[CML 000786] Re: 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」映画祭〜トーク&映像上映〜のご案内(転載)

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2009年 7月 24日 (金) 14:54:56 JST


標記の映画祭のうち『出草之歌』(井上修監督)について少しばかりの補足情報です。

この『出草之歌』は昨年のゆふいん文化・記録映画祭で私も鑑賞しましたが、同映画上映後の
シンポジウム・トークで監督の井上修さんのお話をお聴きする機会がありました。

本来このシンポジウム・トークは『出草之歌』の監督の井上修さんと『水俣』の映画監督の土本
典昭さんの対談が予定されていましたが、土本さんご危篤の報があってそれはかないません
でした。土本監督は同映画祭が終わるのを待つように翌月の6月に故人となられました。享年
79歳でした。

そういうことがあったので、その対談の埋め合わせとして同映画祭会場に用意されていたのが
下記に紹介させていただこうと思う井上さんと土本さんの対談記録です。土本さんの台湾認識
に関する反省的で真摯な話しぶりが印象的です。あらためて大切な人を喪くしてしまったという
思いが強くこみ上げてきます(私は土本さんとは都合四度ほどお会いすることがありました)。

そういう次第で以下、井上さんと土本さんの対談記録を紹介させていただこうと思うのですが、
下記対談で土本さんが話題にされる高金素梅さんについて、また靖国抗議運動について、現
地宣教師として15年間台湾原住民族と接してこられた牧師の方が現地に詳しいからこその
疑義を提出されています。一筋縄ではいかないこの問題を考えるにあたって大変参考になる
ご意見です。井上・土本対談の後にこの方のご意見も一部引用させていただこうと思います。

あわせてご参照いただければ幸いです.

【引用1】
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■『出草之歌 台湾原住民の吶喊(とっかん)背山一戦(ぺいさんいつぁん)』をめぐって
対談/井上修×土本典昭(「思想運動」紙 2006年5月15日付)

日本人の台湾への無理解を打ち破る

土本:ぼくがこの(『出草之歌』を観た時、まず思ったのは、ぼく自身の台湾観が実に曖昧だ
ったということでした。映画の中で高金素梅さんは「われわれは二度侵略を受けた」と言いま
すね。その五一年におよぶ日本の支配の最初の頃には、何回にもわたる攻撃で原住民の
多くが殺された。二回目の侵略とは皇民化教育のことで、原住民の戦闘能力の高さを買わ
れて"日本人として畧鐓譴帽圓され、あげくのはてに靖国神社に葬られる。そうしたことは
これまであまり知らされてこなかったと思う。観ていて、そのことを非常に恥ずかしく思いまし
た。

井上:台湾の情報はあまり入ってきませんし、七二年の日中国交回復以来、台湾のことを語
ることは、日本の知識人・文化人にとって御法度でしたからね。

土本:いつのまにか、ぼくもその一員でした。そうしたことへの驚きがあったから、ほんとうに
惹きつけられてこの映画を観た。かれら原住民の知性、そして奥深さには驚きました。かれ
らは、四〇万の原住民だけでは権利獲得運動を闘えないから、漢民族、日本人といった世
界の人々と結びつかなければならない、と考えている。疎外・迫害されている民族全体が自
分たちの仲間だと。人種主義じゃないんですね。

井上:あの考え方はほんとうにびっくりですよ。

土本:どういう闘いのなかからそうした発想が生まれてきたのかといえば、かれらの社会の
伝統に根ざした、他人と争わないで分配を重んじる考え方と、台湾に戒厳令がなくなって後
の九〇年代ころからだと思うけれど、急速に社会意識にめざめた原住民が自覚的な問いか
けを続けてきたからだと思う。それによって靖国抗議運動についても、実に高いレベルで闘
いが組まれている。「自分たちの先祖の魂を返せ。まだ日本は主人ヅラしているのか」誰に
でも分かる理屈ですよ。しかも裁判で請求している賠償金は一万円でただも同然で、そこに
は実に精神的な表現がある。かれら原住民はほんとうに尊敬すべき人々だと思った。その、
かれらの美しくて高みのある精神を伝えようとするあなたの思いが、ぼくにも伝わり、新しい
見方を持った作家の出現を感じました。
(以下、省略)
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【引用2】
━━━━━━━━━━━━━━━━
■台湾で15年間宣教師をされていたとある牧師さまからのメールより(一部引用)

