[AML 0444] 【声明】朝鮮民主主義人民共和国への「経済制裁」に反対する
Kenju Watanabe
kenju at mx4.ttcn.ne.jp
2005年 2月 10日 (木) 07:43:45 JST
日韓ネット@渡辺です。
「朝鮮侵略100年、朝鮮解放・分断60年、日韓条約から40年を問う2005年
運動」実行委員会の2月8日付声明をご紹介します。
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【声明】
朝鮮民主主義人民共和国への「経済制裁」に反対する
2005年2月8日
2005年運動実行委員会
(一)
昨年末以来、横田めぐみさんとされる遺骨が日本側のDNA鑑定で「別人のもの」
とされたことにより、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への「経済制裁」論議が一
段と高まっている。
このなかで日本政府は、国連食糧計画(WFP)を通じてなされる予定の人道支援
物資の第二次分を凍結し、「経済制裁の検討」を表明している。また「改定油濁損害
賠償保障法」の3月1日施工に伴う水産資源の取り引きの事実上の制限や、米ブッ
シュ政権に呼応した自民党や民主党などによる「北朝鮮人権法案」の国会上程も取り
沙汰されるに至っている。
私たちは、北朝鮮側に拉致事件の真相解明をはじめ誠意ある対応を強く求めるもの
である。
だが同時に、日朝間の平和な関係を築くことを求めてきた私たちは、深い憂慮を
もってこれら「経済制裁」の動きに強く反対する。その理由は以下の通りである。
(1)湾岸戦争以来、イラクのフセイン政権への経済制裁の結果、医薬品の不足
などにより罪もない多くの子どもや病弱者が真っ先に犠牲となった。北朝鮮に経済制
裁が行われれば、現在の食糧不足とあわせイラクと同様の、あるいはそれ以上の悲惨
な事態が生み出される可能性が強い。WFPを通じておこなわれている人道支援に対
して、「物資の横流し」「横領」などが取り沙汰されているが、WFPのピョンヤン
事務所は「渡るべき人々の所へ確実に渡っている」ことを繰り返し明らかにしてい
る。日本政府の人道支援の凍結は、まさに「人道」に反する政治的行為というべきで
ある。
(2)加えて送金の停止にせよ、船舶の入港禁止にせよ、朝鮮植民地支配と強制
連行などの結果、日本に定住せざるを得なくなった在日朝鮮人にとっても、北朝鮮と
の人的物的な往来そのものに著しい制約をきたすものとなる。これは在日朝鮮人の基
本的人権に対する重大な侵害行為である。またとくに万景峰号は、日本のNGOの人
道支援物資を安価な運賃で運んでいる。この入港を止めることはNGOの努力にも大
きな打撃を与えることになる。
(3)このような制裁や「人権法案」は、拉致事件の解決を含む日朝間の国交正
常化にとって新たな障害を作るもの以外の何ものでもない。「経済制裁」とは、戦争
行為の「一歩手前」というべきものである。一部に、北朝鮮に圧力をさらに強めるこ
とが拉致問題、核問題等の解決につながるという議論があるが、これは誤りであり、
抜き差しならない事態を引き起こしかねない。そのような事態はどうあっても避ける
べきである。
そもそも拉致問題について、北朝鮮側がそれを公式に認め、謝罪を行ったのは日朝
国交正常化をめざして持たれた日朝首脳会談であった。互いに敵対関係に終止符を打
ち、和解と平和、国交正常化と友好関係を築くための交渉の中でこそ、この問題の全
面的な解決を求めるべきである。
(ニ)
拉致被害者の家族たちが、北朝鮮側に怒り、感情をあらわにしていることは理解
できる。だが政治家や言論機関は、歴史的な経過を見つめ、冷静に解決策を考えるべ
きである。安倍晋三氏や西村眞吾氏等の札付きの極右翼・日本版ネオコンたちと唱和
することは、拉致問題の解決を遅らせるだけでなく日本の偏狭なナショナリズムをさ
らに助長するものだ。この点で、憲法改悪や日本の軍事大国化に反対している共産党
や社民党まで「経済制裁」を容認していることに、私たちは強い懸念を表明さぜるを
得ない。
拉致事件は紛れもなく北朝鮮による国家犯罪である。だが、その背景には日本政
府がかつて朝鮮侵略・植民地支配を今日に至るまで清算せず、敵対関係を維持してき
たこと、さらには朝鮮半島の人々が強いられてきた南北分断と対決構図が存在してい
ることは明らかである。
「拉致事件解決のための経済制裁」などという論理に立つなら、北朝鮮側にもか
つての膨大な数の強制連行=拉致の真相解明や被害回復のための「対日制裁」という
論理が成立するという想像力がなぜ働かないのだろうか。このように言えば「貧しい
国」北朝鮮に何ができるかと冷笑する人が多いだろうが、そのような反応の底には、
大国主義的な驕りのみが存在するというべきだ。いまだに中山文科相発言のような妄
言が後を絶たないのも日本の現実だ。官房副長官だった安倍晋三氏らによる歴史歪曲
のためのNHKへの政治圧力問題、NHKと政治家の癒着問題すら浮上している。
そもそも断続的にしか開かれない日朝協議では被害者の焦燥感が蓄積されるのは当
然である。国交を樹立し大使館が置かれれば、もっと円滑に進められることは言うま
でもない。マスコミもこれだけ朝鮮問題を連日のように取り上げているにも関わら
ず、ピョンヤンに支局はおろか常駐特派員すらいない現状をどう思っているのだろう
か。
先日、来日した韓国とフィリピンの元日本軍「慰安婦」の方たちと面会した細田官
房長官は、彼女たちに詫びたと報じられている。ピョンヤン宣言でも小泉首相は「お
詫びと痛切な反省」を語った。だが日本軍「慰安婦」や強制連行の被害者への誠意あ
る謝罪と償いは一切行われていない。他国の「人権」をいうなら、いまなお放置した
ままの侵略・植民地支配の被害者の人権回復を速やかにおこなわなければならない。
日本人拉致被害者と朝鮮半島の南北にいる被害者は、ともに被害回復・人権回復が
なされるべきだ。
日本が事実上、朝鮮を植民地支配下に置いてから今年で100年、敗戦から数えて
も60年もの間、歴史の清算さえまったくなされずにきていることが、すべての問題
の根源だ。
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