[CML 001829] 東欧MD変更で日米開発ミサイルが欧州に拡散へ

杉原浩司(Koji Sugihara) kojis at agate.plala.or.jp
2009年 10月 28日 (水) 02:38:04 JST


東京の杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

オバマ政権はさる9月17日、東欧ミサイル防衛(MD)計画を中止し、新
欧州MD構想を具体化すると発表。米露核軍縮交渉への追い風となりまし
た。当初計画の中止をもたらした原動力は、チェコにおける市民、自治体
による強力な反対運動であったことは強調されるべきです。一方、新計画
の中核となる能力向上型SM3ミサイル(SM3ブロック2A)は、日米
が共同開発しているものです。さっそく、10月20日に来日したゲーツ米国
防長官が、SM3ブロック2Aの欧州への供与のために武器輸出禁止三原
則を緩和するよう要求しました。三菱重工などの軍需産業が、欧州を手始
めとするグローバルなミサイル拡散に加担することになりかねません。

日米開発のミサイル、欧州供与を ゲーツ氏が防衛相に対応求める
(2009・10・24 共同通信)
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102301000882.html

迎撃ミサイル「欧州供与を」ゲーツ氏が要求(2009・10・24 産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091024/plc0910240200003-n1.htm

東欧MD計画変更の問題点については、田窪雅文さん主宰のウェブサイト
『核情報』に、米国の憂慮する科学者同盟の二人の専門家による分析が翻
訳されており参考になります。ぜひじっくりとお読みください。

<東欧ミサイル防衛計画変更は平和への道か>
http://kakujoho.net/us/md_ee.html

また、今夏に来日したブルース・ギャグノン(宇宙への兵器と原子力の配
備に反対するグローバル・ネットワーク)も、計画変更について「技術上
の問題を原因とする、よくある戦略調整」だと批判しています。

<ミサイル防衛:もう一方の計画(GNニュース、2009・9・19)>
http://www.anatakara.com/petition/the-otehr-story-of-missile-defense.html

この問題については、ピースデポ( http://www.peacedepot.org )発行
の『核兵器・核実験モニター』(10月15日号/338号)の巻頭論文「オバ
マ政権、東欧MD計画を変更――米ロ核軍縮に貢献 警戒すべき日本のM
D合理化論」(吉田遼、梅林宏道)が詳しく論じています。


鳩山政権下で出し直された防衛省の2010年度概算要求には、PAC3ミサ
イルの追加配備(北海道、青森、沖縄への拡大)経費944億円がそのまま
盛り込まれています。これは、次期「防衛大綱」への記載を前提としたも
のですが、大綱改定が1年先送りされたため、法的根拠のない暴挙です。

また、まもなくハワイ・カウアイ島沖において、海自イージス艦「みょう
こう」が約60億円(生活保護の母子加算復活経費とほぼ同額!)をかけて
SM3ミサイルの実射試験を強行しようとしています。鳩山政権は無駄遣
いの象徴であるMDの抜本的見直しを行うべきです。

http://www.mod.go.jp/j/news/2009/09/07c.html
(防衛省ホームページ)

【抗議・要請先】
■北澤俊美防衛相 (FAX)03-3503-3889
■岡田克也外相    (FAX)03-3502-5047
■鳩山由紀夫首相 (FAX)03-3502-5295


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