[CML 000575] Re: 台湾の人々はどう見ているのか
higashimoto takashi
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
2009年 7月 4日 (土) 19:29:56 JST
坂井さん、コメントありがとうございます。
AML時代のメールでも述べたことがあるのですが、私はいまはまったくといってよいほどテレビを
見ない生活をしています。その直接のきっかけは故筑紫哲也さんの「NEWS23」が終焉したこと
です。それまではまがりなりにも家にいるときには23時頃には食卓について(私の夕食は超遅い
のです)一杯やりながらニュースなどを見ていたのですが、筑紫さんの「NEWS23」が終焉して私
として見るべき番組がなくなってしまいました。
もちろん、坂井さんがご紹介されるような「よい特集番組」がときおりあることは承知していますが、
古館伊知郎をメインキャスターとするテレビ朝日系列の「報道ステーション」を含めてニュース番
組の芸能化、劣化は甚だしく、痴呆番組の湯水のような氾濫ともあいまってテレビなるものに食
指が動かなくなって久しいものがあります。テレビメディアへの不信は日ごとに募るばかりです。
そういうしだいで、NHKの「シリーズJAPANデビュー」の第2回、第3回、第4回の番組は私は見
ていません(第1回はYoutubeにアップされているものを見ました)。
だから、「JAPANデビュー」が「司馬遼太郎の歴史観に基づいて制作されている」かどうかにつ
いては私としていまのところ判断しかねるのですが、おそらく坂井さんのご観測のとおりだと思い
ます。そういう匂いだけは私にも嗅ぐことができます。
また、「JAPANデビュー」の評価について、「日本だけで騒いで何の意味があるのだろうか、台
湾の人々がこの番組についてどう思っているのかを知ることが先ではないのか」という坂井さん
のご感想も一面においてそのとおりであると思いますし、よく理解できるのですが、その一面に
おいてというのは番組制作者側の制作スタンス、また番組を見る側の視聴スタンスとしては、日
本人の観点から、いわんや「司馬史観」の観点から「JAPANデビュー」の問題を捉えようとする
のではなく、現地の台湾原住民(差別用語ではありません。台湾の人々は自らのことを誇りを持
って「原住民」と自称しているようです。左記のことは『出草之歌―台湾原住民の吶喊(とっかん)
背山一戦(ぺいさんいつぁん)―』の映画監督の井上修さんのお話を聞く機会があり、そのとき
に井上さんから教えていただきました)の立場、捉え方を最重要視してそれこそ「アジア視点」の
俯瞰から客観的総体的に製作するべきだし、見るべきだという一面において坂井さんのご指摘
はそのとおりであろうと思う、ということです。
ただ、「JAPANデビュー」は第一義的にはわが国の視聴者を想定し、その視聴者向けに製作、
意図されたものであることも確かなことですから、その限りにおいて、元拓殖大総長ら右翼勢力
8389人のNHK提訴、「JAPANデビュー」批判の「非正当性」「欺瞞的な意図」について疑義を
提起し、彼らを反批判することは民主勢力にとってきわめて緊急かつ重要な課題といわなけれ
ばならないように私は思います。
先のメールの最後の部分を最後に再録させていただきます。
戦前の白虹事件以後の私たちの国の歴史を振り返ってみても、ここはおおいにジャーナリズム、
ジャーナリストに奮起していただかなければなりません。この問題は当然のことながらNHKだけ
の問題ではありません。戦争の道に巻き込まれないための私たち市民の問題、私たちの国の
ジャーナリズム、ジャーナリスト全体の問題であろう、と私は愚考します。
東本高志@大分
taka.h77 at basil.ocn.ne.jp
----- Original Message -----
From: "坂井 貴司" <donko at ac.csf.ne.jp>
To: <cml at list.jca.apc.org>
Sent: Friday, July 03, 2009 1:26 AM
Subject: [CML 000541] 台湾の人々はどう見ているのか
> 坂井貴司です。
>
> NHKの「「シリーズJAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」に
> 対して、右翼が「ねつ造だ」・「偏向だ」と攻撃し、訴訟を起こしていることを
> 東本高志さん[CML:000517]知らせてくださいました。
>
> 私は思います。「台湾の人々は『アジアの“一等国”』をどう思っているのだ
> ろうか」と。日本だけで騒いで何の意味があるのだろうか、台湾の人々がこの番
> 組についてどう思っているのかを知ることが先ではないのか、と。
>
> 「ねつ造だ」の、「偏向だの」と言うならば、この番組を台湾で放送して、台
> 湾の人々に反応を知るのが先ではないか、と思います。
>
> なお、私は「シリーズJAPAN」の、第2回「天皇と憲法」、 第3回「通商国
> 家の挫折」、第4回「軍事同盟 国家の戦略」を見ましたけれど、感じたのは、こ
> の番組は今も絶大な人気を誇る歴史小説家司馬遼太郎の歴史観に基づいて制作さ
> れているのではないか、ということです。乱暴な言い方をすれば、日露戦争まで
> の日本人は賢かったが、超大国ロシアに勝ったという驕りからバカになった、と
> いう歴史観です。「坂の上の雲」を目指し、その坂を登り切った所で破滅への道
> を転げ落ちていった、というものです。
>
> 「シリーズJAPAN」は、決してマルクス主義的歴史観で作られたものでは
> ありません。いわゆる「司馬史観」に基づいて作られた番組です。
>
> 坂井貴司
> 福岡県
> E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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