[CML 001909] 11・6「ミサイル防衛」防衛省ヒアリングへ
杉原浩司(Koji Sugihara)
kojis at agate.plala.or.jp
2009年 11月 5日 (木) 00:05:06 JST
東京の杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)です。
さる10月28日未明、福岡県芦屋基地にPAC3ミサイル機材の搬入が強
行され(春日基地にも関連機材搬入)、同日午後にはハワイ・カウアイ
島沖で海自イージス艦「みょうこう」が、63億円の巨費をかけてSM3
ミサイルの実射試験を行いました。強く抗議したいと思います。
政権交代後も変わらない「ミサイル防衛」(MD)推進の動きに対して、
迎撃ミサイルPAC3の配備などに反対してきた首都圏の住民の立場か
ら、防衛省担当者に事前に提出した質問(後半に一部記載)への回答を
聞き、私たちの要求を伝えます。本来、「事業仕分け」では、真っ先に
“無駄の本丸”であるMDをリストアップすべきではないでしょうか。
MD推進は、新政権が標ぼうする核軍縮の妨げにもなります。
直前のお知らせとなり恐縮ですが、ぜひ参加・取材などをご検討いただ
ければと思います。よろしくお願いします(習志野演習場への弾薬庫新
設問題についてのヒアリングも含みます)。
このヒアリングは、福島みずほ参議院議員事務所の協力で行います。
[転送・転載歓迎]
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【11月6日:防衛省公開ヒアリング】
■新政権下の防衛省に「ミサイル防衛」の抜本的見直しを求める
〜4月初発動の検証とPAC3追加配備経費944億円の削除要請など〜
◇ 2009年11月6日(金)午後2時〜3時
午後1時45分に参議院議員会館受付ロビーに集合
(遅れて参加される方は連絡先携帯電話までご連絡を)
◇ 参議院議員会館 第6会議室
(地下鉄「永田町」3分、「国会議事堂前」5分)
<ヒアリング終了後、午後3時30分頃より国会議員への要請も行います>
[呼びかけ]
パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会
核とミサイル防衛にNO!キャンペーン
【連絡先】習志野実行委:080-6564-3566(吉沢)
キャンペーン:090-6185-4407(杉原)
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<防衛省への事前質問> (核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)
1.4月のPAC3システムの初めての発動に関して
(1)防衛省グラウンドに配備されたPAC3発射機には、「INERT」と表記
された模擬弾が含まれていたことが明らかになっている。実戦態勢と称しな
がら模擬弾を配備した理由は何か、明らかにされたい。また、その事実を公
表しているのか否か、その理由も含めて明らかにされたい。
(2)秋田、岩手や防衛省グラウンド、朝霞、習志野に配備されたPAC3
のレーダー装置は実際に運用されたのかを確認したい。都内への配備につい
ては、レーダーの実際の運用は朝霞基地のみで行われ、レーダー運用時には
警備の陸自隊員はその都度退避したと言われている。それが事実なら、その
理由は何か。また、なぜ防衛省では行わなかったのか。
(3)また、強力な電磁波を発すると言われるレーダーの運用について、周
辺住民には事前、また運用時に周知されたのか。さらには、レーダー波の計
測は行われたのか。
(4)今後再びPAC3を人口密集地に配備する場合、周辺住民への事前説
明会を開催する意思はないのか。
(5)高さ2.5メートルの防護柵が設置されたといわれるが、実際の発射時に
その程度のもので周辺への被害を抑えることができると本当に考えているの
か。その根拠は何か。
(6)PAC3の発射時の爆風に含まれる有害成分に関して、防衛省は米国
側からの情報に基づく回答として「塩化水素、一酸化炭素など」としている。