台湾の民主化および原住民権利回復運動は、戒厳令下において始まり、特に1987年7月
15日の戒厳令解除以降に、まず台湾の民主化より大きなうねりとなって動きました。
(詳しくは、私の友人柳本通彦の著書『台湾革命』集英社新書)

そして、その波に乗って、少し遅れて、90年初頭に、原住民権利回復運動が表面化し、大
きく展開して行きました。

「犠牲」と「団結」をもって進めて行きました。 
(私もよくデモに参加していました。私は運動の中心団体だった委員会の委員であったた
め、運動のリーダーで私の知人マヤオ・クムー牧師を涙と祈りで牢に送り出すこともありま
した。)

そうして、勝ち取ったのが、憲法における原住民の名称変更や各種の政治改革です。

現代では、原住民であることを隠す必要もなく、優待を多く得れる社会状況に変わりまし
た。

このような、言わば以前に比べると、かなりよくなった時代になってから、女優から議員と
して出馬し、政治の世界に現われたきたのが、高金素梅氏です。

ということで、私は高氏の在り方について北海道新聞の記者から取材を受けたこともある
のですが、高氏は、台湾原住民の方々を代表する方でもなく、代表する声を発しているわ
けでもなく異質で、オリンピックにおける中国(台湾原住民族を中国の少数民族と観る立
場)への協力で、台湾原住民の立場からすると、非常に問題視された方です。高氏のお
父さんは、外省人(国民党により戦後大陸なら来た漢民族。台湾を中国の一部と観る根
強い感覚の方々の多いグループで、台湾国内で一番半日感情が強い方々)です。これら
の点、御注意の上、様子を見て下されば、幸いです。一般的に台湾原住民は、靖国問題
で声を上げることはしました。そこには、台湾原住民の素朴さと日本に対する複雑な気持
ちが混在しているかと思います。

とは言え、高氏が述べた「二度侵略を受けた」という表現は、意義があります。私の友人
の故郷マレッパでは、青年たちの半分以上が戦死してしまい、台湾に帰って来ませんで
した。

台湾における市民運動は、運動者自身が運動によって利益を被る状況ではなく、運動
によって犠牲を生む状態下において「犠牲を覚悟で」、思想信条を超えて「団結した」時
代に、国をひっくり返すほどに発展しました。(その後において、利益を被る時代となりま
した。)

台湾の民主化と原住民権利回復運動を振り返るとき、次のことを思います。

現代日本において平和の声を挙げることは、犠牲や危険こそあれ、利益はありません。
こうして打っているメイル文もどこでどう転送して利用されるか、わかりません。しかし、
むしろ、こういう時代にこそ、純粋な思いの者たちの心が「犠牲を覚悟で」「団結」でき、
目標獲得に向かって進んでいけることを覚えます。 分裂を避け、一致して進みたいも
のです。
━━━━━━━━━━━━━━━━

東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp

----- Original Message ----- 
From: <skurbys at yahoo.co.jp>
To: <cml at list.jca.apc.org>
Cc: <wsfj at list.jca.apc.org>
Sent: Wednesday, July 22, 2009 12:37 PM
Subject: [CML 000749] 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」映画祭〜トーク&映像上映〜のご案内(転載)


