[CML 001886] 【緊急アピール】戦争を挑発する臨検特措法案に反対する市民の共同声明にご賛同下さい!

加賀谷いそみ QZF01055 at nifty.ne.jp
2009年 11月 1日 (日) 18:46:11 JST


(転載歓迎)

【緊急アピール】
 戦争を挑発する臨検特措法案に反対する市民の共同声明にご賛同下さい!

   井上澄夫(埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
   加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)
   奥田恭子(愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)
   廣崎リュウ(山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集委員)
                         2009年11月1日

 鳩山内閣は10月30日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮と略)に出
入りする船舶を臨検する特別措置法案(以下「臨検特措法案」と略)を閣議決定
し、国会に提出しました。この法案は先の国会に麻生前政権が提出し廃案になっ
た法案のタイトルを変え、内容も臨検への自衛隊の関与を除いただけで、それ以
外は麻生前政権提出法案とまったく同じです。そして鳩山連立政権は同法案の今
国会での成立をめざしています。
 いわゆる「北朝鮮の核開発」問題については、政権交代がなされた今、新政権
にふさわしい、新たなアプローチの外交政策があって当然ですが、若干の手直し
で旧政権と同じ姿勢にこだわる鳩山連立政権に私たちは強い違和感と疑問を禁じ
得ません。

 新法案のタイトルは「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」から
「国際連合安全保障理事会決議第1874号等を踏まえ我が国が実施する貨物検
査等に関する特別措置法」に変えられました。そして旧法案の9条にあった次の
条項が削除されました。
  「2 自衛隊は、防衛省設置法、自衛隊法その他の関係法律の定めるところに
従い、この法律の規定による検査その他の措置に関し、海上保安庁のみでは対応
することができない特別の事情がある場合において、海上における警備その他の
所要の措置をとるものとする。」
 
 国連安保理決議1874は、北朝鮮に対する国連憲章第7章41条に基づく措
置(兵力の使用を伴わない措置)をすべての加盟国に義務づけているわけではな
く、「要請」しているに過ぎないのですから、海上自衛隊に海上警備行動(自衛
隊法82条)を発令して対応することは、いかに国連決議の「実効性を確保」す
ることを目的とすると強弁しても、決議そのものに反する行為であり、国際法上、
断じて許されるものではありません。

 しかしながら、政府が国会に提出した「臨検特措法案」のように、海上自衛隊
を関与させず、海上保安庁と税関による臨検なら問題はないのでしょうか。私た
ちは、政治的な緊張関係にある外国の船舶を公海上で臨検することは、制御でき
ない軍事的緊張を誘発する戦争挑発行為にほかならないと考えます。

 私たちは全国のみなさんに、以下の「市民の共同声明」にされ、鳩山連立政権
が国会に提出した「臨検特措法案」にともに反対することを呼びかけます。皆さ
んの署名は、鳩山首相と海上保安庁を管理する前原国土交通相に届けます。ご賛
同の要領は次のとおりです。  

◆賛同は個人・団体(グループ)を問いません。 
 ▼賛同者になっていただける場合は、大まかな在住の地(たとえば、神奈川県
川崎市、兵庫県宍粟郡)をお知らせ下さい。 
 ▼団体(グループ)賛同の場合は所在地(たとえば、岐阜県大垣市)をお知ら
せ下さい。ただし名称に地名がついているときはその限りではありません。  

◆賛同の締めきりと連絡先  
 ▼今臨時国会の会期は、11月30日までです。ご賛同はそれまで受け付けま
す。ただし廃案になったときは、その時点で呼びかけを停止します。

 ● ご賛同表明の連絡先は次の通りです。
  rinkensosi at mbn.nifty.com

  ※ お名前・おおまかな住所、団体(グループ)名・所在地に加えて、必ず
「声明に賛同します」とご明記下さい。なお上記メールアドレスはご賛同の連絡
専用です。 

【ご協力のお願い】この共同声明にご賛同のみなさんにお願いします。このメー
ルをみなさんのご友人やお知り合いの方々にご転送下さい。またご関係のメーリ
ングリストやそれぞれのブログ、ホームページでご紹介下さい。どうか、よろし
くお願いします。 
 ◆〔個人情報の保護について〕 賛同者や賛同団体のお名前をインターネット
上で公表することはありません。ただし賛同件数については、声明提出後、賛同
者と賛同団体のみなさまに運動の経過とともに報告します。また賛同件数はイン
ターネット上で公表します。  

