[CML 000624] 千葉県議会 自民党がNスペ「シリーズJAPANデビュー」を攻撃する意見書を提出、採択

higashimoto takashi taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2009年 7月 9日 (木) 12:57:20 JST


千葉県議の川本幸立さん(市民ネットワーク千葉県)からの情報によれば、自民党は、昨日の8日
に閉会した千葉県議会6月議会にNスペ「シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」
(4月5日放送)に関して「NHKへの偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書案」なるも
のを提出し、同意見書は、過半数を占める自民党の賛成多数(他会派はすべて反対)で採択され
たということです。

上記は議会の多数派の立場を悪用した右翼勢力の隠微なジャーナリズム攻撃(当面、NHK攻撃
を照準にしています)にほかならないというべきですが、悪貨は良貨を駆逐する、というグレシャム
の有名な喩えもあります。さらに他県に拡大していく恐れがあります。

このような事態の拡大は断固阻止しなければなりません。

以下、上記の千葉県議会自民党意見書への反対討論を行った小宮清子県議(市民ネット・社民・
無所属)の同反対討論原稿です。転載させていただきます。

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●千葉県議会での自民党意見書への反対討論09年7月9日(市民ネット・社民・無所属会派)

発議案第7号「NHKへの偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書案」への反対討論を行います。

放送法には、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」など3点の原則の下に、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」とされています。

NHK番組のいわゆる「偏向」問題で思い起こされるのは、2001年1月放送の旧日本軍の戦時性暴力いわゆる「従軍慰安婦」を取り上げたNHK特集番組を巡る番組改編問題です。

「従軍慰安婦」問題に軍の関与を認めた93年のいわゆる「河野談話」を否定する立場の安倍晋三氏や中川昭一氏ら自民党議員はNHK幹部と面会し圧力をかけ番組の主旨を骨抜きにしました。

この問題について今年4月28日、放送倫理・番組向上機構(BOP)の「放送倫理検証委員会」は、与党政治家との面談自体が「視聴者がNHKに寄せる自主・自律への期待と信頼に対する疑念を起こさせる」と判断し、内容を修正削除したことについても「放送人の倫理として、目指すべき質の追求という番組制作の大前提をないがしろにするもの」と指摘しました。圧力に屈して放送法に定める「不偏不党、真実及び自律の保障」を怠ったNHKを厳しく批判したのです。

今回の発議案の根底にあるのは日本の植民地時代の「台湾統治」の認識を巡るものであり、8年前の「従軍慰安婦」問題と同じく、93年の「河野談話」のみならず、過去の植民地支配と侵略戦争を反省し独善的なナショナリズムを排することを宣言した95年のいわゆる「村山談話」で示された政府の公式の歴史認識に対する抵抗の姿勢です。

6月に設立された「公共放送のあり方について考える議員の会」には安倍、中川両氏も参加し会長の古屋圭司衆院議員は8年前の「従軍慰安婦」問題や「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」でもこの2人と行動を共にした方です。

発議案では、「日台戦争」はでっちあげ、日本統治時代の良い面、台湾近代化の基盤づくりに貢献した史実が全く無視されている、ということが番組が「公正、公平」ではない理由とされています。これについては、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の質問状、それに対するNHKの回答、6月17日付のNHKのシリーズ・JAPANデビュー第1回「アジアの一等国」に関しての説明を読みましたが、発議案に述べるような根拠を認めることはできません。

さて、「従軍慰安婦」問題は世界各地で重大な人権侵害として日本政府に問題解決を求めています。2007年にはアメリカ下院、カナダ下院、オランダ下院、欧州議会、昨年は韓国国会女性委員会、台湾議会で決議されました。

また、6月22日の毎日新聞は「米捕虜ら800人犠牲「死の行進」」「日本68年目の謝罪」を報じています。第2次世界大戦中の1942年、旧日本軍がフィリピン・バターン半島で米兵捕虜ら1万人以上を約100遡詰やり歩かせ、約800人の犠牲者をだしたことについて、藤崎一郎駐米大使が元捕虜団体の会合に出席し、日本政府としてはじめて謝罪し、先の戦争に対する歴史認識を示しました。

日本が行った植民地支配、侵略の実態を直視することが未来に続く道です。

本発議案こそ、放送法に定める「不偏不党、真実及び自律の保障」からの逸脱をNHKに求めるものであり、その根底には「河野談話」「村山談話」の2つの政府見解で示された歴史認識をも否定するものがあります。

以上の理由により本発議案に反対します。
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東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp




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