> 紅林進と申します。
>  下記、ヤスクニ・キャンドル行動実行委員会からの案内を転載させていただきます。
>
>
>  <転送歓迎>
> ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
>
>     「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」映画祭〜トーク&映像上映〜
>
> とき:7月25日(土)、26日(日)
>
> 場所:港勤労福祉会館集会室(第一洋室)
> http://www.city.minato.tokyo.jp/sisetu/syoko/kinro/index.html
>    東京都港区芝5-18-2  Tel:03-3455-6381.
>      最寄り駅:地下鉄浅草線・三田線「三田駅」(A7出口)より徒歩1分
>
> 上映協力券:1000円(2日間有効)
>
> 主催:「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」キャンドル行動実行委員会
>
> ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
>
> 7月25日(土)
> 13:00      開場
> 13:30〜14:00    トーク 荒井信一(日本の戦争責任資料」センター
>                              共同代表)
> 14:00〜14:20   『靖国神社』 制作 皆川芳造
> 14:20〜14:35   『学徒出陣』1943年 文部省映画
> 14:35〜14:50      休憩
> 14:50〜17:20     『出草之歌』上映
> 17:20〜17:35      トーク 井上修(『出草之歌』制作者)
> 17:35〜17:50       休憩
> 17:50〜19:50      『アンニョン さよなら』 上映
> 19:50〜20:20       トーク  丁智恵
>          (映画「あんにょん・サヨナラ」日韓コーディネーター)
> 20:20〜21:20      『生命之歌』
>
> 7月26日(日)
> 13:00          開場
> 13:30〜14:00      トーク 張雲暉(映画『靖国』のプロデューサー)
>                VS辻子実(キャンドル行動共同代表) 
> 14:00〜16:30      『靖国』上映
> ---------------------------------------------------------------------
> 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」映画祭〜トーク&映像上映
> 補足説明
>
> 7月25日(土) 港区勤労福祉会館
> 【トーク】荒井信一(日本の戦争責任資料センター共同代表) 
>
> 靖國神社
> (20分、モノクローム1939年 皆川芳造作品 指導監督 陸軍省情報部)
>  「日本文化映画年鑑(昭和15年版)」の作品紹介には「一般の人々は
> 如何に靖国神社への尊敬を抱くべきか、その正統な認識を得て敬神の
> 念の指導を志したもの」とある。靖国神社の歴史と戊辰戦争から日清・
> 日露戦争、満州事変、支那事変にいたる戦史を重ね合わせて構成し、
> 昭和14年10月の例大祭でしめくくった作品。
> 〜「戦時下のスクリーン・発掘された国策映画」より〜   
> 1939年というと前年に国家総動員令が発令、翌年には日独伊三国軍
> 事同盟が結ばれる。昭和13年10月例大祭で1回の合祀者は1万柱を超えた。大量戦
> 死への序曲である。
>
>
> 学徒出陣 
> (15分 モノクローム 1943年 文部省作品)  昭和18年10月21日神宮外苑
> 競技場で催された「出陣学徒壮行大会」の公式記録映画。当時のニュ
> ース映画で話題を呼んだ悲壮感ただよう雨中の行進をはじめ、当日の
> プログラムを現場の音声を含めて忠実に記録した貴重な映像である。
> 〜「戦時下のスクリーン・発掘された国策映画」より〜
> 1943年9月、当時の首相・東条英機は「国民に告ぐ」を発表、人的物的根こそぎ
> 動員体制を宣言。学徒出陣は始まった。1944年春、秋の合祀者は夫々2万柱に
> 迫った。餓死した「英霊」たちであり、餓島(ガダルカナル)、墓島(ボーゲン
> ビル)靖国街道白骨街道(インパール作戦はそう呼ばれた)となっていく。
>
>
>
> 出草之歌―台湾原住民の吶喊 背山一戦―
> (112分 2005年作品 撮影・制作 井上修)
>
> 2002年夏、彼らはこともあろうにあの「神聖」な靖国神社の境内で伝統的な歌と
> 踊りで靖国神社に対する抗議活動を展開していたのだ。この‘バチ当り’はきっ
>> 只者じゃないと直感した。音楽ドキュメンタリービデオ「出草之歌」がスタート
> した。誇り持って自らを原住民と呼ぶ。
> 原住民タイヤル族で台湾立法院(国会)委員・高金素梅(チワス・アリ)、原住
> 民音楽グループ「飛魚雲豹音楽工団」。彼らは「祖先の魂が未だ日本にあること
> はとても耐えられない。なぜなら、私たちは日本人でないからだ。」との明快な
> 主張をもって、祖霊奪還の戦いを挑む。(井上)
> 山形国際ドキュメンタリー映画祭2005招待作品/2007年度キネマ旬報文化映画ベ
