[CML 001783] J-Flash136: 米国防総省、アフガニスタン周辺国へも特殊部隊の配置を検討
ピープルズ・プラン研究所
muto at jca.apc.org
2009年 10月 23日 (金) 17:14:31 JST
ーー【APA‐Jフラッシュ No.136】ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あいかわらずの米国による米国のための軍事的内政干渉。矛先は今、中央アジ
アへ向かい、ロシアとの摩擦を生んでいる。 (M)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
米国防総省、アフガニスタン周辺国へも特殊部隊の配置を検討
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
米軍は中央アジアでの最悪のシナリオに備えて動き始めた。国防総省が現在作
成中の計画では、アフガニスタン以外の中央アジア諸国へ精鋭特殊部隊を派遣
する可能性が検討されている。
中央アジアの各国において、米軍第3特殊部隊グループは「外国国内防衛」任
務の準備にとりかかっている。「外国国内防衛」とは、受け入れ国の軍隊がア
メリカから訓練その他の支援を受け、武装勢力に対して行う作戦を、軍隊式に
簡潔に表現したものだ。
ノースカロライナ州のフォート・ブラッグに駐屯する、第3特殊部隊グループ
(空挺部隊)には現在、4個大隊が実戦配備されている。アフガニスタンで服
務中の部隊が交代するたびに、少なくとも1個大隊が中央アジアへ配置される。
統合参謀本部の監修で2004年に発行された軍のハンドブック『外国国内防
衛(FID)のための統合戦術、技術および手順』によれば、「合衆国は次の
3条件が満たされた場合にのみFID支援を考慮する。すなわち、当該国国内
の混乱が存在あるいは差し迫っており米国の国家戦略目標が脅かされている、
その国が米国の支援を有効利用する能力がある、そして、その国から米国に支
援の要請がなされている場合」である。
同ハンドブックには「支援は通常、民軍活動(第一に地域住民へサービスを提
供する)、心理作戦、通信手段と情報共有、兵站支援に重点を置く」とも書か
れている。
2001年より前には、第3グループは主にサハラ砂漠以南へ配置されるのが
普通であった。国際的なテロとの戦いにより、部隊は中央アジア問題に焦点を
当てるようになった。アメリカ特殊作戦軍の広報担当将校、W・フレッド・キ
ュブラー少佐はユーラシアネットに対し「状況に応じた派遣先の変更は、現在
の環境や必要条件の現実に合わせたものにすぎない。第3グループは2002
年からアフガニスタンにおいて軍事行動を行っている」と述べた。
キュブラーは続いて「第3特殊部隊グループはアフガニスタンでの作戦を継続
し、中央軍司令官[デービッド・ペトレイアス将軍]の要請があれば、パキス
タン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、キ
ルギスタンにおいて、軍事演習を支援する用意がある」とも述べ、さらに「第
3グループは引き続き『直接行動』、『特殊偵察』、『外国国内防衛』、『治
安部隊の支援』など、『従来の特殊部隊任務』にも参加する」と付け加えた。
キュブラーによれば、第3特殊部隊グループの目標は「パートナー国であるパ
キスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、
キルギスタン政府が国民に提供する安全保障を向上させるための支援をする」
ことであり、「派遣先の変更にともない、相手国の言語・習慣・文化の集中学
習を始める」とのことである。
8月21日付のアメリカ特殊作戦軍指令によれば、特殊部隊の配置転換は「現
地で戦っている指揮官に対し、一貫性を増したより充実した支援を行い、特殊
部隊の本部配置を安定させ、特殊作戦連合グループ間での作業量を平均化する」
ために行われた。この指令は2010年2月1日までに完全実施されることに
なっている。
米軍が中央アジアにおいて外国国内防衛を遂行する計画については賛否両論が
ある。通常の活動であるという評論家もあれば、リスクがあるとする評論家も
いる。そのなかで誰もが一致する意見は、部隊が配置されればロシアが黙って
はいないだろうということだ。
「トルコの軍事パートナーがわが国軍隊の訓練に来ていた事例もあり、特殊部
隊であっても問題はないだろう。ただ、ロシアがうれしくはないことは確かだ
と思う」と、キルギスタンの政治評論家、マース・サリエフは語っている。
───────────────────────────────────
出典:世界反基地ネットワークより(2009年9月17日)
翻訳協力:T.M.(APA‐J翻訳チーム)
翻訳チェック:川井孝子 監修:APA‐Jデスクチーム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※ブログ版は、長期メンテナンス中です
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
翻訳ボランティアいつでも大募集
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
APA‐Jニュースフラッシュの翻訳を手伝って下さる協力者、いつでも募集
中です。我もという方はこちらまで → ppsg at jca.apc.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
CML メーリングリストの案内