[CML 002281] 関西救援ニュース2009年12月

Matsuba Shoichi mauricemerleau at yahoo.co.jp
2009年 12月 11日 (金) 09:49:11 JST


第288号
2009年12月
関西救援連絡センター
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共謀罪は遂に廃案に
最高裁が共謀共同正犯の適用拡大!

 共謀罪は廃案となった。民主党政権下では、共謀罪の再上程はないと考えられる。
 共謀罪新設は遠のいたが、最高裁が共謀共同正犯の適用を拡大する判断を示した。「共謀共同正犯」に関しては、デモの際の現場共謀、あるいはビラを受け取って争議現場に行っただけで「共謀の事実」とされ逮捕、起訴されるといった事案は後を立たないが、さすがにそれだけでは有罪にできない。今回の最高裁の判断は、事実関係ではなく、どんな団体に参加しているかによって、罰せられるというに等しい。
 十月十九日、最高裁判所第二小法廷(中川了滋裁判長)は、銃刀法違反(共同所持)事件で、無罪とした第一審、第二審の判決を破棄し、審理を大阪地裁に差し戻した。この裁判は、ホテルで警護役の組員二人に拳銃を所持させていたとして、山口組の元若頭補佐が銃刀法違反(共同所持)の罪に問われた被疑事件である。
 以前に、組長の銃刀法違反(共同所持)事件で、東京地裁・高裁で有罪判決が出され、二〇〇三年五月一日に最高裁で確定した「スワット事件」がある。この事件では、被告人(組長)が、自分のボディガードの拳銃等の所持については、直接指示を出さずとも、それを認識し認容して、行動を共にしていたことなどを理由に、拳銃所持の共謀共同正犯が成立するとされた。
 今回の事件では、大阪地裁・高裁では、「スワット事件」の最高裁判決の枠組みを前提としても、事実関係から、とうてい共謀共同正犯は成立しないと判断されていた。それにも関わらず、最高裁は新たな証拠調べもしないまま、有罪の判断をしたのである。
 また、最高裁は基本的には法律を審理する裁判所であり、「著しく正義に反する重大な事実誤認がある場合に限って原判決を破棄することができる」と制限されている。
 光事件での差戻し等、最高裁は刑事裁判で様々な基準を勝手に打ち出してきている。
 最高裁の暴走に歯止めをかける必要がある。


裁判員裁判で見えてきた問題点

 九月二日に青森地裁での強盗強姦事件を皮切りに始まった裁判員裁判も、十一月末で八十件程になる。その中で、懸念される問題が出てきている。
 「誰でも、何の知識がなくても裁判員になれます」という触れ込みで、裁判員裁判の広報がなされてきたが、「裁判とは何か」「国家の刑罰権の行使と被告人の防御権の関係」など最低限の知識がなければ、裁判員といえども裁判官であり、国家の刑罰権を行使してはならない。しかし、法的知識のない裁判員に対する裁判官による説示は、あいかわらず担当の裁判官に任されたまま、検証すらなされていない。

被害者のいない犯罪といる
犯罪で、量刑に大きな開き
 覚醒剤の密輸や貨幣の偽造など、被害者がいない事件では求刑を大きく下回る判決が出されている。
 その一方で、被害者のいる事件では、求刑に近い判決となっている。これらの結果をみれば、裁判員が被害者に心情的に傾いている傾向が認められる。
 否認事件の審理も本格的に始まる。否認事件では、被害者参加制度を持ち込むべきではない。
 裁判に引き出された被告人は、有罪か無罪かは判決によって決まるのであり、それまでは有罪ではないということすら、日本では常識になっていない。被害の惨状を見せつけられてもなお、被告人が無罪かも知れないという立場を維持し続けることは困難である。
 否認事件では、被告人は無罪なのだから、反省できるわけがない。それを以て、有罪や重罰の理由にされたのではたまらない。
 また黙秘権という被告人の権利について、裁判員は理解しているのだろうか。被告人がしゃべらないから「むかつく」という裁判員の発言は、黙秘権も知らない裁判員によって裁判がなされているということになる。
 十一月中旬、来年の裁判員候補者に対して、最高裁から通知が発送された。来年は否認事件も増えてくる。この制度の検証が緊急の課題となっている。

全国で最悪の大阪拘置所
死刑確定者処遇に風穴を!!

