[CML 001528] 鞆の浦景観訴訟:県に埋め立ての差し止め命じる 広島地裁

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2009年 10月 1日 (木) 18:17:44 JST


「景観の価値」は法的保護に値するかどうかが争われていた鞆の浦景観訴訟で、広島地裁は1日、
鞆の浦の景観を「国民の財産」と指摘した上で、「埋め立てがされれば景観への影響は重大で、埋
め立ては裁量権の逸脱」として原告の訴えを認め、着工前の工事の差し止めを初めて命じた画期
的判決を出しました。

■鞆の浦景観訴訟:県に埋め立ての差し止め命じる 広島地裁(毎日新聞 2009年10月1日)
http://mainichi.jp/photo/news/20091001k0000e040013000c.html
■景観の価値、最大限重視=鞆の浦訴訟(時事通信 2009年10月1日)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%b7%ca%b4%d1%a4%ce%b2%c1%c3%cd&k=200910/2009100100405

同訴訟勝訴についての「弁護団から会員の皆様への報告」「弁護団声明」「判決要旨」は下記の
日本環境法律家連名(JELF)のホームページで見ることができます。
http://www.jelf-justice.org/

そのうち同訴訟弁護団事務局長の日置雅晴弁護士の「鞆の浦世界遺産訴訟 勝訴の報告」を
下記に掲げておきます。ご参照ください。


東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp

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                鞆の浦世界遺産訴訟 勝訴の報告

10月1日、広島地裁はいわゆる鞆の浦埋め立て架橋計画の公有水面埋め立て免許の行
政訴訟による差し止めを求めた請求を認容する画期的な判決を出した。
行政事件訴訟法改正後、公共事業について、事前差し止めを認めた初めての判決である。
判決は、鞆の浦の歴史的・文化的景観の価値を認め、その公益的性格を認めた上で、さ
らに鞆町内に居住するものは個人としても景観利益を日常的に享受しているとして、法律
上保護に値する利益を有していると認定した。
その上で、本件埋め立て架橋計画の公水法上の違法性を判断するに際して「国土利用上
適正かつ合理的」という要件を判断するに際して、瀬戸内法などの関係法令および景観利
益の性質をも考慮して、県の主張する必要性がいずれも適切な調査・検討がなされていな
いものであること、あるいは景観利益を犠牲にしてまで実現すべき必要性がないことを認
定して、本件事業計画は裁量を逸脱した違法なものであると明確な判断を行った。
差し止め請求に関して、許可が出る前にこれを認めることが可能かどうかという点に関
しては、これまで許可が出てから取消訴訟と執行停止により目的が達成可能であるとして
認めないとする考え方があったが、本判決は、2年以上の係争期間に許可が出ずに結審し
たこと、争点が多岐にわたることなどから、新たに取消訴訟、執行停止手続きをとっても
直ちに判断を得ることが難しいことを踏まえて差し止めを認容したものである。
公共事業による自然や歴史的景観の破壊が問題になる中で、政権交代によりこれまでの
公共事業のあり方が見直されようとしているタイミングで下された本件判決は、開発優先
の行政の姿勢に対する司法的統制の可能性を拡大する画期的な判決であり、同種事案に直
面する国民・弁護士を大いに勇気づけるものといえよう。
これまで支援頂いた全国・全世界の皆さんにお礼方々、勝利報告をさせて頂きます。

2009年10月1日
鞆の浦世界遺産訴訟 弁護団 事務局長
日置 雅晴
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