[CML 000063] 911 WTCの粉塵中の爆発物 (ナノテルミット) についての化学物理学論文

Debu Spectator debu.spectator at gmail.com
2009年 5月 23日 (土) 20:40:07 JST


やや旧聞に属し、ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、9.11 
事件の研究で極めて重要な進展があったのでお伝えするとともに、 
転載・転送を大いに歓迎します。

9.11事件でWTC (世界貿易センター) の3つの超 
高層ビルの全崩壊でマンハッタンにまき散らされた粉塵の中から、 
ナノテルミットと呼ばれる爆発物の破片が見つかったという論文 
が、4月初めにオンラインの化学物理学雑誌に掲載されました。[1]
この破片とは、AMLで以前に私が紹介した、赤色/灰色の物質 
からなる2層構造をもち爆発的に反応する破片[2]のこ 
とです。

当然、この論文は当該分野の専門家による査読 (ピアレビュー)  
を通っている[4]ので、特に化学、爆発物、ナノテクノロジー 
方面に明るい方には是非とも読んでいただきたいと思います。
(論文のAbstractとConclusionsの拙訳を、関連するい 
くつかの写真やリンクとともに私のサイトに置きました。[3]  
何か翻訳の誤りやお気づきの点がありましたら、このCMLでも 
私宛のメールででもお知らせいただけると幸甚に存じます。)
論文の詳細はともかく概要だけでも知りたいという方には、一般向 
けに用語・背景説明を付けた解説 (英語)[5]があります。
また、筆頭著者であるコペンハーゲン大学化学科ニルス・ハリト博 
士のいるデンマークでは、科学専門のポータルサイト videnskab.dk  
(videnskab は science を意味するデンマーク語) に 
記事が掲載され[6]、TV報道番組でインタビューが放映 
されたりしました[7]。
(videnskab.dk の記事 (デンマーク語) の怪しい自動 
翻訳英語からのさらに怪しい拙訳を[8]に載せました。)

次は論文のAbstractの拙訳[3]です。
----- -- -----
摘要:世界貿易センターの破壊によって生じた粉塵について調べた 
すべての試料の中に、独特な赤色/灰色の破片が見出された。
この論文では、それぞれ別の場所から採取された4つの試料の 
検査結果を報告する。
これらの赤色/灰色の破片は4つの試料で著しい類似性を示す。
1つの試料は2番目のWTCタワー崩壊の約10分後に 
マンハッタンの一住人よって採取され、2つの試料が事件翌 
日、そして4つ目の試料が約1週間後に採取された。
破片の特性は、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡 (SEM)、X 
線エネルギー分散分光法 (XEDS)、および示差走査熱量法 (DSC)  
を用いて分析された。
赤色物質は、主に酸化鉄からなるおよそ100 nm径の粒子を含 
み、小さい板状の構造にはアルミニウムが含まれる。
メチルエチルケトンを用いて成分を分離することにより、単体のア 
ルミニウムが存在することがわかった。
赤色物質中で酸化鉄とアルミニウムは密接に混合している。
破片をDSC装置の中で発火させると、従来のテルミットの標準 
的な発火点をはるかに下回る約430℃において、大きいが狭い 
ピークを持つ発熱量を示す。
これらの独特な赤色/灰色の破片を発火させた後には、多数の鉄豊 
富な球体が明確に観察される。
破片の赤色部分は未反応のテルミット剤であり、高いエネルギーを 
発生することがわかる。
----- -- -----

ここでこれ以上は立ち入りませんが、WTCの粉塵の中からハイ 
テク爆発物が見つかったという、この科学的知見が9.11事件 
において何を意味するかについて、是非とも皆様がよく考えていた 
だくことを希望します。
ちなみに、NIST (国立標準技術研究所) は米国の防火 
規定で定められているはずの火工品・爆発物の探索を行っていない 
ことを認めています。[9]

もっとも、たとえWTCの粉塵の分析による一連の知見を抜きに 
しても、NISTによるツインタワーとWTC 7の崩壊説に限 
らず、飛行機または瓦礫[10]による損傷と火災のみによって 
全崩壊したという"自重崩壊説"には、現実に観察され 
た様々な説明困難な異常現象があります。[11]
中でも、ニュートン力学の基礎を理解してさえいれば最も端的でわ 
かりやすいのは、WTC 7とタワー上部の落下初期の加速度の問 
題です。
WTC 7の (先に落下したペントハウスを以外の) 屋上部 
分の加速度が落下開始後2秒間余り重力加速度に一致  
(自由落下) し、WTC 1の屋上部分が落下初期にほぼ一 
定加速度 (重力加速度の64%) だったことはいずれ 
も、"自重崩壊説"にとっては致命的と言えます。[12]


[1] Active Thermitic Material Discovered in Dust from the 9/11 World  
Trade Center Catastrophe
(Abstractとダウンロードリンク)
http://www.bentham-open.org/pages/content.php?TOCPJ/2009/00000002/00000001/7TOCPJ.SGM
http://www.911blogger.com/node/19761 (アナウンス、著者も含む 
コメントや質疑応答)

[2] [AML 18176] 飛行機/瓦礫による損傷&火災のみによる 
WTC崩壊説 [は詰んでます]
2. これまでの経緯
http://list.jca.apc.org/public/aml/2008-February/017691.html
(ここでは関係しませんが、1.の Table 2 の人 
名"Toreo"は誤りで、正しくは"Torero"です。)

