[CML 000824] FW:「PRTは民心把握の軍事活動である」
長船青治
sosafune1 at mac.com
2009年 7月 28日 (火) 07:07:23 JST
長船です。
私もテレビで見ました。
外務省職員の若いひよっこでもなくかと言ってバリバリの中年というわ
けでもない
容姿端麗だけどやや引きつった感じの女性が彼女の倍くらいの背丈の米
軍の迷彩服
に自動小銃のバリバリたちに守られながらする文民支援の映像で何処か
小学校を訪
れて何かプレゼントを配っている奇妙な印象を受けるシーンでした。
「9条改憲阻止の会・ML」から転載許可を得て転送します。
ペシャワール会事務局長、福元満治氏から寄せられたメッセージの紹介
去る6月2日、船橋市で開催した「福元満治ペシャワール会事務局長講
演会」は
220名の方の参加を得、盛会でした。
過日、福元事務局長に、「この集いの参会者にカンパへの礼状と報告書
を出すので、
そこに福元さんの900字ほどのメッセージを同封したい。中身につい
ては、政府が
進めるPRT(地域復興支援策)へのペシャワール会の見解を述べたも
のにして欲し
い」との申し入れを行いました。
氏からは早速、「PRTは民心把握の軍事活動である」と題する約12
00字の稿が
届きました。
先験的な反戦、非戦論からする「自衛隊のアフガン派兵反対」ではな
い、アフガン民
衆にとって自衛隊派兵とは何かを視座に据えたペシャワール会ならでは
の「派兵反対」
の訴えに、深く耳を傾けさせられます。
これこそ派兵に反対する9条改憲阻止の会のよって立つ立場であると考
えられますので、
ここに転記いたすこととしました。
長文ですが、お目とおしいただければと存じます。
斉藤政明
「PRTは民心把握の軍事活動である 福元満治」 以下はメッ
セージ本文
先日、日本のPRT(地域復興支援策)参加についてNHKで報道され
た。
このプロジェクトはアフガニスタンの北部で、リトアニア軍と協力し
て、日本の民間人
(外務省関係者)が民政支援(小学校建設のための調査)を行うという
ものである。
報道のトーンは、PRT参加は国際社会における日本の積極的な復興支
援策として評価
される、というものであった。
日本が軍民一体のPRTに参加するに至る経過には伏線がある。それは
安倍首相の時代
に遡るが、首相がNATO本部に出向いた時に、PRTへの自衛隊参加
を約束したこと
があった。ところが憲法の制約上自衛隊はアフガニスタンに出せなかっ
た。
今回のことは、外務省職員を出すことで、その約束に対する対面を繕っ
たということだ
と推測される。本音はリトアニア軍ではなく自衛隊と外務省職員をセッ
トで出したかった
ということである。
ところが、PRT(Province Reconstruction
Team地域復
興チーム)といっても、どれほどの人がそれをご存知だろうか。
日本の評論家は、治安の不安定な地域(戦闘地域は除く)、特に軍事的
な脅威にさらされ
る医療や教育、農業支援事業等が困難な地域において、軍の安全確保の
支援を受けながら
民生支援を行う軍民一体の復興事業をPRTと定義している。
どちらかというと民政支援が主体とみる。
しかし実態としては、民生支援が主体ではなくあくまでも軍事作戦をス
ムーズに遂行する
ための医療活動や教育支援である。
それは外国軍に敵意を持つ民間人対策であり、民心把握、情報確保のた
めの手段である。
主体はあくまでも軍事活動である。
もともとの発案者は米軍だが、NATO軍がそれを引き継いだのである。
本来ならば、リトアニア軍との共同作戦を日本の新たな国際貢献などと
いわずとも、日本
政府はこれまでアフガニスタンに対して1800億円以上の民政支援を
行っているはずで
ある。そちらをもっと積極的に広報すれば、PRTへの参加問題など出
てくるはずがない。
つまり深読みすれば今回の外務省のPRT参加は、自衛隊派兵への布石
と見たほうがよい。
さらに言うと、米軍やNATO軍との軍民一体のプロジェクトが横行す
れば、私たちのよ
うなNGOの活動もそれらと同根とみなされ、反政府勢力のターゲット
になる可能性が出
てくる。
その上、PRTには利権が絡むのである。金欲しさや現地の有力者や業
者が必要もないプ
ロジェクトを外国軍にもちかけ、現地の農民たちに災いをもたらしてい
る事例をいくつも
経験している。
人道支援や民政支援という言葉で粉飾されたPRTの本質を、見誤って
はならないというこ
とである。
(2009、7、8)
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長船青治
http://www.jca.apc.org/~pencil/
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