[CML 000479] 愛国と米国を読む

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2009年 6月 27日 (土) 01:41:32 JST


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以前、「靖国」という映画を見た。8月15日の靖国神社には朝から無数の人々が参拝にくる。軍服をきた右翼、一般の参拝者、どうも観光客らしい人-だが映画「靖国」はどうも軍服をきた右翼だけに視点がいっており、これが日本だといわんばかりだった。中国の映画監督が撮ったものらしく中国のナショナルリズムからの視点でどうも違和感を感じた。右翼の連中が非難することもないんじゃないの、という気がした。
今回の6.13で考えさせられることもあり、初めて日本の右翼の本を読んだ。鈴木邦男氏の「愛国と米国」という小さな本だ。
「反米愛国」少年の半生を通奏低音にしながら新右翼の立場からアメリカという問題を考えたものだ。
鈴木氏は、北朝鮮にも、イラクにも行っていたのは驚きだった。イラクでは「カミカゼ」「カラテ」「サムライ」という言葉は子供でも知っているという。しかし、「ただ、尊敬だけではない。残念なことに、そんな勇敢な日本が、あれだけ米軍と戦った日本が、なぜ今、米軍と一緒になってわれわれを攻めるのか?そう聞かれて答えられなかった」「彼らには苛立ちがある。日本が一番、イラクの立場、苦衷をわかるはずではないか...確かにその通りだと思った」
僕はここに鈴木氏の右翼思想家としての煩悶と真実を見た。
以前、京都にブッシュアメリカ前大統領が来たとき僕は一水会の人とすこし話をした。「なぜ、ブッシュ来日に反対しているのですか」
帰ってきた答えは『広島・長崎に原爆を落とした国の大統領が陛下の御所に来ることはゆるせない』というものだった。その時、なるほどそういう右翼の人もいるのかと思った。
そして、ビラをもらい握手をして分かれた。

さらに今話題の田母神論文にふれている。「三島も田母神さんも、憲法を改正し自衛隊をきちんと国軍にしろという。このままでは自衛隊は『魂のない武器庫』になるという。自虐史観だけを教えられては、この国を守れないという。...日本人が正しい歴史観をもっていないと憂うるのもわかる。自虐史観ではこの国を護るという気にはならない。そういう怒りも分かる。その怒りや憤りをわかっていながらあえていいたい。自衛隊は日本の『現在』を護るのだ。過去や過去の歴史観を護るのではない」「自分を否定するものも護るの も自衛隊だ」ここには民族派の、右翼のほんとうの意味での思想があるような気がした。
しかし、あえて疑問を出してみたい。太平洋戦争の末期、沖縄戦で日本軍は民衆をまもっただろうか。あるいは、8月8日のソ連による満州進入にたいして一番に逃げたのは関東軍だったのではないか。軍隊というものはソ連であれ、アメリカであれけっして民衆をまもったりはしないのではないか、彼らの任務は国家を守ることにあるのではないか。

「改憲の動機を聞くと『自主防衛』から『世界の治安』のためのという人が多い。それが気になる。...『そんなことなら、むしろ改正しないほうがいい』という声が改憲論者からも出てきた。自民党の改憲論や『読売新聞』の改憲試案に影響を与えた小林節・慶応義塾大学教授や小林よしのりさんらだ。これは保守派の中で、アメリカをめぐって、二つに割れていることでもある」
安部政権が倒れて一時なりをひそめていた『改憲』だが、ヒラリー・クリントンが来てグアム協定をおしつけてから再び加速しだした。民族派・保守派の中でも議論が割れているということはこの本を読んで初めてしった。
この本を読んでいて60年代の全共闘世代の闘争を「反米愛国」だったのではないかというところは面白かった。僕も団塊の世代のオツサン左翼と話しをしていると「それ、民族主義じゃないの」と思うことがある。
右翼というと黒い車で軍歌を鳴らして闊歩するというイメージがあるが、そうでもないらしい。ステロタイプなものの見方をするべきではないとこの本を読んでいい勉強になった。

タゴールはかつて日本文化に非常な賛美の言葉をおくりながらも、日本の近代化には危機感をつのらせていた。
「たとえば、日本は西欧の方法を取り入れることによって、力強くなっていると自ら思い込んでいるが、日本が世襲財産を消費し尽くしてしまった後には、ただ文明の借り物の武器のみが残るであろう。日本は内部から自己を発展させることはないであろう」

まるで、今日の日本を予言しているかのようである。左翼もそうだが、右翼思想も国家主義の亡霊につきまとわれているような気がする。しかし、国家という近代の産物は確実に衰退の過程にはいった。思想に囚われることなくアジア規模での民衆の連合という発想に切り替えると面白いかもしれない。

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