破片の写真
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/redchip.jpg
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/chip_photomicrographs.jpg
(オリジナル:http://911research.wtc7.net/essays/thermite/docs/chip_photomic 
rographs.png )

[3] "9/11の世界貿易センター大惨事での粉塵中に発見された活性テ 
ルミット剤"
(Abstract, CONCLUSIONS の拙訳)
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/sejones/active-thermitic_abstract_j.html

[4] この査読を通ったということに対して、しばしば自覚なしに墓 
穴を掘りながらも9.11の真相解明努力や再調査要求へのイ 
チャモンづけに熱心な、いわゆる "デバンカー  
(debunker)" と呼ばれる人々が的外れなケチをつけていますが、な 
ぜ的外れなのかについてはここでは述べません。
ただ、2人の著者の所属が (スティーブン・ジョーンズ 
博士が教授職を辞した) ブリガムヤング大学物理学天文学科 
と明示されていることからも窺え、[1]の 911Blogger  
の記事などに記されているように、論文は投稿に先立って物理学科 
主任や大学当局によるレビューを受けていることを記しておきます。

ちなみにNISTの2005年のWTCタワー報告書につい 
ては、元火災研究部長のOB研究者が、査読を受けることを要 
求しており、NISTのWTC研究全般に対して深刻な疑念を 
表明しています。
Former Chief of NIST's Fire Science Division Calls for Independent  
Review of World Trade Center Investigation
http://www.ae911truth.org/info/12

[5] 9.11の研究で先駆的かつ広範囲の論考や資料を掲載しているサイト 9-11 Rese 
arch (http://911research.wtc7.net/ ), 9-11 Review (http:// 
911review.com/ )  を運営するソフトウェアエンジニアのジム・ホ 
フマン氏による、用語や背景の説明を付けた一般向けの解説

Explosives Found in World Trade Center Dust
http://911research.wtc7.net/essays/thermite/explosive_residues.html
Thermitic Pyrotechnics in the WTC Made Simple
http://911research.wtc7.net/essays/thermite/thermitics_made_simple.html
関連する論考への目次ページ
Aluminothermics Use at the WTC: Essays by Jim Hoffman
http://911research.wtc7.net/essays/thermite/

[6] videnskab.dk の記事のデンマーク語から英語へのGoogle 
自動翻訳
Danish scientist: nano explosive material found in the dust from the  
World Trade Center
http://translate.google.com/translate?prev=hp&hl=en&js=n&u=http://videnskab.dk/content/dk/teknologi/dansk_forsker_eksplosivt_nanomateriale_fundet_i_stovet_fra_world_trade_center&sl=da&tl=en

Niels Harrit: Scientific evidence of ancient knowledge of 9 / 11
http://translate.google.com/translate?prev=hp&hl=en&js=n&u=http://videnskab.dk/content/dk/teknologi/dansk_forsker_eksplosivt_nanomateriale_fundet_i_stovet_fra_world_trade_center&sl=da&tl=en

[7] A danish scientist Niels Harrit, on nano-thermite in the WTC dust  
(english subtitles)
http://www.youtube.com/watch?v=8_tf25lx_3o
9/11 Media Breakthrough in Denmark
http://www.911blogger.com/node/19805

[8] デンマーク人科学者:ナノ爆発剤が世界貿易センターの粉塵か 
ら見つかる
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/videnskab_dk/wtc_nanotherm_videnskab_en_j.html
ニルス・ハリト:9.11の歴史的知識の科学的証拠
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/videnskab_dk/harrit_videnskab_en_j.html

[9] Answers to Frequently Asked Questions (August 30, 2006)
http://wtc.nist.gov/pubs/factsheets/faqs_8_2006.htm
12項
Fourteen Points of Agreement with Official Government Reports on the  
World Trade Center Destruction
http://www.bentham-open.org/pages/content.php?TOCIEJ/2008/00000002/00000001/35TOCIEJ.SGM
(拙訳:世界貿易センターの破壊に関する公式の政府報告書に同意できる 
14の論点
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/sejones/14PointsJapaneseTranslation01.pdf 
  )
14項

[10] 巷の、特に"デバンカー"さんたちの空想とは違っ 
て、NISTのWTC 7報告書では、WTC 1の崩壊によ 
る瓦礫は火災の原因となったほかは、ほとんど崩壊要因にはならな 
かったとしています。
NIST WTC 7 Investigation Finds Building Fires Caused Collapse (NIST  
News Release, Aug. 21, 2008)
http://www.nist.gov/public_affairs/releases/wtc082108.html
もっとも、仮にWTC 7がWTC 1の瓦礫によって大ダメー 
ジを受けていたとしても、[12]の問題に対して何の気休めに 
もなりませんが。

[11] 9.11の真実を追求する建築家&技術者のサイト
http://www.ae911truth.org/
の右欄に列挙された項目

[12] 物理学教師デイビッド・チャンドラー氏がWTC 7と 
WTC 1の落下の加速度を解析した短編YouTubeを
http://www17.plala.or.jp/d_spectator/
WTC7: NIST Finally Admits Freefall (Part I, II, III)
Downward Acceleration of the North Tower
にまとめて貼付けてあります。

WTC 7の同じ解析ビデオは、
http://www.ae911truth.org/
の左欄の中ほどにある
NIST Admits Freefall (Parts I, II and III)
からも見られます。

関連論文
The Missing Jolt: A Simple Refutation of the NIST-Bazant Collapse  
Hypothesis
http://journalof911studies.com/volume/2008/TheMissingJolt7.pdf



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