[CML 001784] 退任会見での西川善文・日本郵政社長の怒りは不当

Hayariki hedomura2 at hotmail.co.jp
2009年 10月 23日 (金) 20:13:56 JST


林田力2009/10/23  
日本郵政の西川善文社長は10月20日に日本郵政本社(東京都千代田区霞が関)で記者会見を開き、社長辞任を表明した。
 会見で西川社長はカメラのシャッター音がうるさいと怒った。新聞各紙では以下のように報道された。
・産経新聞「西川社長はカメラマンに、「もう少し離れろ」と激怒した。」
・サンケイスポーツ「『(撮影を)ストップしないなら出ていってください』とけん制し、会見は始まった。」
・日刊スポーツ「西川氏は、カメラのシャッター音に、不機嫌な表情をみせた。」
 これらの報道は「かんぽの宿」疑惑など不透明な取引を批判されながらも責任を否定し続けた西川社長のマイナスイメージを増幅する。
 一方で西川氏に同情的な声もある。今回の会見では多くの報道陣が集まったため、西川社長の目の前までカメラマンが迫った。至近距離でフラッシュがたかれ、シャッター音を聞かされた西川社長が不快感を抱くことも理解できないことではない。他人のプライバシーを土足に踏み躙る強引なマスメディアの取材手法と重ね合わせ、カメラマンの無礼を非難する声も出ている。
 しかし、それでも私は西川社長側に問題があると考える。記者会見での撮影はマスメディアの仕事である。会見を開く側は予期すべきことである。今回の会見での計算違いは予想以上の報道陣が集まり、日本郵政が用意した会場では手狭であったことである。
 西川社長の辞任は鳩山由起夫首相や亀井静香郵政担当相や原口一博総務相が言及するほどの政治的な関心事である。多数の報道陣が集まることを当然予期しなければならない。それを予期できなかったとすれば、郵政問題が大きな関心事になっていることに無自覚すぎる。
 西川社長の辞任要求が生じるきっかけとなった「かんぽの宿」疑惑では健全な市民感覚からは明らかにおかしい取引が次々と明らかになった。たとえば沖縄東風平レクセンターを僅か1000円で取得した東急リバブルが4900万円で転売した。これに対して日本郵政側は国民の財産が不当に安く売却され、特定の企業が濡れ手で粟の暴利を得たという問題の本質を理解していない内輪の論理に基づく言い訳に終始した。
 会見での西川社長の怒りも日本郵政社長人事が政治的な争点であり、大きな関心事になっていることを理解していない故に生まれるものである。この点で西川社長の辞任の妥当性を再確認した。日本郵政は新経営陣の下で「かんぽの宿」疑惑を徹底的に調査し、国民の疑問に答えることを期待する。  
http://www.news.janjan.jp/government/0910/0910232061/1.php
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4904350138
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0001030341
100年前の安重根義挙への連帯
http://www.news.janjan.jp/government/0910/0910211994/1.php
広島・長崎のオリンピック招致は被爆地を汚す
http://netnews.222.co.jp/netnews.php/articles/detail/SN/41613



CML メーリングリストの案内