[CML 000444] Re: 人権理事会「人民の平和への権利」決議

maeda akira maeda at zokei.ac.jp
2009年 6月 24日 (水) 17:59:57 JST


前田 朗です。

6月24日



豊田さん

:

国連のプレスリリース6月17日には次のように記載されています。

On the promotion of the right of peoples to peace, the Council
reiterated its request to the United Nations High Commissioner for Human
Rights to convene, before February 2010, a workshop on the right of
peoples to peace, with the participation of experts from all regions of
the world, in order to further clarify the content and scope of this
right; to propose measures that raise awareness of the importance of
realizing this right; and to suggest concrete actions to mobilize
States, intergovernmental and non-governmental organizations in the
promotion of the right of peoples to peace. This resolution was adopted
by a vote of 32 in favour, 13 against and one abstention.

この日は各国の意見表明はなかったようで、日本政府の見解はわかりません。

以下は私の推測ですが、西側諸国がそろって決議に反対しているのは、たぶん手
続き問題だろうと思います。この手の決議に反対するためにしばしば持ち出され
てきたのは、「国際平和と安全保障の問題は安保理事会マターであって、人権理
事会で議論する事ではない」というものです。

例えば、2003年3月から4月にかけて開催されていた当時の人権委員会で、
3月末から4月上旬にかけて、イラク政府代表は毎日繰り返し米軍による空爆被
害を訴えていました。2003年3月20日に本格化したイラク侵略の際です。
いくつかのアラブ諸国が支援の発言をしていましたが、フランスやドイツが「イ
ラク問題は安保理事会マターだから、人権委員会で取り上げるべきではない」と
主張して他の発言を封じました。4月7日だったか9日だったかな、この日を最
後にイラク政府代表は人権委員会から消えていなくなりました。人権委員会は、
イラク民間人大量虐殺を見てみぬふりをしたのです。この時、日本政府がどんな
裏工作をしていたかまではつかんでいませんが。

今回の決議文を読んでも、内容的に反対しなければならないことがあるとは、あ
まり思えないので、たぶん手続き問題を理由にした反対ではないかというのが私
の推測です。

もし、内容面だとすると、「平和への権利というが、法的概念として確立してい
ない、あいまいだ、未成熟だ」と言う主張かもしれません。日本の裁判所が従来
「平和的生存権は裁判規範としての権利ではない」としていたように。昨年4月
の名古屋高裁判決はこの壁を乗り越えたのですが、たぶん日本政府はまだこの見
解でしょう。

正確なことはわかりません。すみません。




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