[CML 001431] 空に歌えば(33・最終回) ポール・ガラン

maeda akira maeda at zokei.ac.jp
2009年 9月 22日 (火) 17:59:02 JST


前田 朗です。

9月22日

雑誌「マスコミ市民」の連載「空に歌えば――平和・人権・環境」の最終回です。
各地にまだまだたくさんミュージシャンがいるのですが、さすがにマンネリです
し、疲れてきたので、33回で一段落です。最終回、9月号はフィリピンのポー
ル・ガランです。

以下に一部紹介。

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空に歌えば――平和・人権・環境(33)
子どもたちの平和地域を/ポール・ガラン

子どもたちの 望むものは

血にそまった 銃剣でなく

貧しさのない 豊かな世界

分かち合える みんなの世界

ポール・ガランはフィリピンのシンガー・ソング・ライターであり、平和運動家
である。何度も来日しているが、この八月にも来日して、平和集会で歌うととも
に、マラボン市ポトレロ区議会で「子どものための平和地域宣言」決議を勝ち
取った経過を報告した。

「二〇〇八年四月に、子どものための平和地域として、ポトレロ区の宣言をめざ
す運動を始めました。まず近辺の保育施設に呼びかけを行いました。地域におけ
る子どもの権利と平和についてのさまざまなフォーラムを実施しました。保育所
の先生たち、市民、教会関係者、NGOに加えて、自治体政府の係官もフォーラム
に参加しました。この交流を通じて、子どもにとって本当に必要なことは何なの
かを確認し、一致して行動していく土台ができました。その結果、子どもの保護
のための市民連合が結成されました。自治体レベルで、子どもの権利のための共
同プログラムを企画し、実施することを目的としています。今年一月二日、私た
ちのグループに属する数々の組織と、日本で支援・協力してくれた組織による国
際共同署名が実現しました。この署名を、区議会議員を通じてシェリル・ノラス
コ区議長に提出しました。そして、二月二日、ポトレロ区議会において、子ども
のための平和地域宣言決議が承認されました。さらに、この宣言をマラボン市全
域に広めるために、マラボン市議会で条例を採択させるよう引き続き努力するこ
とも確認されました。」

 ポールは長年、マニラの貧困地域にある幼稚園(AKCDF)を拠点にして活
動してきた。第一に、無償または低額で栄養プログラムと教育を提供する。第二
に、平和活動、社会問題に対する地域住民の意識向上に取り組む。第三に、地域
住民の社会的自立をめざす。卒業生を中心に構成された青少年の団体も一緒に活
動している。

子どもたちのために歌い、平和のために闘うポールに、日本国憲法第九条を初め
て知ったときにどう感じたかを聞いてみた。

「初めて知ったときは驚きました。新鮮で、豊かな世界を垣間見ることができた
からです。憲法なのに、すばらしいイマジネーションをかきたててくれる。とて
も意義のある条文なので、大切にしてほしいですね。日本の人々にも、世界の人
々にも。」

フィリピン人として、ポールはフィリピンの歴史を歌う。

踏みにじられ 傷つけられて

震える心に 勇気があふれ

たくさんの命 ささげた歴史

いつの日か 自由は訪れるだろう

いつしか異国の 醜い力で

裏切りと奴隷の 鎖つながれ

生きる希望も 奪われたいま

この傷をいやすため 立ち向かおう

  この傷は抑圧のため

  この傷は嘘と裏切り

  この国の苦しみを

  生み出すこの深い傷



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