[CML 001220] Re: 補足
higashimoto takashi
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2009年 9月 3日 (木) 12:03:18 JST
鈴木さん
私は60年代末から70年代初めにかけてのいわゆる「全共闘」世代ですから鈴木さんとほぼ同世代
ということになるでしょうか? それとも鈴木さんの方が私よりも少しばかりご年長でしょうか?
いずれにしても鈴木さんとはほぼ同じ時代の空気を喫った、あの時代の空の色、歌声、街の風景、
の感触をともにする同世代人であるような気がします。
鈴木さんの社会党、社民党に対する愛情とそれゆえのお怒りは私にも十分わかるような気がします。
私にも政治的挫折についての同じような経験がありますから・・・
私は10年ほどの間飲み歩いていました。街角でひっくり返って寝ていたことも何度もあります。軽蔑、
ときには憐憫のような一瞥をくれてそそくさと私の前を通りすぎてゆく男たち、女たちの顔を私はよく
覚えています。もちろん、抽象的な顔を、です。それほど私の政治的挫折は大きなものがありました。
しかし、この点についていま多くのことを語ろうとは思いません。
社会党、社民党に対する鈴木さんのご分析、ご批判はそのとおりでしょう。私も同意します。
社民党は今度の選挙では小選挙区で少しばかり前進しました。といっても1議席から3議席へという
微々たる前進です。それも民主党の支援を受けての前進にすぎません。社民党の主体的力量とは
およそ縁遠い前進というべきものでした。
結果として落選した保坂展人候補はよく健闘しました。石原伸晃の獲得票147,514票に対して保
坂さんは116,723票をも獲得したわけですから大健闘というべきでしょう。保坂さんは惜敗率で比
例で復活当選してもまったくおかしくない獲得票でした。それを復活当選すらさせえなかったのはひと
えに比例東京ブロックでの社民党総体の獲得票があまりにも少なかったからです。社民党は東京と
いう大都市で比例区1人の当選者も出すことができないほどに党として貧困化、衰弱しきってしまっ
ているのです。そういう意味で鈴木さんが社民党という「党はもう歴史的使命を終えたとしか考えられ
ません」と悲嘆されるのは痛いほど理解できます。
しかし、いまの社民党に再生能力が欠如しているとしても、同党が根底的に生まれ変わるという可能
性もまったくゼロではありません。地方、中央の社民党の一部の有志はすでに同党の生まれ変わり
を模索するためのさまざまな試みを手がけているやにも聞いております。鈴木さんが怒っておられる
「日比谷の派遣村」の人びととの連携、派遣工、臨時工、フリーター労組などとの連携を真剣に模索
している心ある社民党員も少なくなくいるようにも聞いております。しかし、ほんとうに派遣工、臨時工、
フリーターの彼ら、彼女たちと連携するためには、鈴木さんがおっしゃるようになによりもまず同党が
これまで正規雇用者以外の問題に目を向けてこなかったことを、真摯に、ほんとうに心の底の底から
率直に反省する必要があるだろう。それが大前提だろう、と私も思います。
大分県はいまでもかつての社会党、いまの社民党が強いことで知られています。その大分県の社民
党は民主党に同化することで生き延びようとしているかのように私には見えます(いまでも大分県の
社民党は十分に民主党的です)。こうした延命策は地方議員ひとりひとりの延命措置にはなるかもし
れませんが、社民党総体としては「歴史的使命を終えた」党をさらに死の淵に決定的に追いやること
にしかならないでしょう。社民党総体としてこうした大分社民党のような志のない自らの延命を望むだ
けの野望を打ち砕くことができるかどうか。社民党再生の課題にはこうした問題も山積しているよう
に私は思います。
いま、社民党の問題に即して私見を述べましたが、先のメールで私が述べたかったのは、「護憲勢
力か改憲勢力か、新自由主義構造改革路線を是認するのかその新自由主義構造改革路線と決別
しようとしているのかという政党の方向性」の評価の問題でした。各政党の問題群は問題群として指
摘すること、そのこと自体の重要性を私は認識しないわけではありません。しかし、どの政党がどの
方向にゆこうとしているのか。その各政党の基本的な方向性だけはしっかりと認識した上での批判
でありたい、と私は願っています。
東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
----- Original Message -----
From: "鈴木 俊彦" <tosihico at u01.gate01.com>
To: <cml at list.jca.apc.org>
Sent: Wednesday, September 02, 2009 11:53 PM
Subject: [CML 001215] 補足
> 東本高志様
>
> 千葉の鈴木です。
> 私の「社民党評価」は正しいだろうか、とメールを頂きました。確かに粗雑な
> 言い方をしてしまい反省しています。遅くなりましたが補足をさせて下さい。
> このような個人意見はメーリングリストを使わず東本さんの個人アドレス宛に
> 送信すべきかもしれませんが、他に気にして下さっている方もあるかと思い、
> リストにお送りします。(お目障りな方はすみせんが消去して下さい)
>
> 私は中学生の時に既に当時の社会党を応援していました。反戦への強い思いが
> 感じられたからです。以来半世紀、この党をいつも気にしてきました。
> お正月に日比谷の派遣村でほんの少しお手伝いをしました。その時、どうして
> 社民党はこうした行動ができないのだろうと考え込みました。
> 派遣切りの不幸の反対側に「正規雇用者」たちがいます。彼等も決して「安全」
> ではありませんが相対的に恵まれています。「労働者の政党」である社民党は、
> この矛盾にどう対処しているのか、相対的に恵まれた側に立っていはしないか、
> 派遣村を見学するだけの社民党に、そんなことを考えていました。
> 思えば社会党そして社民党と、私の思いは裏切られつづけました。
> この党は安保以来一度も、万を超える大衆と共に街頭で闘うことはありません
> でした。この党はかつて北朝鮮帰還という政府の「棄民政策」に同調しました。
> これは二重の裏切りでした。在日の人達が日本は「住みづらい」という現実に
> 真正面から取り組もうとせず、一方で北朝鮮を社会主義と誤認しました。
> 私も恥ずかしいことに80年代まで北朝鮮に期待していました。しかし私は研究
> 者でも政治家でない一市民です。知識もあり情報のルートもある専門家集団の
> 政党が誤認してどうします。
> 村山富市氏が自衛隊を合憲とし、土井たか子氏が小選挙区制導入の道を開いた
> 時は仰天しました。
> 政党だって誤りはするでしょう。問題はその誤りを認め、その後の行動にその
> 誤りを生かせるかです。この党が公式に誤りを認めた事実を私は知りません。
>
> 保坂展人候補が落選しました。痛恨の思いです。保坂氏は最高の候補者ですし、
> 石原伸晃との対決も話題を呼んでいるというのに、この党は比例区ですら彼を
> 当選させられませんでした。この党はもう歴史的使命を終えたとしか考えられ
> ません。私の比例区への投票の呼びかけに「なぜ俺が今さら社民党に投票する
> んだ」と言った先輩がいました。彼のような人は他にもいたことでしょう。
> 私は南関東比例区の阿部知子候補のビラをかなり配りました。しかし社会新報
> は恥ずかしくて一枚も配れませんでした。そこには少数政党としての方針も心
> 意気もなく、大政党のようなバラ色の政策つまり画餅が並べてありました。
> ヨーロッパの少数政党のユニークな活動を見るたびに、この党の古さが際立ち
> ます。
> 毎日新聞にこんなデータがありました。新議員の平均年齢は、民主党49.4歳、
> 自民党56.6歳、公明党58.0歳、共産党56.4歳、そして社民党61.0歳…
>
> 鈴木俊彦
>
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