるものだ。

ニューヨークタイムズ紙は5日、旧案に声高に反対していたロシアはルーマニア
が新案に参加するとの声明を出したことを、歓迎しているようには見えないと報
告している。ロシアの北大西洋条約機構(NATO)大使は、新案の迎撃ミサイ
ル配備計画は1991年戦略兵器削減条約に代わる協定に関する折衝で、ロシア
政府の立場に影響を及ぼす可能性があると語った。

ドミトリー・ロゴジン大使は、「米政府は欧州ミサイル防衛計画について最新情
報をロシアに報告するという約束を守っていない」と述べた。大使はまた、SM
−3システムはロシアの国家安全保障上の利益をおびやかす可能性があると指摘
する一方、米国とルーマニアの外務省高官が、この理解の正しくないことをロシ
アに説得させるために苦労しているとも述べている。

「SM−3システムの照準がロシアに設定されうるとの想定がいくぶん彼らにも
あったのだろう。そうでなければ、何故こちらが聞いてもいないことについて、
説得や牽制を試みる必要があるのか」とロゴジン大使。

「戦略兵器削減条約(START)交渉が決裂する可能性は薄いが、ミサイル防
衛システムの配備は、以前の冷戦の敵同士が核兵器庫をさらに削減する折衝に影
響をあたえ得る」と語るのは、モスクワに拠点を置く米国カナダ研究所のセルゲ
イ・ロゴフ所長だ。「後を絶たない山積する問題のために、米ロ関係の“リセッ
ト”作業に負荷がかかり過ぎ、両国の関係修復が遅々として進んでいないことに
懸念を抱いている」。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、2月6〜7日に開かれたミュンヘン安
全保障会議の席で、米ロ政府が、「第一のステップとしてミサイル拡散の脅威と
危険性の評価を協同で行う」、また「米国と協力関係にある諸国から、その問題
についての詳細な説明を受ける」ことで合意にいたったと表明したとインター
ファックス通信が伝えている。

2月1日からの週にまとまったロシアの新軍事政策は、米国ミサイル防衛計画が
「地球規模の安定性を損ね、核戦力の現行のバランスを壊す」ものであると述べ
ている。

ルーマニアに計画されている防衛システムは、ロシアの長距離核ミサイルをおび
やかすものとは想定されていないが、2018年に軌道に乗ると見込まれている
今後の迎撃ミサイル配備計画については、米国はロシア政府に情報提供の義務を
もたないので脅威となり得るであろう、とロゴフ所長は述べている。(エレン・
バリー、ニューヨークタイムズ、2月5日)

インターファックス通信によると、ロシア外務省は、ロシアの抱く懸念について
米国および欧州の外務省高官と話し合う予定であると表明。「これは深刻な問題
であり、慎重に分析するつもりだ」、「欧州の平和と安定性を維持するために
は、例外なく全ての国々にとって平等で不可分な安全保障の原則に基づき、全体
的なステップを慎重に練り上げていく必要がある。これ以外の方法をとれば、欧
州および世界規模の安全保障を強化する上で、支障を来たしかねない」と外務大
臣は述べた。(インターファックスII、2月5日)
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出典:世界反基地ネットワークウェブサイト(2010年2月9日)
翻訳協力:五十嵐 翔(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:野口順子 監修:APA‐Jデスクチーム
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