[CML 000658] 「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」の廃案を強く求める市民の共同声明
加賀谷いそみ
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2009年 7月 13日 (月) 13:51:16 JST
転載歓迎
【全国のみなさんへの緊急の訴え】
「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」の廃案を強く求める市民の
共同声明にどうかご賛同下さい。
市民の共同声明運動事務局 奥田恭子・加賀谷いそみ・井上澄夫
2009年7月13日
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の核をめぐって北東アジアの軍事的
・政治的緊張が極度に高まっています。私たちはすべての核兵器の廃絶を求める
立場から、北朝鮮の核実験に強く抗議します。しかし国連安保理常任理事国(米
・ロ・中・仏・英の「核クラブ」)が核を独占し、他の国ぐにには核保有を許さ
ないという、あからさまに不平等なNPT(核不拡散条約)体制に不満な国ぐに
が核を持とうとする動きは、「核クラブ」が率先してどんどん核軍縮を進めない
限り、押しとどめようがないでしょう。
しかも日本政府は、広島・長崎への原爆投下責任を米国政府に問うこともせず、
米国の「核の傘」に依存しつつ、北朝鮮への制裁の強化に奔走し、北朝鮮船舶に
対する海上自衛隊による臨検を法制化しようとしています。「北朝鮮特定貨物検
査特措法案」は、麻生首相が強調する「北朝鮮と戦うべき時は戦うという覚悟」
(6月7日の都内での街頭演説)から生まれたものですが、そのような姿勢が明々
白々たる憲法9条違反であることは言うまでもありません。
しかし麻生政権は風前の灯火であり、政局は底深く動揺・流動を始めているた
め、問題の法案を廃案に追い込むことは不可能ではないと、私たちは考えます。
戦争を挑発する危険な法案を葬り去るため、あきらめを友とすることなく、《市
民の平和力》をともに発揮しようではありませんか。
日清戦争のときは、「チャンチャン坊主をやっつけろ」という排外感情が、日
露戦争のときには「恐露病」がこの国を覆い尽くしました。排外主義の煽動に抗
し、戦争を起こさせないため、今こそ声をあげましょう。事態が急迫しているの
で、上記の3人が全国のみなさんにアピールを発します。
どうか至急ご賛同下さるよう、心から訴えます。ご賛同の要領と「市民の共同
声明」を以下に記します。
◆【ご賛同について】 賛同は、個人・団体を問いません。個人の場合は氏名
(フルネーム)と大まかな住所(たとえば愛知県名古屋市など)、団体の場合は
正式名称をお知らせ下さい。
◆【声明のあて先と提出の仕方】
「市民の共同声明」は、麻生首相と自民・公明両党に送られます。事態が急迫
しているので、個人・団体の賛同が10件に達し次第、次々に、麻生首相と自民
・公明両党に送ります。
◆【ご賛同の期限について】 政局が極端に流動しているので、国会で法案の審議
がどうなるか、まったく予断を許しません。ですから、当面、締めきりは設けま
せん。
◆【賛同表明の通知先】 下のメールアドレスにご送信下さい。この共同声明へ
の賛同表明の集約を目的とした専用メルアドです。
●rinkensosi at mbn.nifty.com
■ ■ ■ ■ ■
以下、声明です。
●「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」の廃案を強く求める市民の
共同声明
政府は7月7日、「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」を衆議院
に提出しました。私たちは、同法案は朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)
の船舶との戦闘を惹き起す危険性をはらみ、すでに緊迫の度を強めている北東ア
ジアの平和をいっそう危うくすると考え、政府に対し同法案の廃案を強く求めま
す。
法案は「国連安保理決議1874等を踏まえ、決議の実効性を確保する」とし
ていますが、厳密な規定を欠くあいまいな規定を含んでいます。たとえば「検査
等の措置」の実施については、対象船舶に「北朝鮮特定貨物を積載していると認
めるに足りる相当の理由があるとき」を要件とするとしていますが、そもそも
「北朝鮮特定貨物」とは何であるかが明記されていません。しかも「認めるに足
りる相当の理由がある」ことをどのような情報に基づいて判断するのかは規定さ
れていません。これでは法の恣意的な運用をあらかじめ想定していると言わざる
を得ません。
法案では領海および公海における検査(臨検)の実施主体を海上保安庁として
いますが、「特別の事情がある場合」は自衛隊に自衛隊法82条に基づく「海上
警備行動」が発令されるとしています。政府・与党は「特別な事情」として「対
象船舶が重武装している」などのケースを想定していますが、「重武装」がどの
程度の武装なのかは明らかではありません。しかも警戒監視や情報収集、追尾を
自衛隊が担うとしています。先に強引に成立させられた海賊対処法も同じですが、
これは、表向きは海上保安庁を前面に押し出しながら、実際には海上自衛隊が北
朝鮮船舶を臨検するということに他なりません。
検査(臨検)にあたっては「公海上では旗国(対象船舶所属国)の同意がなけ
ればできない」とされていますが、船舶はそれ自体一つの国なのですから、それ
を重武装した海上自衛隊艦艇が臨検することが「旗国」への侵略行為と受け取ら
れるのは必至です。その場合、双方のにらみあいが戦闘に発展する可能性は容易
に予想できます。同法案は、「国の交戦権を否認」している憲法9条2項を踏み
にじる明白な違憲立法です。
しかも同法案は特別措置法と銘打っていますが、新旧のテロ対策特措法やイラ
ク特措法のような時限立法ではないので、軍事的緊張を高める臨検がいつ終わる
か不明です。そのうえこれも海賊対処法と同様、法案には国会の事前承認が規定
されていません。同法案は「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起る」危険性
を飛躍的に高めます。
私たちは、現在高まっている北東アジアの緊張はどこまでも話し合いによって
解消されるべきであると考えます。今回の特別措置法は戦闘(戦争)を挑発し、
事態をいよいよ深刻にし、解決を遅らせるばかりです。
私たちは日本政府に対し、「北朝鮮特定貨物の検査等に関する特別措置法案」
を廃案にするよう、強く要求します。
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