[CML 002145] Re: 池田香代子さんの田中宇氏論攷評価の危うさについて一言申し上げます。

長船 青治 pencil at jca.apc.org
2009年 11月 27日 (金) 16:41:09 JST


長船です。

件名の発想は、我が「9条改憲阻止の会」でも何度か聞いたこと 
があり、私は少し奇異に思った
ままそのままにして、私なりに、そう言えば、沖縄県出身の著名人や芸 
能人たちの意思表示が私ほどのネットワーカー
の持っている蜘蛛の巣に全然見受けられないのを不思議に思って、ネッ 
トを軽く検索して見ると、仲間由紀恵をはじめ
無名の数人の沖縄出身のBloggerに感じるのはやはりその温度差 
と言うか驚くほど危機感が薄弱であると言うか、何故なのだろうと思って
いたのですが、先ほど、福岡の東本さんが公開型ML<市民の 
ML>紙上で
< 田中宇氏のBlogから「沖縄から覚醒する日本」という論考を 
絶賛している
池田香代子さんのBlog記事はおかしい、>とその危うさについて 
投稿されたものを転送します。
件名は民主党本部にある大方の意見であり発想であり、それは上から目 
線でありかつ
社民党本部にもある大方の意見であり発想であると私も自戒をこめて危 
惧します。

On 2009/11/27, at 13:42, higashimoto takashi wrote:

> 池田香代子さんがご自身のブログにフリージャーナリストの田中宇氏 
> の『沖縄から覚醒する日本』
> と『日本の官僚支配と沖縄米軍』という続きものの論攷を「激賞」 
> (「非戦つうしんミディア」465号、
> CML 002076)する記事を書かれています。
>
> ■Marines wanna go home  田中宇さんの分析1(池田香代子 
> ブログ 2009年11月17日)
> http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51289206.html
> ■官僚の権力の源泉としての対米追従 田中宇さんの分析2(池田香 
> 代子ブログ 2009年11月18日)
> http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51289208.html
>
> が、田中氏の同論攷はほんとうに「激賞」に値するものなのか? 私 
> は池田さんのブログ記事は
> 共感しながら拝読させていただいている、ということがほとんどです 
> が、今回の池田さんの同田中
> の「激賞」には賛成することはできません。10日ほど前の記事です 
> が、田中氏の同論攷及
> び池田さんの「激賞」を批判的に見る目からの記事は管見の限りいま 
> のところ見当たりません。
> 沖縄県民が望む普天間基地閉鎖・返還問題の真の解決(「県民世論調 
> 査、県外・国外移設70%
>  『辺野古』反対67%」琉球新報 2009年11月 
> 3日)のためにも同田中論攷に含まれている危険
> な問題点について指摘しておく必要性を感じます。
>
> さて、池田さんの同田中論攷(『日本の官僚支配と沖縄米軍』)の 
> 「激賞」は以下のようなものでし
> た。「沖縄の基地のことが、歴史的経緯や今後の展望をふくめ、いっ 
> きに理解できます。わたしは、
> 自分がなんとなく考えていたことが、『根源的』という意味でラディ 
> カルに論じられていて、十二分
> に納得し、また意を強くしました」。「どうしても多くのみなさんに 
> 読んでいただきたく、URLを紹介
> すればすむことではありますが、あえて2回に分けて転載します」。
>
> 確かに上記の田中論攷は、「沖縄の基地のことが、歴史的経緯(略) 
> をふくめ、いっきに理解で
> き」るという点では細緻かつ俯瞰的でもあり、秀逸な論攷ということ 
> はいえます。沖縄基地の歴史
> 的経緯について私もこの田中論攷に多くのことを学びました。だか 
> ら、この点についての池田さ
> んの田中論攷評価には私も異議はありません。しかし、上記引用で 
> (略)とした「今後の展望」に
> 関わる田中氏の認識には大きな問題点があるように思います。
>
> たとえば田中氏は、同論攷で、ゲーツ米国防長官が先月20日に来日 
> した際、その直前の専用
> 機内での記者会見で語ったという「普天間の代替先が決まらない限 
> り、海兵隊のグアム移転も
> やらない」という発言を紹介します。しかし、田中氏によれば、この 
> 日本政府と国民、沖縄県民
> に対する恫喝ともいうべき許しがたいゲーツ発言は、「ゲーツはマス 
> コミを利用して日本側の怒
> りを扇動した」。「ゲーツの国防総省は、(略)沖縄の人々を怒らせ 
> る辺野古移転のごり押しを
> あえてやって、沖縄の人々を米軍基地追い出しで団結させている」と 
> いうことになります。ゲーツ
> が「沖縄の人々を怒らせ」たのは、「沖縄から日本を覚醒させて官僚 
> 支配を崩す」という「ゲーツ
> の国防総省」の「隠れ多極主義」、また「オバマ政権の世界戦略」、 
> それを理論的に支える「ブレ
> ジンスキーの多極化戦略の一環に見える」というのです。「米軍は今 
> 後、さんざん日本人の反米
> 感情を煽った末に、最後は怒って日本から撤退をする。米政府は、そ 
> のつもりだろう」。なんとも
> 珍奇な説というほかありません。
>
> この田中氏の珍説を演繹すれば、ゲーツの国防総省(オバマ政権)は 
> 「沖縄から日本を覚醒さ
> せて官僚支配を崩す」世界戦略の一環として「辺野古移転のごり押 
> し」と「沖縄の人々を怒らせ
> る」ことをあえてやって」いるわけだから、ゲーツの恫喝発言は許容 
> せよ、オバマの世界戦略を
> 信ぜよ、ということにしかなりません。田中氏の珍説は新対米従属論 
> となるほかないものです。
> 池田さん。あなたはこの田中氏の新対米従属論ともいうべき珍説を支 
> 持されるのですか?
>
> また田中氏は、同論攷で、「(普天間基地の)県外移設は考えられな 
> い」(琉球新報 2009年10
> 月24日)との公約違反発言をして沖縄県民の怒りを買ったあの 
> 岡田外相発言をも上記と同様
> の論理で次のように擁護します。「岡田外相はピエロの役回りをさせ 
> られ、日米関係を何とか
> 悪化させないようにしようと焦り、嘉手納統合案を出して沖縄の人々 
> を怒らせ」た。だから、「沖
> 縄県民の意志は扇動されて『県外移転』に一本化されそうだ」。「日 
> 本の民主党自身、以前から
> 沖縄を覚醒にいざなってきた」が、それも「沖縄から日本を覚醒させ 
> て官僚支配を崩す」ため。
> 「小沢一郎の人事配置はなかなか絶妙だ」。
>
> 田中氏はここでも珍奇な説を駆使してくだんの岡田外相の公約違反発 
> 言を擁護し、独自の民
> 主党擁護の論を展開している、と見るほかありません。池田さん。あ 
> なたはこの田中氏の珍奇
> な岡田外相発言擁護、民主党擁護の論をも支持される、というわけで 
> しょうか?
>
> 田中氏は同論攷(『日本の官僚支配と沖縄米軍』)の最後をやはり次 
> のような民主党・鳩山政
> 権擁護の論で締めくくります。「鳩山政権」は「『基地は要らない』 
> とはっきり言い始めた沖縄県
> 民の盛り上がりが本土に飛び火するのを待」っている。「だから鳩山 
> は『普天間問題の解決に
> は時間がかかる』と言いつつ、のらりくらりしている。これは、単な 
> る私の推測ではない。東京
> の民主党本部が、沖縄県民に立ち上がってほしいと思っているという 
> メッセージが沖縄の側
> に伝えられてきたという話を、私は今回の沖縄で聞いた(沖縄から覚 
> 醒する日本)」。
>
> 田中氏が「これは、単なる私の推測ではない」と断言するように「東 
> 京の民主党本部が、沖縄
> 県民に立ち上がってほしいと思っているというメッセージ」を送って 
> きた、ということがほんとう
> に事実だとすれば、私も田中氏の鳩山政権擁護の説を信用する気にな 
> りますが、肝心の「東
> 京の民主党本部が、沖縄県民に立ち上がってほしいと思っているとい 
> うメッセージ」云々の部
> 分の根拠は、田中氏が上記のように断言する根拠としてあげている 
> 『沖縄から覚醒する日本』
> の論攷を見ても示されていません。その根拠が示されていない限り 
> 「これは、単なる私の推測
> ではない」と断言することもできないはずですが、田中氏はその根拠 
> を示さないまま「これは、
> 単なる私の推測ではない」と断言しています。こうした言説は無効と 
> いわなければならないで
> しょう。それを池田さんは無批判、無条件に引用して田中氏の鳩山政 
> 権擁護論に与していま
> す(『田中宇さんの分析2』)。そうであれば、この池田さんの田中 
> 論攷評価(もしくは池田さん
> の姿勢)も無効というほかないように私は思います。
>
> 池田さんの絶賛する田中宇氏の論攷には上記に見たように大変危うい 
> ものがある、というの
> が私の田中論攷評価です。危ういものを危ういものと思わない危険性 
> を思い、私はこの文章
> を書きました。
>
>
> 東本高志@大分
> taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
>

Seiji Osafune
pencil at jca.apc.org
http://www.jca.apc.org/~pencil/
http://seijiosafune-shushu.blogspot.com/





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