[CML 006190] 新刊紹介『竹島/独島問題の平和的解決をめざして』

maeda akira maeda at zokei.ac.jp
2010年 10月 28日 (木) 12:28:32 JST


前田 朗です。

10月28日

新刊紹介です。

このところ尖閣諸島問題が盛り上がっているので、授業で取り上げなければなら
ず、主要文献を集めて読んでいるところです。

他方、竹島/独島問題は,韓国に比べて日本では関心も知識も乏しいのですが、
保守派は世論喚起を訴え、これをうけて、日本政府は中学歴史教科書に記述させ
ることにしました。現在、検定中の中学校社会科教科書には、全てに竹島が掲載
されていると思われます。

これまでこのテーマについては、内藤正中・朴炳渉『竹島=独島論争』(新幹
社)、内藤正中『竹島=独島問題入門』(新幹社)などがあります。

なお、私は尖閣諸島にしても竹島/独島にしても、領土問題自体にはさして興味
がありません。領土観念を支える近代国際法の発想や、「領土ナショナリズム」
が産み出されるメカニズムには興味があります。

さて、下記の本は最新刊です。

池内敏氏はほかにいくつか論文を書いてきていて、それらをまとめた一文です。
日韓両政府見解や諸学説の問題点を簡潔かつ分かりやすく示しています。内藤・
朴説にも若干の批判があります。

許論文以下、韓国側の見解は、独島は韓国領土という前提に立っているものの、
そのことを主張するためではなく、日韓間の齟齬が何故生じてきたのかを問い返
し、日韓友好のためにいかなる議論をするべきなのかを示しています。

俵論文は文部科学省が何をしようとしているのか、学校教科書がニセ「愛国心」
と、敵対意識醸成のために利用されている問題を指摘しています。

コンパクトですぐ読めます。お勧めの1冊です。

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『竹島/独島問題の平和的解決をめざして』(つなん出版、A5判82ページ)
本体価格600円+税=630円


内容
荒井信一/対話による解決が必要
池内敏/竹島/独島の対話を成り立たせるために
許英欄/歴史的真実と国際法的証拠を巡る食い違った見解
俵義文/竹島/独島は日本の教科書にどう書かれているか
李信zn/独島・竹島問題の包括的解決のための提言
石山久男/領土問題を教育でどう扱うべきか
河棕文/歴史認識と教科書における独島問題の位置

紹介のチラシや表紙は下記のHPをご覧ください。
http://www.ne.jp/asahi/tawara/goma/




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