 「刑事収容施設及び受刑者の処遇等に関する法律(二〇〇六年)」「刑事収容施設及び被収容者の処遇に関する法律(二〇〇七年)」(以下「新処遇法」と略)が施行され、受刑者は、特段の理由がない限り、外部交通(面会や信書の発受)は誰とでも出来るようになったはずである。ところが、宮城刑務所では、住民票等の証明書等を事前に提出しないと、面会できなくなったという。
 新処遇法が施行され、現金や切手の差入れを制限することができなくなった。しかし、旧法の規程に比べて、所長の裁量権よる取扱い範囲が拡がり、矯正施設毎に外部交通の実態に大きな違いが出ている。
 死刑確定者の処遇に関しては、新処遇法においても、依然として数名しか外部交通の相手方として許可されず、弁護士との面会も、一般面会と同様に看守が立ち会うため、再審についても秘密維持ができない状態である。しかし、東京拘置所(以下「東拘」)では、最近少し変化があったようだ。切手や現金の差入れに対して、獄中者本人から礼状が届き始めた。また、外部交通の相手方を大幅に増やすという噂もある。こうした変化の理由については、東拘をモデルにして、法務省はいろいろ試しているのではないかという意見もあるが、一番可能性が高そうな理由は、東拘の施設委員会の活動によるというものである(この委員会は今年三月末に「死刑執行の告知は直前ではなく、執行命令を受理後、速やかにするべきだ」との意見書も出している)。「刑事施設視察委員会」というのは、新処遇法により設置された制度である。視察委員会は弁護士や医師、地方公共団体の職員、市民ら十人以内で構成され、刑事施設ごとに設置されている。 
 大阪拘置所の視察委員会も、二〇〇八年度は八件の意見を出したが、拘置所は実施困難だと拒否している。「死刑確定者の面会相手の許否について、広く認めていただきたい」という意見に対しても「刑事収容施設及び被収容者の処遇に関する法律第一二〇条第二項の規定に照らし、その許否を検討している」との回答である。
 大阪拘置所の確定死刑囚の外部交通の制限は、他の拘置所に比べても際立ってひどい。暑中見舞も、他では入ったようだが、大阪では入らない。和歌山カレー事件の林眞須美氏は、親族と弁護人だけが、外部交通の相手方として許可されている。長期入院中の配偶者からの委任状を持参して面会を申し出たが拒否され、弁護人以外には林眞須美氏と外をつなぐ人がいない状態が続いている。
 「監獄法から刑事収容施設及び被収容者の処遇に関する法律へ」(法務省作成)には、「面会・信書の発受を一定の範囲で保障」「制限要件の明確化」と書かれている。
しかし、大阪拘置所は、外部交通不許可の理由を明確に示さないままである。(データ等、「死刑と人権」から 引用させていただきました。)

『宮城刑務所の外部交通に関する規制』
監獄人権センター通信六一号より
 嵬眠顱θ受信相手先」を親族三十名以内、親族外三十名以内に限って、住所・氏名・生年月日を明記して届け出させる。
◆嵬眠顱θ受信相手先」として届け出た相手について、住所・氏名・生年月日を証明する「疎明資料」(住民票、運転免許証、健康保険証のコピーなど)を予め受刑者から提出させる。
親族についてはこの他に親族関係を証明する「疎明資料」を提出させる。
て呂噂个討い覆ち蠎蠅砲弔い討蓮¬眠颪聾饗Г箸靴撞可しない。
テ呂噂个討い覆ち蠎蠅悗糧信は事前に提出してそのつど許可を受ける。
ζ呂噂个討い覆ち蠎蠅らの受信は審査に時間がかかる。

