[CML 000212] GM の「国有化」について

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2009年 6月 2日 (火) 12:48:32 JST


紅林進と申します。
   
   米国三大自動車メーカー「ビッグ3」の一つGM(ゼネラル・モーターズ)が6月1日、
  米連邦破産法第11条(日本の民事再生法にあたる)の適用を申請し、経営破綻
  した。(今年3月末のGMの負債額は1728億ドル(約16兆4100億円)で製造業としては
  世界最大の経営破綻)
   
   破産手続きを経て設立する「新GM」の株式の約60%を米国政府が所有し、
  実質上「国有化」される。(カナダの連邦政府、州政府も合わせて約12%所有)
  米国政府の計画では、新たに米国政府が301億ドル(約2兆8600億円)を追加融資、
  これまで供与した資金と合わせて、GMへの税金の投入額は約500億ドル(約4兆
  7500億円)に上る。
   
   これまで「国有化」は、不倶戴天の敵として敵視してきた「社会主義」につながる
  として頑なに拒んできた米国政府がついに米国最大企業の一つを「国有化」せざる
  を得なくなったのである。
   
    しかし米国政府は「必要以上に長期間、GM株を持ち続けるつもりはない」とも
  述べ、GMの日常の業務には介入せず、リストラ等を行い、「競争力」をつけて、
  「再建」した上、再民営化する予定である。
   
   今回オバマ政権が行おうとしている、そしてこの間の金融危機に際して、各国政府
  が行った、あるいは行おうとしている「国有化」は、大資本救済のための「国有化」
  であって、決して労働者や民衆のための国有化や公的管理ではない。
   
   かつて日本でも旧・日本長期信用銀行(長銀、現・新生銀行)の一時的「国有化」
  が行われたが、1998年に経営破たんした旧・長銀は、一時、「国有化」され、公的
  資金は約8兆円投入され、そのうち4兆円以上が国民の税金で穴埋めされ、
  「再建」した後、2000年に、米リップルウッド社らの投資組合、パートナーズ社に
  たった十億円で叩き売られた。
   またりそな銀行は、現在でも国がその株式の大半を所有する実質「国有銀行」
  であるが、貸し渋り、貸し剥がし等、その金融機関としての行動において、他の商業金融機関と果たして違いがあるのだろうか。
   
   国民の巨額な税金を使って再建する以上、真に公的な管理の下で、そこで働く
  労働者や国民のための、新たな「再建」を行うべきである。徹底したリストラで
  労働者や地域社会に犠牲を強いるのではなく、また石油を大量に浪費し、大量の
  CO2を排出してきた自動車産業の在り方そのものを問い直し、産業構造自体を
  変革してゆくべきである。オバマは「グリーンニューディール」ということを主張して
  いるが、単なる「エコカー」の育成にとどまらず、マイカー中心の交通体系から
  公共交通機関重視の交通システムへの転換をも含む、産業、経済、社会の全体
  の変革の梃子ともなりうるように「国有企業」GMを変革すべきである。
   
   もちろん旧ソ連・東欧圏や毛沢東時代の中国における「国有企業」、「国営企業」
  の問題点も明らかなので、その官僚主義や上意下達型の集権主義、非効率
  (但し現場の労働者に労働強化を押し付け、利潤の極大化を図ることが「効率化」
  ではない)等、その管理の在り方は十分に検討、改善すべきであるが、社会の
  基幹的生産手段が、私的に所有、管理されるべきではない。それは、公的に、
  労働者や民衆によって、労働者や民衆のために管理されるべきである。
   
   
   
 

 
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