この「など」に相当する成分を具体的に明らかにされたい。ロケット、ミサ
イル等の発射時に排出されるとされる過塩素酸塩は含まれていないのか。
(7)この米側の回答は、具体的にどこのどの部署からの回答なのか。また、
具体的な回答日時も明らかにされたい。
(8)4月の浜松と首都圏のPAC3の移動展開について、どこの部隊がどこ
に移動したのか、全体像を具体的に示されたい。また、岐阜基地のPAC3
が首都圏に移動展開したことも明らかになっているが、どこに展開したのか。
(9)浜松基地の空自部隊は教育部隊であるため、浜松にはPAC3の実弾
は存在しないと言われていた。実際にはどうなのか。もし含まれていないと
すれば、東北地方に海上輸送され配備されたPAC3に、実弾はいかにして
装てんされたのか。
(10)今までPAC3は環境省所管の新宿御苑と自衛隊基地に移動展開され
ているが、今後都立公園などを展開地とすることは想定されているのか。
(11)PAC3の米国における迎撃実験では、標的とされる模擬弾はわずか
120キロ程度の飛翔距離しかない。日本のMDが想定している北朝鮮(朝鮮
民主主義人民共和国)の弾道ミサイルは、1000キロ以上の飛翔距離といわれ
ている。全く現実とかけ離れた想定にも関わらず、迎撃できるとして装備認
定、配備した根拠を示されたい。
(12)米国でさえ、発射に失敗して回転しながら落下するロケット(ミサイ
ル)部品を迎撃する実験を一度も実施していない(2009年3月26日、産経、
フィリップ・コイル元国防次官補の証言)。それにも関わらず、迎撃が可
能だとして実戦配備を行った科学的な根拠を具体的に示されたい。
2.PAC3追加配備経費944億円の2010年度予算概算要求への計上等について
(13)追加配備経費944億円のより具体的な細目を示されたい。
(14)追加配備予定地域(北海道、青森、沖縄)のうち、沖縄県には既に米
軍としては日本国内唯一のPAC3部隊が、濃密な形で嘉手納に配備されて
いる。もし沖縄に追加配備された場合、自衛隊のPAC3部隊は米軍PAC
3部隊と何らかの共同展開などを行う可能性はあるのか。
(15)追加配備は現「防衛計画の大綱」・別表には記載されていない。麻生
前政権は、当初年末に策定を予定していた次期「防衛大綱」に記載すること
を前提に、8月末の時点で追加配備経費が計上されていたとされる。その後
の政権交代を受けて、鳩山政権は大綱改定を2010年末まで1年先送りするこ
とを決定した。これにより、追加配備は法的根拠を失ったはずである。にも
関わらず、出し直しの概算要求でなおも計上するのは、本来許されないので
はないか。即刻削除すべきと考えるが見解は。
(16)概算要求に「イージスBMD武器システム構成要素の日米共同開発」
経費(16億円)が記載されているが、具体的にどのようなシステムなのか。
また、この共同開発は日米のどちらから提案されたものか。さらに、関わる
ことになるであろう企業名を明らかにされたい。そして、何年間かけて総計
どの程度の経費がかかると想定しているのか。日本側負担額の予測は。
3.日米共同開発中のSM3ブロック2Aの第三国への輸出の可能性について
(17)来日したゲーツ米国防長官が10月21日に北澤防衛相に対して、日米共
同開発中の能力向上型SM3ブロック2Aを欧州などに供与できるよう、武
器輸出政策を緩和してほしいと求めたことが報じられている。もともとSM
3ブロック2Aは日本防衛を想定して共同開発に入ったものであり、欧州な
どへの輸出は、共同開発の趣旨を明らかに逸脱する「目的外使用」に他なら
ない。また、「国是」とされる武器輸出禁止三原則を更に骨抜きにするもの
でもある。日本政府として、こうした不当な要求には即刻拒否を表明すべき
と考えるが、見解はどうか。
【参考】
迎撃ミサイルPAC3の都心展開演習に関する防衛省公開ヒアリング報告
(2007年9月29日)
http://www.geocities.jp/nomd_campaign/pac3-answer.html
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