 刑事収容施設及び被収容者等の
 処遇に関する法律
第百二十条  刑事施設の長は、死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百四十八条第三項又は次節の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。 
一 死刑確定者の親族 
二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の死刑確定者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者 
三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者 
2 刑事施設の長は、死刑確定者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。 

法務省矯正局の「刑事施設視察委員会の活動状況について」より

2008年度の委員の内訳:
弁護士78人、医師75人、自治体職員72人、地域住民等143人

年 度  委員会数 委員数 会議開催数 視察回数 面会件数 提出意見*
2006    743   58人   360回   195回  433件   565件
2007    75   363人   400回   187回  589件   625件
2008    76   368人   398回   207回  598件   659件

*刑事施設長に提出した意見の例
札幌刑務所「被収容者に対して、当委員会の活動状況を情報提供していただきたい」
府中刑務所「被収容者への意見書、提案書の提出手続、方法について改善されたい」
新潟刑務所「被収容者が本委員会に対して忌憚なく意見を述べられる環境の整備に関し、以下の点に十分に配慮し、適切に措置されたい(後略)」
静岡刑務所「最低、年6回の委員会活動を可能とする予算措置を講じられるよう強く要求するものである」
東京拘置所「視察委員会の活動費を保障するよう、法務大臣あてに要請すること」
笠松刑務所「当所視察委員会の開催回数について、前年度より1回増えたが、年間少なくとも6回は必要であることから実現を求めたい」
名古屋拘置所「刑事視察委員会が作成する被収容者向けのA4版1枚程度の「視察委員会活動に関する広報のしおり」を、回覧でなく、各被収容者宛に配布できるよう予算措置を講じられたい」
大阪医療刑務所「視察委員が建物内を一定時間自由に巡回できるような措置を考案すること」
大阪拘置所「施設視察委員会の会議について、現在、年5回とされているものを、来年度からは少なくとも年6回から10回程度に増加していただきたい」「視察委員会制度の周知の徹底のため、当委員会から送付した意見書及び大阪拘置所から回答書を、全被収容者に配布していてだきたい」
山口刑務所「被収容者による提案箱の利用を高める措置を講じられたい」



北海道「空知太・富平神社政教分離裁判」
最高裁大法廷、弁論開かれる
 砂川市が、ゞ知太神社が建つ市有地を管理者である地元町内会に無償貸与(一、二審とも政教分離原則違反の判断)、富平神社の建つ市有地を別の町内会に無償譲渡(一、二審とも合憲の判断)。
 この二つの裁判が最高裁に係属され、四月に大法廷に回付、十二月二日弁論が開かれた。双方の上告受理は既に却下されており、最高裁では憲法判断がなされる予定(裁判長・竹崎博允長官)。なお判決期日は後日指定される。
★判決は来年1月20日15時(12月9日に最高裁から通知がありました。但し未確定)★

十月二九日在韓軍人軍属裁判(GUNGUN)控訴審判決
 戦後の靖国合祀への国の協力は「国の側に一般の国民に対する協力よりも手厚く靖国神社の合祀支援をする意図が全くなかったと言い切れず、その行為の規模の大きさや期間の長さに照らし、一般人がこれを靖国神社を特別に優遇するものではないかと感ずる可能性も否定できない」と指摘しながら、「国と靖国神社が一体となって合祀を行ったと認めることはできない」と原告の控訴を棄却した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「大阪合祀イヤです!訴訟」
 《大阪地裁 二〇二号法廷》
  二月 二日十五時 弁論
   終了後弁護士会館で報告会
  四月二七日十五時 弁論
「東京ノー!ハプサ訴訟」
 《東京地裁 一〇三号法廷》
  十二月二四日十一時 弁論
  三月 八日 十一時 弁論
「沖縄靖国合祀ガッティンナラン訴訟」
 《那覇地裁》
  一月十九日 十三時 
   証人(石原昌家氏)
《傍聴券はいずれも抽籤予定》