> ストテン第5位/日本映画ペンクラブ映画賞文化映画第4位ほか        
> DVD発売中
>
> 【トーク】井上修(「出草之歌―台湾原住民の吶喊 背山一戦―」撮影・制作                             者) 
> 
>
>
>
>
> あんにょん・サヨナラ
> (107分 2003年作品 監督:キム・テイル 日韓共同制作作品)
> 「最後に一つ〜必ず私の手でしなければならないことがまだ残っている。」イ・
> ヒジャの父は、アジア太平洋戦争中に日本軍に徴用され、45年6月中国で戦死し
> た。日本政府から一片の戦死通知もなく、靖国神社だけには勝手に合祀されてい
> た。父の命日に父が戦死した場所へ旅するイヒジャを追い、韓国人にとっての靖
> 国合祀の意味を問う。墓石にアボジの名前を彫れるその日まで。この映画は、戦
> 後60年のその年に、戦争を知らない日韓の共同クルーによる共同プロジェクトと
> して制作された作品。
> 2005年釜山国際映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞(ウンパ賞)受賞/2005年
> ソウル独立映画祭再考栄誉賞受賞/山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波
> 万波特別招待作品ほか  DVD発売中(日本語版、日韓両国版、映画版、バリア
> フリー版等)
>
> 【トーク】丁智恵(映画「あんにょん・サヨナラ」日韓コーディネーター)
>
>
> 生命の歌(本邦初公開)
> 台湾原住民族について、私たちはどれ程のことを知っているだろうか?
> 侵略と抵抗の末、植民地から「同化」、さらには「皇民化」によって、
> 民族の歴史と文化を奪われた台湾原住民族の末裔たちは「高砂義勇隊」として
> 船上の藻屑と化すことを強いられ、その魂でさえ故郷に帰ることなく、「靖国」
> に囚われた。私たちは、このことにあまりにも鈍感ではなかったのか?!
> 日本初公開となる「生命之歌」は、こうした台湾原住民族の、いわば第三世代に
> 属する人々の、民族に脈々と伝わる自然と祖先の魂を頌える叙事詩であり、歴史
> と真実と公道を取り戻すための闘いの開始を告げる激しい烽火である。
>
>
>
> 7月26日(日) 港区勤労福祉会館
>
> 【トーク】張雲暉(映画「靖國」プロジューサー)VS 辻子実(「靖国の闇によ
> うこそ」著者)
>
>
> 靖國YASUKUNI
> (2008年作品 監督:リ・イン 日本芸術文化振興基金助成作品)
>
> 「靖国神社」には、もう一つの日本の顔がある。日本人にとって複雑な思いを
> 抱かされる、アジアでの戦争の記憶をめぐる歴史だ。
> 日常は平穏そのものだが、毎年8月15日になるとそこは奇妙な祝祭的空間に変貌
> する。旧日本軍の軍服を着て「天皇陛下万歳」と猛々しく叫ぶ人たち・・・日本
> 政府に「勝手に合祀された魂を返せ」と迫る台湾や韓国の遺族たち。狂乱の様相
> を呈する靖国神社の10年にわたる記録映像から、アジアでの戦争の記憶が、観る
> ものの胸を焦がすように多くを問いかけながら鮮やかによみがえってる。・・・
> 「二度と平和を侵してはならない」という思いを観るものの胸に深く刻みなが
> ら、日々の暮らしが眠る夜の東京の空襲で、映画は静かに終幕を迎える。
> (公式ホームページより)  
>
>
>               
>
>  また8月7日(金)には下記のシンポジウム、8月8日(土)には上野公園水上音楽堂
>  においてコンサート/被害者証言とその後のキャンドル・デモが行われます。
>
>  「2009 平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動−東アジアからヤスクニを見る」
>  (1)シンポジウム
>   1)開催日時:8月7日(金) 午後6時30分〜8時30分 (開場:午後6時)
>   2)開催場所:日本弁護士会館クレオ (地下鉄・霞ヶ関駅下車)
>   3)報告者:
>     報告1 ノーハプサ!勝手に合祀
>           報告者=南 相九氏(韓国・東北アジア歴史財団研究員)
>     報告2 沖縄戦 2歳の子どもが英霊?
>           報告者=石原 昌家氏(沖縄国際大学教授)
>     報告3 台湾原住民がなぜ靖国に
>           報告者=高金素梅氏(台湾立法院議員)
>     報告4 戦死者の追悼−その日独比較
>           報告者=シュテファン・ゼーベル氏(東京大学総合文化研究科博士課程)
>
>  (2)コンサート/被害者証言
>   1)開催日時:8月8日(土) 午後2時〜6時  (開場:午後1時半)
>   2)開催場所:上野公園水上音楽堂 (上野駅から徒歩7〜8分)
>   3)コンサート−飛魚雲豹音楽工団(台湾)
>           権海孝、ソン・ビョンフィ、慶熙大学「希望(ヒマン)」(韓国)
>          「月桃の花 歌舞団」、生田卍、寿
>   4)被害者証言−韓国・台湾・沖縄・日本の遺族等
>
>  (3)キャンドル・デモ
>   実施日時:8月8日(土) コンサート終了後
>
>
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