  【戦争を挑発する臨検特措法案に反対する市民の共同声明】
  
 鳩山連立政権は10月30日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮と略す)
に出入りする船舶の貨物を検査するためとして「国際連合安全保障理事会決議第
1874号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法」(以下
「臨検特措法案」と略す)を国会に提出した。
 法案は、麻生前政権が国会に提出した「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別
措置法案」のタイトルを変え、自衛隊の関与の条項だけを削除したもので、それ
以外は旧法案と寸分変わらない。私たちは、以下のべる理由で、新たな「臨検特
措法案」に強く反対する。

 「臨検特措法案」は、2000年に成立した「周辺事態に際して実施する船舶
検査活動に関する法律」(以下、周辺事態船舶検査法と略す)と比べても、極度
に強権的で敵対的な臨検を許すものである。周辺事態船舶検査法に基づく検査活
動では、海上自衛隊が対象船舶を停止させ、船長等の承諾を得て乗船し、書類や
積荷を検査できることになっているが、航路や目的港などの変更については船長
等に「要請」あるいは「説得」をおこなうことができるにすぎない。 
 ところが「臨検特措法案」では、海上保安庁が対象船舶を停止させ、「北朝鮮
特定貨物」があることを確認したときは、その貨物の「提出」を命令し「保管」
することができる。そればかりか、船長などに日本の港およびその他の場所に
「回航」することを「命ずる」ことさえできる。
 しかも船長などが「提出命令」に従わなかった場合は「2年以下の懲役又は1
00万円以下の罰金」に処せられ、「立入り、検査、収去若しくは貨物の陸揚げ
若しくは積替えを拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し答弁をせず、若
しくは虚偽の陳述をした者」などには、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰
金」が科せられる。
  そもそも法案は、「北朝鮮特定貨物」を「国連決議により北朝鮮への輸出、北
朝鮮からの輸入の禁止が決定された核関連、ミサイル関連その他の大量破壊兵器
関連の物資、武器その他の物資であって政令で定めるもの」としているが、「そ
の他の物資」は明確に規定されず、しかも「政令で定める」というのだから、こ
れは海上保安庁による恣意的な拡大解釈を許す規定である。法案は12条〔政令
への委任〕で「この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項
は、政令で定める。」としているが、これは国会の審議を経ることなく政府関係
機関の独断専行を許す「政令政治」の典型である。
 法案はさらに大いに疑問とせざるを得ない条項を含んでいる。たとえば3条2
項は「海上保安庁長官は、我が国の領海又は公海にある船舶が北朝鮮特定貨物を
積載していると認めるに足りる相当な理由があるときは、海上保安官に、次に掲
げる措置をとらせることができる。」としているが、そこでいう「認めるに足り
る相当な理由」は明示されていない。 
 「北朝鮮特定貨物を積載している」ことを、誰がどうやって「認める」のだろう
か。それは詰まるところ、「北朝鮮特定貨物を積載している」とただ疑わしいか
ら臨検するという事態をもたらすことにつながりかねない。

 この法案は実に危うい。国連安保理決議1874がすべての加盟国に対し「旗
国の同意を得て公海上で船舶を検査すること」を「要請する」としているのは、
臨検を義務づければ不測の事態が発生することを強く懸念しているからにほかな
らない。北朝鮮の核開発は朝鮮戦争以来続いてきた米国との軍事的緊張がもたら
したものである。ところが日本政府はその事態の解決に努力しないどころか、米
国政府とともに「北朝鮮の核の脅威」を煽り続け、東北アジアの政治的・軍事的
緊張を著しく増幅させてきた。その日本が北朝鮮に出入りする船舶を臨検するこ
とは、「船舶検査」が警察行動であるといかに強弁しようと、北朝鮮との一触即
発の軍事的衝突を誘発しかねない危険な火種になる。 
 私たちは北朝鮮との緊張は、どこまでも外交努力によって解消すべきであると
考える。いま求められているのは、何よりまず北朝鮮との国交正常化である。万
事を交渉で解決できる正常な国交をもたず、恫喝的な臨検で戦争を挑発すること
など断じてあってはならない。それは日本国憲法が掲げる絶対平和主義を正面か
ら踏みにじることだ。

 私たちは「臨検特措法案」を鳩山連立政権がただちに取り下げることを強く要
求する。



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