公判日程
2月2日	15時	合祀イヤです訴訟	大阪高裁(民)第3回
2月16日	11時	靭・大阪城公園強制排除訴訟	大阪高裁(民)判決
4月27日	15時	合祀イヤです訴訟	大阪高裁(民)第4回
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★11月6日(金)11時から、京都サミット弾圧(失業保険不正受給=詐欺事件)の判決言渡しが京都地裁で行われた。
 判決は2年執行猶予3年(求刑2年)。即日控訴。
★11月17日(火)関生弾圧(関西宇部)の判決は以下の通り(11月26日)。
  N氏/懲役10月未決70日算入執行猶予3年(求刑 懲役1年6月)
  H氏/懲役6月未決70日算執行猶予3年(求刑 懲役1年)
  Y氏/懲役6月未決70日算入執行猶予3年(求刑 懲役1年)
★生活保護申請を行い、その交渉中に、カメラ撮影をしたことで、職務強要罪に問われて、2ヶ月後に令状逮捕されるという事態が起きている(団体交渉ではなく、単独の交渉時)。
  10月27日朝、ユニオンぼちぼちの組合員X氏が、大阪府警により令状逮捕された。この逮捕の際に、自宅およびユニオンぼちぼちの大阪支部(釜ヶ崎医療連)の2ケ所に家宅捜索が行われた。29日に送検、勾留延長の後、11月16日起訴。詳細は、ユニオンぼちぼちのブログで確認を。
  http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/

催し物のご案内
◆学習会
なぜ、会えない なぜ、手紙が届かない
死刑確定囚処遇を考える
報告者:大道寺ちはるさん
 東京拘置所の死刑確定者大道寺将司氏と社会をつなぐ交流誌「キタコブシ」の発信人であり、また親族として面会等を続けている大道寺ちはるさんに、東京拘置所を中心に、拘置所における死刑確定者の外部交通について報告していただき、外部交通に風穴をあけるための有効な手段について検討する。
2009年1月31日(日)13:30〜(開場13:15)
場 所:エルおおさか701号室
大阪市中央区北浜東3-14 Tel.06-6942-0001
・JR東西線「天満宮駅」・地下鉄「南森町駅」より南へ700m
・京阪・地下鉄谷町線「天満橋駅」より西へ300m
・京阪・地下鉄堺筋線「北浜駅」より東へ500m
参加費:800円
主催:死刑廃止フォーラムinおおさか
共催:関西救援連絡センター

◆京都・当番弁護士を支える市民の会/セミナーへのお誘い
セミナー「シリーズ;当番弁護とわたし」
お話: 福島 至 さん(龍谷大学教員、弁護士、当会会員)
日 時:2010年2月9日(火)
    18時30分〜20時30分(開場18時15分)
場 所:京都弁護士会館3F会議室(京都市中京区富小路竹屋町北西角)
※参加費&事前申込みは不要です

 裁判員裁判が始まって、半年近くが経ちました。裁判員裁判以外の裁判にも、様々な変化が現れているようです。
 刑事法の研究者である一方、弁護士活動などを通じて刑事司法に直接かかわっている福島さんに、当会発足前夜からこれまでを振り返りつつ、縦横無尽に語っていただきます。

◆陪審制度を復活する会連続セミナー=陪審制度を学ぶ第11弾=
場所:西本願寺津村別院(北御堂会館)13時半〜16時半
            1回1000円〔学生は無料〕
<申込み先>陪審制度を復活する会事務局
FAX.06‐6365‐1822 E-mail:m-kaba at kabashima-law.jp
1月9日(土) 柳原 浩氏(冤罪被害者)「冤罪・氷見事件に学ぶ」
2月6日(土) 薬師寺公夫教授(立命館大学法学部教授)
         「国際人権規約選択議定書」(個人通報制度の批准について)
3月6日(土) 安田好弘弁護士(第二東京弁護士会)「和歌山カレー事件を再検証する」
7月10日(土) 裁判員制度での担当弁護士を予定「裁判員裁判の検証」

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