[CML 003578] 上関原発問題 抵抗権について ―山口地裁岩国支部 祝島島民らの抗議・表現活動の自由を禁じる憲法蹂躙の不当決定

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2010年 4月 3日 (土) 18:48:35 JST


■上関原発問題 抵抗権について ―山口地裁岩国支部 祝島島民らの抗議・表現活動の自
由を禁じる憲法蹂躙の不当決定(「草の根通信」の志を継いで 2010年4月3日)
http://blogs.yahoo.co.jp/higashimototakashi/1426843.html

BCC送信。重複ご容赦ください。

下記の毎日新聞の報道によれば、山口地裁岩国支部はこの3月31日、これまですでに1月
18日付で「上関原発を建てさせない祝島島民の会」と39人の会員に対して中電の原発建設
のための上関沖合埋め立て工事の「妨害」行為を禁じる不当決定を出していますが、同決定
に対する島民の会会員らの異議申し立てを却下し、改めて同会と会員ら39人に埋め立て工
事が終わるまで一切の「妨害」行為を禁じた上で、同「妨害」行為を続ける場合は、連帯して
1日当たり500万円の支払いを命じるという不当決定を出した、ということです。

…………………………………
■上関原発:島民らの妨害を禁止 山口地裁支部(毎日新聞 2010年4月2日)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100403k0000m040097000c.html
 中国電力が山口県上関町で進めている原子力発電所の建設計画を巡り、山口地裁岩国
支部(大島雅弘裁判官)は、反対派による沖合埋め立て工事の妨害を禁じ、続ける場合は
1日当たり500万円の支払いを命じる決定を出した。1982年に建設計画が浮上後、原発
反対運動を続けてきた上関町祝島の島民らに幅広く工事の妨害行為を禁じる内容で、島
民らは反発している。
 中電によると、決定は3月31日付。地裁岩国支部は、祝島がある上関町の住民団体「上

関原発を建てさせない祝島島民の会」と39人の会員に、工事の妨害行為を禁じる決定を1
月18日付で出していたが、今回の決定で会員らによる異議申し立てを却下。併せて、同会
と会員ら39人に埋め立て工事が終わるまで一切の妨害行為を禁じたうえで、1人でも違反
した場合は、連帯して1日500万円を支払うよう命じた。

 中電側は、反対派の妨害で工事が遅延した場合、作業船の待機費用などで1日あたり
約936万円の損害が生じると主張。反対派が決定に従わず工事を妨害することを想定し、
同額の支払いを求める間接強制の申し立てをしていた。決定を受け、中電は2日、「今後、
工事に対する一切の妨害行為を止めていただけるものと考えている」というコメントを出し
た。

 これに対し、同会の山戸貞夫代表は「裁判官は、今まで生活してきた島のすぐそばに原
発ができてしまう島民の思いや生活について判断していない」と強い怒りをにじませた。
【小中真樹雄】
…………………………………

この上関原発仮処分申し立て事件と同種の裁判事件として高江ヘリパッド仮処分申し立
て事件がありますが、同事件を担当した那覇地裁は国から訴えられていた住民14人の
うち、男性2人について妨害行為があったと認定したものの、現地での座り込みや工事中
止の説得、抗議行動などについて「これらの行動自体をもって実力を用いた妨害行為とと
らえることは慎重であるべきだ」「政治的な信条に基づく行為である限り、尊重されなけれ
ばならない」と指摘し、抗議行動自体の違法性は認めませんでした。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/25c9440f292454695fd85ebc8bf17083

今回の山口地裁岩国支部の決定は上記の住民の政治的信条に基づく抗議行動自体、
表現活動までを妨害行為とみなす個人の尊厳と基本的人権の尊重を根底的にく無視し
たきわめて憲法蹂躙も甚だしい不当決定といわなければなりません。このような司法の
不当な判断をこのまま許容することは断固できません。

これまで私はこの問題を基本的人権のひとつである「抵抗権」の行使の問題として2回
ほど論じたことがあります。下記に再掲しておきたいと思います。ご参照いただければ
幸いです。

■祝島の人びとの闘いと抵抗権について〜祝島・中国電力埋め立て工事強行着手(CML 001623 2009年10月8日)
http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-October/001601.html
■山口地裁が18日、上関原発予定地での抗議活動を禁止する不当命令(CML 002711 2010年1月20日) 
http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-January/002664.html


「個人の尊厳から出発するかぎり、どうしても抵抗権をみとめないわけにはいかない。抵
抗権をみとめないことは、国家権力に対する絶対的服従を求めることであり、奴隷の人
民を作ろうとすることである」(宮沢俊義『憲法II』(有斐閣、1959年)第三章 第三節「抵抗
権」)


東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp 



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