[CML 001506] 友愛外交の評価について(続)

Kensaku Kawauchi kenkawauchi at nifty.com
2009年 9月 29日 (火) 17:17:38 JST


 河内謙策と申します。「私の気になるNEWS&情報(14)」を送らせていただ
きます。(この情報を重複して受け取られた方は、失礼をお許しください。転送・転
載は自由です。)

 前回は友愛外交について課題別に見たので、今回は友愛外交を“外交手法”
という面から検討してみたいと思います。

 第1。まず目に付くのは、鳩山首相は、状況が読めない、あるいは読もうとしてい
ない姿勢がときどき表われるということです。
 鳩山首相は、第一回目の記者会見で、来る日米首脳会談では、第一回目だから信頼
関係をつくるのが大事だ、ということを強調しました。しかし、この論理は、オバマ
がどう位置づけているか、を抜きにした論理です。その結果、案の定、三党合意にも
反する日米同盟の堅持を約束させられてしまいました。
http://jp.reuters.com/article/marketEyeNews/idJPnTK033082620090923?rpc=123
アメリカが主導権をとってG20中心の国際政治の方向に切り替えようという動きに
反対したのも一例です。根回しが不十分なままに“東アジア共同体”を安売りしてい
るのもそうでしょう。
http://www.asahi.com/politics/update/0926/TKY200909260080.html
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090928/plc0909281843009-n1.htm

 第2に、鳩山首相の言っていることがくるくる変わる、一貫性が疑われるというこ
とです。
 先の日米同盟の見方についても、3党合意→記者会見→日米首脳会談、というよう
に変わっていることは見たとおりですが、普天間基地の問題についても、
県外移設(県外移設です。国外移設では、ありません。)を内閣の方針にするかどう
かで揺れています。たとえば、次の二つのニュースを比べてみれば明らかです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000117-mai-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090926-00000516-san-pol

第3に、鳩山首相は、国内政治と国際政治の落差を自覚していません。たとえば、鳩
山内閣が県外移設の方針を決めたとしてもアメリカは“県外って、どこのこと?”と
いうでしょう。県外のどこかを決めない提案は、国際政治では代案たりえないので
す。国際政治に通用する論理かどうかを吟味しないで、国内政治の論理を外国に持ち
出すから、日本の政治家は馬鹿にされるのです。インド洋の問題と普天間移設問題を
ワンパッケージで交渉しようと言うのも同じ発想です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000603-san-pol

 第4に、友愛外交の最大の問題点は、鳩山首相が外交は政治家、せいぜい外交官が
するものだと考えていることです。市民が国際政治の重要なアクター
だという国際常識を無視しています。市民団体・平和団体を無視した友愛外交
では、アメリカが強く出れば、すぐへなへなになる可能性が大きいと言われてもしよ
うがないでしょう。私は、沖縄で闘っている人々を無視する友愛外交を信用
することは出来ません。(以下のサイトはMASUDA様に教えていただきました)
http://www.asahi.com/politics/update/0927/SEB200909270002.html

 こうしてみると、鳩山外交とノムヒョン外交、陳水扁外交がだぶって見えないで
しょうか。これは興味深い論点です。私には鳩山首相もノムヒョンと同じ、屈米・媚
中外交に陥る可能性大と見えるのです。鳩山とノムヒョンの比較については、
以下のサイトも参考にしてみてください。
http://birthofblues.livedoor.biz/archives/50914239.html

河内謙策



Kensaku Kawauchi
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