[CML 000539] アジアを考えるための本(12)

Kensaku Kawauchi kenkawauchi at nifty.com
2009年 7月 2日 (木) 21:57:53 JST


 河内謙策と申します。独断と偏見にもとづき、アジアについて論じている最近の本
を取り上げ、勝手な論評を加えていますので、お許し下さい(この情報を重複して受
け取られた方は失礼をお許しください。転送・転載は自由です。)

*田中明彦『ポスト・クライシスの世界』日本経済新聞出版社
 田中明彦は、日本を代表するイデオローグといっても良いと思うが、この本は、
 はっきり言って駄作である。アメリカと中国についての評価が余りにも甘い。
 日米同盟を維持する一方で、できるだけ中国とも仲良くという結論が先ばしり
 すぎているように思う。
*日高義樹『オバマ外交で沈没する日本』徳間書店
 日高が共和党支持であることを割り引いて読めば、オバマの最近の状況も分
 かって面白いし、ペンタゴンが中国の「軍事力」を評価して軍事戦略を修正しつ
 あることも興味深い。ただし、オバマ外交が孤立主義を志向しているという点
 は、私は賛成できない。
*副島隆彦・植草一秀『売国者たちの末路』 祥伝社
 この本は、小泉純一郎や竹中平蔵などのネオリベラリストが結局アメリカの学  
                            説を受け売りし、ある
いは指示どおりに動く売国奴であること、そして、彼らがい   かに卑劣な謀略を
使って日本を支配してきたかを、実名で暴きだしている。これを読むと、日本が「謀
略の時代」に入ったことがよく分かる。私の感想は、「やっぱり、そうだったのか」
ということに尽きる。
*原丈人『新しい資本主義』PHP新書
*神谷秀樹・小幡績『世界経済はこう変わる』光文社新書
 原と神谷の議論は、派手ではないが、アメリカの陥った罠を内部から批判的にみて
いた点で示唆するものが多いこと、今後の新しい経済・資本主義のありかたを着実に
検討していること(“グリーン・ニューディール”賛成の一部論者の軽薄さがないこ
と)で、極めて知的刺激に富んでいる。
*石平『中国大逆流』KKベストセラーズ
 天安門事件参加者の現在の状況を通じて、中国人民のおかれている状況を考察して
いる。彼の考察は冷静で、“08憲章”の将来についても甘いことは言わない。それ
にしても、現在の拝金主義の風潮に反発し、毛沢東を崇拝する新しい潮流が現れてい
るという情報は、私にはショックだった。


河内謙策


Kensaku Kawauchi
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