[CML 002467] 金額訂正と大型ヘリ空母の実態
杉原浩司(Koji Sugihara)
kojis at agate.plala.or.jp
2009年 12月 24日 (木) 23:37:13 JST
【訂正】大型ヘリ空母1隻は<1,178億円>です。
東京の杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)です。
前回送信しました「軍備拡充もたらす予算計上にNOの声を!」と題した
呼びかけメール中に間違いがありました。
「大型ヘリ空母(1,1782億円)」とあるのは(1,178億円)が正しいです。
転送などされる場合は、お手数ですが訂正をお願いします。
……………………… 転送・転載歓迎/重複失礼 …………………………
◇なお、大型ヘリ空母に関しては、12月24日付東京新聞「核心」(半田滋
編集委員)記事が、財務省は「建造費計上を23日時点では認めていない」
と報じる一方で、同24日付毎日新聞(仙石恭記者)は「(政府は)新型護
衛艦の建造費と、新型戦車の整備費を計上する方針を固めた」と伝えてい
ます。いずれにしろ、ぎりぎりの局面であることは間違いありません。
社民党と財務省に踏ん張らせるために、一つでも多くの声を大至急集中し
てください。福島党首(消費者相)と藤井財務相への要請にぜひご協力く
ださい。
◆福島瑞穂社民党党首(消費者相)
(FAX)03-3500-4640 (TEL)03-3508-8506
(E-mail) http://www.mizuhoto.org/04/iken.php
◆藤井裕久財務相
(FAX)03-3508-3427 (TEL)03-3508-7127
(E-mail) info at fujii-hirohisa.jp
【大型ヘリ空母とは何か】
ちなみに、2010年度予算案に計上されようとしている大型ヘリ空母は、
「ヘリコプター搭載型護衛艦(22DDH)」と呼ばれています。全長248
m、基準排水量1万9,500トン。2009年3月に就役したヘリ空母「ひゅうが
(16DDH)」(全長197m、1万3,950トン)を上回る海上自衛隊史上最大
の軍艦です。そのサイズは第二次世界大戦時の米海軍の正規空母「エンタ
ープライズ」に匹敵。ヘリコプターを最大14機搭載でき、同時にヘリ5機
の発着が可能。人員4,000人、トラック50台を運べ、他艦への燃料給油も
可能と言われます。海上自衛隊の護衛艦「しらね」の後継艦とされていま
すが、しらねが全長159m、5,200トン、建造費約400億円だったのに比べて、
基準排水量で4倍、建造費も3倍に達しており、能力面から見ても「後継」
ではなく大幅な機能強化であることは明らかです。
建造の狙いは(1)中国海軍への対応(2)海外派兵への対応 とされてい
ます。前者について防衛省幹部は、潜水艦の監視・捜索や遠距離からの水
上艦の警戒のため、と説明。後者については、国内外の大規模災害への対
応を強調し、「輸送艦と補給艦の機能を兼ね備えた」ため「予算の効率化
にもつながる」と正当化しています(10月27日、朝日)。
しかし、大型ヘリ空母の建造は東アジアにおける海軍力の増強競争を加速
させることは間違いありません。中国が空母建造に入りつつあることは事
実ですが、「空母には空母を」という対応は軍需産業を喜ばせるだけでし
ょう。大型ヘリ空母の受注には、IHIマリンユナイテッド(IHIMU、
IHIの造船部門が分社化)や三菱重工、三井造船、ユニバーサル造船な
どがしのぎを削ると見られています。原子力空母ジョージ・ワシントンの
横須賀母港化の見直しも含めて、現在起きている軍備増強の連鎖を断ち切
るためのイニシアチブ(「東アジア軍縮会議」の呼びかけなど)こそが追
求されるべきでしょう。
財務省は、事業仕分け(「装備品の調達」)でも示した「大綱見直しや次
期中期防を先取りするような装備品の取得は原則として見合わせ、新規後
年度負担を厳しく抑制する必要がある」との方針を貫くべきです。大型ヘ
リ空母、PAC3追加配備、新戦車などの予算計上を認めるべきではあり
ません。
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